第1期SAKURA LEAGUE決勝戦レポート
来る7月10日。
第1期SAKURA LEAGUE決勝戦が行われました。
決勝メンバーは以下の4名
予選1位
服部竜ノ助さん +136.1
連盟公式ルールはSAKURA LEAGUEで覚えたばかり。
いきなり結果を出しての決勝進出。
予選2位
山下棟健プロ +135.8
今回の決勝進出者の中で唯一の麻雀プロ。
静岡支部の新人です。
予選3位
宮川健太郎さん +125.1
なんと節優勝が2回。
ネット麻雀天鳳での強者でもあります。
予選4位
藤川裕介さん +123.9
トーナメントリーダーとしても終始リーグ戦を引っ張ってきました。
最後は滑り込み!
それでは高打点の応酬となった決勝戦の様子をどうぞ!
す1回戦 (起家から 山下・宮川・藤川・服部)
開局は服部さんがリーチ・ツモドラ1で1000・2000。
緊張した面持ちだったが、これで一息ついた印象。
東3局は山下に選択が。
ドラ2
宮川さんリーチ
456①③⑦⑧⑨23455 リーチ
次巡山下
④④⑤⑤⑥⑦⑦⑦44888 のテンパイが入る。
④⑤4はともに場には出ていなかったが、タンヤオ牌が場に高かったこともあり、リーチを選択。
山下らしい選択。
さらに次巡にはツモ④も動じず。そのまま②で2600放銃となった。
その後、1回戦は藤川さんに立て続けにマンガン手が入るものの成就せず。
細かく加点した宮川さんがトップを獲った。
1回戦終了
宮川さん +11.2 山下+6.9 藤川さん△6.4 服部さん△11.7
2回戦(起家から 服部さん・宮川さん・山下・藤川さん)
2回戦は開局から手がぶつかった。
3人テンパイ。
しかし、ここからは1回戦メンゼン手を決めれなかった藤川さんがギアチェンジ。
積極的に仕掛けて、細かいアガリをモノにして相手のチャンス手を潰していく。
1回戦メンゼン勝負が実らなかったので、好判断に見えた。
決勝戦ということで早めの決断が功を奏したか。
東4局 ドラ北
ここまで手に恵まれなかった服部さんについに手が入る。
二三四七八③③123北北北 リーチ
仕掛けた宮川さんも、これに追いつく。
④⑤⑧⑧ 西ポン 678チー Rポン
ここは宮川さんから服部さんへ8,000は8,300の放銃となった。
2回戦南入時持ち点
服部さん32,500 宮川さん14,900 山下P 34,300 藤川さん33,300
南2局 2本場 親宮川さん
前局、点棒の無いところから1,300オールをアガリ、巻き返しを図りたいところ。
タンピン系の好形イーシャンテンになったところでドラの中をリリース。
これを藤川さんがポンしてあっさり2,000・3,900のツモアガリ。
三四五⑥⑥⑦⑦⑦67 中ポン ツモ8
宮川さんはかなり苦しい・・・。
南3局 ドラ西
そんな宮川さんが勝負にでる。 11巡目の勝負リーチ。
一一一五六七234456西 リーチ
服部さんも清一色テンパイで追いつく。
②③④④⑥⑥⑦⑦⑧⑧ ③①②チー
ここは宮川さんに軍配。
西をツモって2000・4000
オーラスを迎えた点棒はこちら
服部さん28,200 宮川さん22,800 山下P 30,800 藤川さん38,200
南4局 ドラ3
初戦ラスの服部さん(南家)に勝負のテンパイ
四五④⑤⑥33 チー789 南ポン
先制テンパイを入れていた宮川さんも意を決してリーチ。
一二三六六⑦⑧234567 リーチ
今後の展開を占う大事な1局・・・
結果は・・・
宮川さん ツモ⑥で1,300・2,600。
これで服部さんをかわして3着に。
服部さんは痛恨の2ラスとなってしまった。
2回戦終了
服部さん △11.1 宮川さん +6.2 山下P △1.5 藤川さん +17.6
2回戦終了時トータル
藤川さん +11.2 宮川さん +6.2 山下P +5.4 服部さん △22.8
服部さんは一人沈みも、上位3人はほとんど差が無い状態。
まだまだ勝負の行方は分からない。
3回戦(起家から 山下P・藤川さん・宮川さん・服部さん)
東1局0本場、1本場と山下がテンパイ、500は600オールとつないでいく
2本場、遂に点数が大きく動く。
ドラ1 山下P
1234566788 879チー ツモ8
6,000は6,200オールのツモアガリ。
これで山下Pはポイント的にも大きく抜け出したか。
ここからは場が大きく荒れていく。
同3本場は宮川さんが1,300・2,600のツモアガリ。
東2局はここも手がぶつかる。
諦めない服部さん
二三四五六七③④23499 リーチツモ② 2,000・4,000のツモアガリ。
この時の親の藤川さんの手が・・・・
①①①③④⑥⑦⑦⑧⑧⑨⑨⑨
あわやチューレンかという大物手。
服部さんの手元に置かれた②をなんとも言えない表情で見つめていた。
東3局では宮川さんから山下Pへ8,000点の移動。
この時は山下Pはトップを盤石なものにしたかのように見えたのだが・・・
3回戦南入り時
山下P 55,000 藤川さん 18,100 宮川さん 21,800 服部さん 25,100
南1局も激しく手がぶつかる!!
