第2期SAKURA LEAGUE決勝戦レポート
第1期はプロ1人、アマ3人の決勝戦。
山下棟健プロの優勝だった。
第2期も同じく、プロ1人、アマ3人の構図となった。
今回は誰の頭上に栄冠が輝くのか?
まずは選手の紹介から。
1位通過 鈴木元司さん(+193.2)
第2期はリーグ戦序盤からリードを広げ、早々と決勝進出を当確とさせていた。
日本プロ麻雀連盟・地方支部本部主催のプロアマリーグにも積極的に参加されている。
今回は初の決勝ということで、気合も十分といったところ。
2位通過 藤川裕介さん(+115.8)
第1期に続いての決勝進出。
それだけでも、雀力の高さは窺い知れるか。
前回は後一歩のところで優勝を逃し、今回の優勝にかける思いは人一倍強い。
3位通過 都築友和プロ(+105.5)
今決勝でただ一人のプロ選手。
今年度は麻雀マスターズでベスト8に残るなど、活躍も目覚ましい。
また、レギュラーでSAKURA LEAGUEにも参加してくれている。
プロ連盟中部本部主催の帝鯱戦(プロアマリーグ)積極的に参加して、この地方の競技麻雀普及に一役買っている。
4位通過 中田晃斤さん
長く、私といっしょに働いてくれているのだが、麻雀に対する気持ちと、実直さは、ナンバー1。
麻雀力もかなりのものだ。
以前は小難しく考えてしまうことも、多く見られたけど、今ではとても良いバランスで打てる選手。
最終節で大きくポイント伸ばしての決勝進出となった。
各選手の緊張感が伝わる中、1回戦が開始された。
(以下、敬称略)
1回戦 起家から中田・都築・藤川・鈴木
東1局・東2局と静かな立ち上がり。
鈴木が300・500、中田が都築から2600。
1回戦の最初のめくりあいは東3局。
ドラ⑤
親の藤川 三三三②④⑤⑤345789 リーチ
同巡追っかけ鈴木 四四六七八④⑤222666 リーチ
ここは鈴木に軍配、2,000・3,900。
南1局は都築のリーチ
ドラ四 都築 二三四五六八八⑦⑧⑨456 リーチ
鈴木がこれをタンヤオで捌いて300・500
親の中田は慎重に打ちまわしたが、アガリ逃し。
これを見ていて全体的に慎重な入りだなと、思った。
南2局はこれまで苦しかった藤川さんが2,000・4,000。
南3局、ラス目の都築に勝負手が入る。
ドラ九 都築 三四五③④⑤⑥⑦⑧⑧345 リーチ
親の藤川がドラ2のリャンシャンテンから押し返す。
こういったところの思い切りの良さが藤川の長所の一つ。
九九55 一二三チー 八六七チー Rポン
しかし、ここは藤川が②を掴んでの放銃となった。
オーラス 中田28,600 都築25,300 藤川26,000 鈴木40,100
各者アガリがあったものの、失点の無かった鈴木さんがトップ目に立つ。
オーラスは中田が1,000点を都築からアガって終了。
1回戦終了 鈴木+22.1 中田▲1.4 藤川▲7.0 都築▲13.7
2回戦 起家から鈴木・中田・都築・藤川
東1局・東2局と続けて中田がアガるも、続く東2局1本場は藤川が高打点を決める。
ドラ⑧ 藤川 四五④⑤⑥⑨⑨456中中中 リーチツモ六 2,000・4,000
東3局は中田に四暗刻のイーシャンテンが。
2枚目の①をポンして以下のテンパイ
ドラ八 中田 三三777888西西 ①ポン
ツモると嬉しいが、鈴木が中田のアガリ牌の西を重ねて、チートイドラ2のテンパイからリーチ。
中田が苦しいかと思われたが、ツモ三で値千金の2,000・4,000。
南2局の中田の選択。
都築が先制リーチ
ドラ六 三四五六七八②②②④234 打⑥リーチ
中田がすぐに追いつくが、少考、現物待ちの五八のピンフドラ1。
現状の持ち点が40,000オーバーで、ヤミテンの選択もあるか?
