読書記録72(LIFE SHIFT2)1/2
第1章 私たちの進歩
・「老化」を治療できるよう研究が進められている。線虫、マウス、犬の寿命を伸ばせている。問題なのは、人間でも再現できるかどうか。
・若者に比べて高齢者の割合が大きくなっている。1950年の世界の平均年齢が24歳に対し、2017年では30歳である。更に、2050年には36歳まで上昇すると予測されている。
・80歳以上の人口が増えている。2022年では世界に80歳以上の人が1億2600万人(総人口の8%)いるが、2050年には4億4700万人(総人口の18%)に上昇すると予測している。
・年金について。1970年OECD加盟国の年金予算の対GDP比は4%程度であったが、2017年には8%まで上昇している。2050年にはこれが10%近くになる見通しである。
・人間の脳は、問いと発し、仮説を立て、さまざまな問題に同時並行で取り組み、未来の可能性をいくつも思い描く能力が極めて高い。テクノロジーが目指す究極の目標は、人間が実行できる知的課題をすべておこなえる機械を生み出す「汎用的人工知能(AGI)」の開発である。
・AGIがいつ誕生するのか。数年先という予測があれば、2055年までにという予測があるなど様々である。
第2章 私たちの開花
・人が不確実な未来と厳しい外的環境に素早く対処するうえでは、好奇心の果たす役割が大きい。好奇心の強い人は創造的な解決策に到達しやすく、型にはまった思考や誤った思い込みに陥る可能性が比較的小さいのである。
第3章 物語
・ハーバード大学の長期にわたる調査から、人生の幸福感と満足感に大きな影響を及ぼすのは、深くて豊かで長期間にわたる友情であることが明らかになった。
・年齢に対する考え方を変える。時間と年齢を単純に結びつけることはせず、年齢の可変性を前提に人生のステージのあり方を変えていくべき。
・ある人がどのような老い方をするのかは、その人が加齢についてどのような主観的感覚をいだいているかにも影響している。様々な研究によると、年齢を重ねることを前向きにとらえている人は、否定的にとらえている人に比べて平均7.5年長く生きるという。
・年齢に関する固定概念は、他の人たちに対する偏見を生むだけではない。未来の自分に対する偏見も生み出す。高齢になった自分に対して先入観をいだくと、将来に得られる機会が制約されて、「ありうる自己像」の範囲も狭まってしまう。こうならないために、80歳になったときの自分を思い浮かべて、未来の自分と対話してみたり、年齢にとらわれずに友人や知人とつき合ったりすることも有効である。
・トンネリング(重要な資源が不足していると、その不安に思考を支配されて直近のことしか考えられなくなる現象)に陥ることを防ぐための最良の対策は「冗長性(余裕のある状態)」を確保すること。いざという時に備えて貯金をしたり、定期的に休憩時間を確保したり、将来に役立つスキルを身に付けたり、一定水準の健康状態を維持するよう努めたりすることが有効である。
・業務をAIが担うことについて。業務の90~100%を自動化可能な職はわずか5%にすぎない。すべての業務を自動化できる職種はほぼないが、約60%の職種は自動化しやすい業務の割合が33%を超えている。
・自分が新しい仕事や将来就きたい仕事について考える場合、新しい潮流に目を光らせ、変化が進むスピードに注意を払えばいい。特に自動化を妨げる4つの要因に留意することが大切である。
①非定型的な業務が占める割合が大きいこと。 ②付加価値の高い業務に移行できる可能性が十分にあること。 ③その職の自動化を妨げるような環境があること。安全性を確保するための措置が要求されていたり、人間が最終判断をくだすことが義務づけられていたりするなど。 ④自動化が費用対策効果の面で得策ではないこと。
・人間の創造性と人間によるエンターテインメント、クリエイティブな仕事へのニーズはこれからも高まる。
・100歳まで生きることを前提に考えた場合、現役時代に所得の10%を貯蓄に回すと仮定すると、引退度に最終所得の半分程度の生活資金を確保した人は70代後半もしくは80代前半まで働く必要がある。
・引退した年齢と死亡率の推移を調べた研究によると、引退年齢が高い人ほど長生きする傾向が見られた。
・高度な機械が普及すれば、デジタルテクノロジーが人間を退屈な仕事から解放する。その結果、人々は自分の関心や情熱の追求に時間を割けるようになる。職人芸のような仕事やボランティア活動など、有意義で夢中になれる活動に取組む時間が増える。
・キャリアの流動性が高まる時代には、ひとりひとりが責任をもって主体的な選択を行う必要がある。これからは「仕事の時間」には、お金を受け取って働く時間だけでなく、現在と未来の資源を手厚くするために費やす時間も含まれるようになる。
・日々の幸福に関して。年間所得が7万5000ドル(約1050万円)を超えると、所得がそれ以上増えても幸福感は高まらないという。しかし、裕福な人ほど概して生きがいを感じていることがわかっている。よって、お金があれば幸せになるとは限らないが、お金は良い人生の重要な柱である。
・人生の満足感を最も左右する要素は「温かい人間関係」である。ほかの人とつながることは、よい人生を送り、人生で直面する試練に対処するための土台になる。
・自分の未来の道筋がどのようになるかを思い描いてみる。以下の内容について、自分が抱いている基本的な前提を再検討する。社会の変化に伴い、新しい自分のストーリーを書き換える。
①私のキャリアは突然終止符を打たれるのか?
②私の思考は狭まりすぎていないか?
③私は年齢に関して誤った思い込みをいだいていないか?
④私は制度の変化を考慮に入れているか?
⑤私は時間配分できるか?私は何を重んじて時間配分を決めたいのか?