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新編 木漏れ日の下で

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1999年に発表した電子ブック『木漏れ日の下で』(FDに収められたttzファイル。2001年には増補改訂版を『ひとりの夜の愉しみは』として発表)の新版を編もうとする試み。今日まで…
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2024年6月の記事一覧

何もできなかった

 作家・沢木耕太郎さんのご父君が、「お父さんがいたから」と父をいたわる沢木さんにたいして…

hisahisa67
5か月前
1

人生は廻る輪のように

 文庫本になったのを機会に買い求め、いまちょうど三分の二くらいを読み終えたところです。エ…

hisahisa67
5か月前

荻野さん、それを言っちゃあ

 なになに、「賢い女は敬遠される。男の出番がないからだ」!?  そこまで言うか、マドンナ先…

hisahisa67
5か月前

「ことば」の課外授業

 西江(雅之)先生の新著を待ってる人って、結構いるんじゃないかな。とにかく面白いもの。目…

hisahisa67
5か月前

敵か味方か……の聖書

 ブッシュ米大統領の言葉? いえいえ、ちがいます。イエス・キリストの言葉(「マタイによる…

hisahisa67
5か月前

たそがれ清兵衛、四たび

 「たそがれ清兵衛」を見てきました。四度目です。──音楽がすごい。月山が美しい。子供たち…

hisahisa67
5か月前

成熟した国

 キレる……のは「若者」であると、相場は決まっています。でも実際は、どうなんだろう。客商売をしてみれば分かるけれど、すぐにキレるおじさん・おばさんの、なんと多いこと。キレる人というのは、ようするに気の短い人、横柄な人、思慮の浅い人のことでしょう?  実年齢じゃないんです。精神年齢なんです。相手との対話を考えずに自分を押し通そうとしてぶつかる。それが面倒で、無理やり突破しょうとするから摩擦が生じる。その摩擦によって礼節という薄皮が剥がされて欲望がむき出しになることがすなわち、

『アラビア・ノート』の女性たち

 普通の人の普通の暮らしを読むと、ホッとします。遥かに遠いアラブの地にも普通の人がいて、…

hisahisa67
5か月前

茨木のり子集完結

 「茨木のり子集/言の葉」(全三巻)が完結しました。最後に茨木さんの今のお話がうかがえる…

hisahisa67
5か月前
4

スターガールに会いたい

 そう。「わかる」というのはそういうこと。でも、『スター★ガール』の主たるテーマはそうい…

hisahisa67
5か月前

やまない雨はない

 倉嶋厚さんといえば、かつてはお天気キャスターとしてつとに知られていた方。その倉嶋さんが…

hisahisa67
5か月前

たそがれ清兵衛

 山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』を見ました。  大好きな作家の作品を原作にした映画やテ…

hisahisa67
5か月前

本屋さんを覗く

 たまには本屋さんで、ゆっくりと時間を過ごしてみるものですね。それも、少し大きめの本屋さ…

hisahisa67
5か月前
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『イラクとアメリカ』

 岩波新書久々のヒットでしたね。『イラクとアメリカ』(酒井啓子)。まずもってタイムリーな企画だし、その内容も正確・冷静。フセインとブッシュの「生さぬ仲」を、事実の積み重ねからあぶり出します。  どこまで本気かはブッシュの腹の内ながら、アメリカ(政府)は対イラク戦の準備に余念がありません。またしても全世界が、好むと好まざるとに関わらずこの愚かな遠心分離機に放り込まれ、そしてそのなかで、罪の無い普通の人々が命を落とすことになるのでしょう。不毛な二極対立を乗り越える手立ては、無い