中田 一一六七④⑤⑥123456 リーチ
中田はリーチと強めの選択。
後で聞いたところ、リーチに対して入れ替えれる牌が③しかなかったので、打点上昇が偉いとの判断だったそう。
結果は無情にも、最後の③を引いて5,200の放銃となった。
オーラス 鈴木19,100 中田34,100 都築32,000 藤川34,800
都築はメンピンの先制リーチを打つ。
ドラ① 都築 五六七九九③④⑥⑦⑧345 リーチ
リーグ戦のセオリーならヤミテンであろう。
決勝戦ということで、着順アップにかける強い選択。
鈴木から追いかけリーチが入る。
鈴木 一二三八八①②③⑤⑥456 リーチロン④
これが都築から(一発はないけど)一発で出てアガリ、3,900。
都築は原点が割れての3着で終了。
1回戦2回戦と痛い逆連帯となってしまった。
2回戦終了 藤川+12.8 中田+8.1 都築▲6.9 鈴木▲14.0
トータル 鈴木+8.1 中田+6.7 藤川+5.8 都築▲20.6
3回戦 起家から藤川・都築・中田・鈴木
3回戦の序盤戦は、大物手を各者がテンパイするも、捌き手が決まり、成就せず。
東2局1本場は藤川ドラ2のリーチ・中田が役役ホンイツテンパイも都築が2,900。
東2局2本場は今度は都築がドラ3のリーチを打つも、中田が1,000点。
東3局も藤川が一手変わり3色のテンパイ、鈴木がドラ2のチートイテンパイも中田が1,000点。
均衡は簡単には崩れない。
見ている方も、固唾を飲んで見ては、安いアガリで一息つくといった感じであった。
ところが東4局からは一転、高打点のアガリが連続する。
まずは中田、鈴木から7,700。
続く南1局は鈴木がチーテンのドラ中の後付け仕掛け。
これに親の藤川がリーチ宣言牌で飛び込んでしまう。
藤川→鈴木 7,700。
南2局は都築がドラ3のポンテン。
鈴木がテンパイ打牌で都築に捕まる、鈴木→都築 11,600。
結果を見れば、鈴木はこの放銃で一歩後退してしまった。
これは自身の手が狙っていた三色テンパイにならなかったところで、受けた方が良かったように見えた。
南3局 中田が鈴木から3,900をアガったところで持ち点は以下の通り。
藤川17,800 都築46,700 中田37,200 鈴木18,300
トータルは・・・中田+17.9 都築+4.1 鈴木▲3.7 藤川▲14.4
南3局1本場に事件が起こる。
まずは鈴木の先制リーチ。
ドラ② 六六六③④⑤⑤⑥⑦6788 リーチ
都築がマンズの役役ホンイツイーシャンテン。
中田も約無しドラ無しの、カン⑦のテンパイ。
後から聞いたところ、中田は鈴木のリーチが入った時点ではピンズの景色も良かったので、追っかけるつもりだったそう。
だが、ドラがタンヤオ牌、河はタンピン系の捨て牌なことから、安いことの方が少ないだろう。
さらには、都築も迫力のある仕掛けを入れている。
トータルポイント、現状の点数を考えれば、役無しドラ無しのカンチャンテンパイでは受けに回るのが、普通である。
鈴木のリーチに無筋を引いて、現物の9を切ったところで、藤川からロンの声。
藤川 一一二二三三①②③1239 ロン 12,000
藤川はこれで20,000点割っている状態から、一気に浮きに回る。
これは相手を褒めるより他ない。
もし、中田がリーチにいっていれば、鈴木から2,000点のアガリがあったのだが、それを言うのは酷というもの。
しかし、あまりにも大きな失点となってしまった。
オーラスは1本場、2着目でわずかに浮いていた藤川を沈める価値ある1,000・2,000を都築がアガった。
3回戦終了 都築+33.0 藤川▲2.0 中田▲3.5 鈴木▲20.8
トータル 都築+12.4 藤川+3.8 中田▲3.5 鈴木▲12.7