宮川さんはタンピンイーシャンテンから上手に三色に渡りをうって以下の形。
三四五六七八⑥⑦⑧4467 リーチ ドラ⑤
その時、藤川さんからドラの⑤が放たれ、戦慄が走る。
藤川さん
五五五九九九北北北RR中中 ホンイツのツモり四暗刻のテンパイ。
宮川さんが8をツモって3,000・6,000。
藤川さんは先ほどのチンイツに続いてド級のテンパイが実らず。
南3局 ドラ七
藤川さんの勝負手が遂に実る。
七七八九九⑦⑧⑨11789 ロン八
これに飛び込んでしまったのは服部さん。
ドラそばとは言え、正直誰が切ってしまってもおかしくない手牌だっただけに不運としか言いようがない。
南4局 ドラN
優勝を狙う宮川さんが決死のチンイツ仕掛け。3副露時の形は以下の通り。
二三八N 九ポン チー三四五 六ポン
山下Pもホンイツの仕掛け。
①③③⑦⑨NN チー⑨⑦⑧ チー⑤⑥⑦
七を引いたところで腹を括ってN切
これを山下Pがポンでカン⑧のテンパイ。
これに対して、宮川さん。
②・⑥と押して・・・ツモ四。 これで山下Pをまくってトップに。
かなり厳しい2牌を押してのアガリは、優勝にむかう宮川さんの気持ちが存分に伝わってきました。
胸が打たれる打牌でした。
3回戦終了
宮川さん +27.4 山下P +19.9 藤川さん △4.2 服部さん △43.1
3回戦終了時トータル
宮川さん +33.6 山下P +25.3 藤川さん +7.0 服部さん △65.9
4回戦前には、各者条件を計算します。
山下Pを除けば初めての経験です。
条件戦が競技麻雀の醍醐味だと、僕は思っています。
苦しい位置の服部さんも、決して諦めることなく条件を確認していました。
すさあ、いよいよ最終戦です。
4回戦(連盟規定により起家から 山下P・藤川さん・服部さん・宮川さん)
東2局2本場 ドラ二
追っかける親の藤川さんにドラ待ちの先制リーチ。
三四六七八345678白白 リーチ
だが、ここは同巡に服部さんが同テンのニをツモアガリ。
二二九九九⑦⑦⑦456RR ツモ二 服部さん3000・6000
東3局
藤川さんが勝負をかける。
ツモアガリの形からフリテンリーチ(ドラなし)
二三三三四五六345567 打一 リーチ ツモ一
藤川さんの700・1300のアガリ。
少し、チャレンジのリターンが少ないかな、とは思ったものの勝ち取るという意志が伝わってきました。
東4局
服部さんがさらに加点。
3334456 白ポン Tポン ツモ7
服部さん 2,000・4,000
南1局開始時点
山下P 22,100 +13.4
藤川さん 34,700 +15.7
服部さん 47,300 △40.6
宮川さん 15,900 +11.5 ※右側はトータル
南1局2本場
山下Pにドラ3のビッグチャンス。
しかし、ここは藤川さんが、タンピン三色をヤミテンでアガる。
二三四③④④④234567 ロン②
宮川さん→藤川さん 7,700は8,300
南2局
ここまで苦しかった宮川さんにチャンス手が入る。
9巡目リーチ ドラ六
二二四五六七八②③④234 リーチ
服部さんから三が出たが、これをスルーしてこのまま一人テンパイで流局。
この時点でトータルトップの藤川さんとの差は19.8P。
これを服部さんから上がってしまうと、トップが入れ替わってしまうので、4.7Pしか縮まらず、苦しいという判断。
六ツモなら18P縮まるので雲泥の差ということか。
残りあと2局、難しい局面だった。
南3局開始時点の点棒状況は以下の通り
山下P 24,100 藤川さん 43,000 服部さん 44,300 宮川さん 7,600
これがトータルだと・・・
山下P +15.4 藤川さん +24.0 服部さん △47.6 宮川さん +3.2
山下Pは供託があるので5,200上がれば、浮きにまわり、藤川さんをかわす。
宮川さんがラス目なので、これ以上順位点で差がつくことが無いし、親番も残しているので十分可能性が残っている。
まずは南3局1本場供託1 ドラ四
親の服部さん 7巡目
二三四八八①②③④⑤⑥56 リーチ
これに宮川さんが仕掛けて追いつく。
仕掛けも受けて完全に手詰まってしまった藤川さんが服部さんに5,800の放銃となった。
南3局2本場
山下Pに勝利の女神がほほ笑んだか?
