ケルト、そして北原先生のこと
ケルト美術展が開催されています。ブームとはいかないまでも、日本でもケルトはかなり一般的になって来ているようで、ケルト人やケルト文化をテーマにした本をよく書店で見かけるようになりました。
ぼくがケルト美術を知るようになったのは、昭和四十九年に和光大学に入学し、故北原一也先生の研究室で、ケルト美術に関する書物の原書講読に加わってからです。北原先生は当時、西洋の、あまり一般的ではない中世以前の美術を研究しておられました。
先生は本来、ボードレールなど、フランス象徴詩の研究者だっ