2回戦まで一人沈みだった都築が1半荘でトータルトップへと浮上した。
だが、ポイント差はそれほどない。
誰が勝ってもおかしくない最終戦となった。
4回戦 起家から中田・鈴木・都築・藤川
東1局 いきなり藤川がトータルトップの都築を狙い撃ち。
ドラ三 藤川 一三四五六七八九①②③④④ ロン 二 5,200
あっという間に藤川がトータルトップに。
東2局 負けじと都築がチートイドラ2をツモアガリ。
これはかなり大きなアガリとなった。
2,000・4,000
ここからはお互い決定打が無いままに局が進む。
南1局終了時点 中田29,200 鈴木22,800 都築37,600 藤川30,400
南2局 ドラ6
藤川が先制リーチ 二三四六七八2234578 リーチ
これに中田が追いつく。
長考の末に待ちを選択、地獄単騎の西待ちのチートイドラ2。
二二六六九九④④66西北北 リーチ
2番手争いを制したのは中田、藤川から8,000のアガリ。
南3局の都築の親番は中田と都築が少し点棒を増やした。
いよいよオーラス。
中田42,400 鈴木17,400 都築42,300 藤川17,900
各者の条件
中田 出アガリ12,000 ツモアガリ3000・6000 都築から6,400以上
都築 アガれば優勝
藤川 連荘
鈴木 都築から役満
都築がアガって、終わらすべく仕掛ける。
だが、中田にドラ2の手牌、これを丁寧に七対子にまとめ、待ち選択。
⑥は一枚ヤマ、6は2枚ヤマ。
中田は打⑥でリーチ。
これは残念ながら実らず、中田・藤川の二人テンパイ。
南4局1本場
中田の条件が軽くなる。
(リーチ棒が出れば)7,700出アガリ、2,000・3,900ツモアガリ、5,200直撃。
またしても条件を満たすテンパイ。
しかし、これはドラのツモアガリ条件だが、ドラの六は純カラ。
藤川が苦しいながらも、何とか最後にテンパイを入れる。
またしても、中田・藤川の二人テンパイ。
南4局2本場
さらに中田の条件が軽くなる。
出アガリ6,400~(リーチ棒が出たら5,200OK)、1,300・2,600ツモ、2600直撃。
中田、3度目の条件を満たしたリーチ。
今度はカン7、これが何と3ヤマ。
ドラ五 中田 四五六六七八⑤⑥⑦⑧⑧68 リーチ
中田のツモに力が入る。
かなり自信もあるように見えた。
決着の時はもう、すぐそこまで来ていた。
ここで都築に決断の時が訪れる。
都築 一二三四①②③⑦⑦⑦23西西
選択としてはテンパイを取るか取らないか、そしてリーチかヤミテンか。
テンパイ打牌の一も四も無筋。
また、リーチ棒を出すと中田は5,200出アガリもOKとなる。
中田の手牌はリーチなので、5,200のテンパイの可能性はそれなりに高いと言える。
リーチ棒は極力出したくないだろう。
都築の選択は打一のリーチ。
最も強い選択をした。
次巡、決着の時。
テンパイが絶対条件の藤川から1を打ち取った。
最終戦 都築+22.2 中田+12.9 藤川▲15.0 鈴木▲23.6
最終結果 都築+34.6 中田+12.9 藤川▲11.2 鈴木▲36.3
全ての対局を見終えた感想としては、都築の気持ちの上での粘り勝ちかなと思った。
序盤の劣勢の後も、やるべきことをやって、勝ちへの道筋をしっかり見据えていた。
最後、中田の猛攻に対しても、受ける時はしっかり受けて、決める時に見事に決めた。
紙一重の勝負だったが、一歩上回ったかなと思った。
敗れた3者も見事な打ちまわしが随所に見られた。
リーグ戦を勝ってきたのも、頷ける内容であった。
対局後の4人の感想戦は、みんな晴れやかな顔をしていたと思う。
こういう光景は主催者として、本当に嬉しいものだったのは言うまでも無い。
都築プロ、おめでとうございます!