上ればグッと優勝が近づくテンパイが入る。
ドラ4
山下P 6巡目
一二三七九①②③⑤⑥⑦44 リーチ
山に2枚残っていた、ドラドラのリーチ。
追い込まれた藤川さんも無筋3連打で応戦。
13巡目ついにチーテンを入れる。
藤川さん
六六②③④33567 チー654
次巡、服部さんも追いつく
五五六七七八八456中中中 リーチ
同巡藤川さんが引いたのは八!!
山下Pのアタリ牌を食い下げた形だ。
テンパイを取るには、六か八を切らなければいけない。
六は服部さんのアタリ牌で、八は山下Pのアタリ牌。
この日一番の長考となった。
ふり絞って切った牌は現物。
オリを選択したのであった。
とても見ごたえのある一局だったと思う。
同3本場は流局 服部さん・山下P・藤川さんの3人テンパイ
同4本場供託3 ドラ①
服部さん 8巡目
③④④④⑤44556888 リーチ
宮川さんが追いつく 10巡目
六八①①⑧⑧⑧⑨⑨⑨123 リーチ
めくりあいを制したのは服部さん。
ツモ3で2,000は2,400オール。
ここで持ち点は63,100点、遂にトータルトップの背中が見えてきた。
同5本場
服部さんの親がここで落ちる。
アガったのは山下P。
安めでも嬉しいアガリだが、高め三色の大きな大きなアガリ。
三四②③④⑥⑦⑧23466 ロン 二
宮川さんから山下Pに8,000は9,500。
これには3者がガックリ。
特に服部さんは最後の役満条件が無くなってしまった。
いよいよオーラス。
藤川さんの条件は山下Pから5,200、2,000・3,900以上のツモアガリ、リーチ棒1本出れば倍満の出アガリ。
藤川さん条件を満たしたリーチ。
二二五五六七七⑦⑦4477 リーチ。
決着はいかに・・・。
前巡、無筋を1本押した山下Pが手元に五をそっと置いた。
三三四六③④⑤678TTT ツモ五
4回戦終了
服部さん +40.7 山下P +7.2 藤川さん +2.6 宮川さん △50.5
最終成績
山下棟健+32.5 藤川裕介+9.6 宮川健太郎△16.9 服部竜ノ助△25.2
服部さんは何度も高打点のテンパイを入れたが、序盤はアガリがつかず、苦しい展開だった。
それでも最後までくらいつく姿勢は我々麻雀プロの目から見ても、立派なものだったと思う。
自分も恥ずかしくない姿勢で対局しないといけないなと考えさせてもらった。
宮川さんは何と言っても、3回戦の南4局の強烈な押しが印象に残った。普段は抑え気味に局を進めることが多いタイプなだけに、勝つぞという気持ちが体中から溢れていた。
藤川さんは打点を見据えた手作りをしっかり見せてくれた。
四暗刻や純チャン三色など、見せ場はたっぷりとあった。
もう一回でもアガリがついていたら結果は違っていただろう。
優勝した山下棟健プロ。
これだけの乱打戦に関わらず、ノートップで優勝したのは評価に値するのではないか。
また、第1期でしっかりと結果を残したことも重要なことだと思う。
プロ1年目とはいえ、麻雀マスターズなどで、経験を積んできたことなどが活かされているな、と思った。
麻雀プロは大きな舞台を勝ち取って、経験を積んでいかなければならない。
まだまだ先が楽しみな選手である。
これからも前途ある若者への応援を、皆様にお願いしたいと思う。
また、山下Pもその応援に応えられる選手になってほしいなと思っている。
優勝おめでとう!
最後に・・・
思い立ったが吉日ということで企画したSAKURA LEAGUE。
数多くの方の参加、またプロの方の協力のあり、第1期を無事、最後までやりきることができました。
本当にありがとうございました。
第2期もすぐに始まります。
これからも熱い戦いをいっしょうにしていきましょう!!