『イラクとアメリカ』
岩波新書久々のヒットでしたね。『イラクとアメリカ』(酒井啓子)。まずもってタイムリーな企画だし、その内容も正確・冷静。フセインとブッシュの「生さぬ仲」を、事実の積み重ねからあぶり出します。
どこまで本気かはブッシュの腹の内ながら、アメリカ(政府)は対イラク戦の準備に余念がありません。またしても全世界が、好むと好まざるとに関わらずこの愚かな遠心分離機に放り込まれ、そしてそのなかで、罪の無い普通の人々が命を落とすことになるのでしょう。不毛な二極対立を乗り越える手立ては、無いのでしょうか?(2002.10.15)