読書記録53(自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義)2/2

第6章:性格は寿命も左右する~すべてを勝負にする人、しない人~

・ハーディネス:コミットメント(積極的に関わる態度)、コントロール(積極的に働きかけようとする態度)、チャレンジ(いい変化でも悪い変化でもこれを成長と新たな学びの機会として捉えようとする態度)
 同じストレスの環境下にいながら、ハーディネスの高い人と低い人では健康状態やパフォーマンスを低下する人とそうでない人とで分かれる。

・タイプA(行動タイプ診断)が健康に悪影響を引き起こす原因の特徴は「敵意」である。つまり、「敵意が健康に悪い」。タイプAにとって、いつも時間に追われていたり、慌ただしくしていたり、状況をコントロールしている感覚をもつことは、必ずしも健康に直接悪影響をおよぼすものではない。

・タイプAの傾向が強い人は、自尊心が低いと考えられる。タイプAがコントロールの感覚を得ることに執着しがちだが、それは自尊心が脅かされたことに対処しようとしているから。

・タイプAの人は様々な状況からでも競争心をはたらかせる。一方、ハーディネスの高い人はタイプAのように何でも勝とうとするのではなく、「チャレンジ」をゲームのようにとらえ、積極的かつ情熱的に、楽しさを感じながら取組む能力がある。こうした非敵対的なアプローチは健康面でもプラスに作用する。
 また、他人の行動にもタイプAはストレスを増加させ、健康に悪影響を与えるが、ハーディネスの高い人は他人の行動に過敏になったり、思い込みで自尊心を脅かされることなしに、安定した心理状態で物事に関わる視点をもっている。

第7章:クリエイティビティは「才能」ではない~独創的な人ほど性格が悪い?~
・クリエイティブ度がわかるテストをしてみる。「クリエイティブな人とは、新規かつ実用的なアイディア、モノ、プロセスなどをつくった人」と定義する。

・子ども時代や学校教育を通じて、クリエイティブな人にはいくつか共通点がある。子どもの頃に家族から尊重されていたこと、自分の好きなことをさせてもらえたこと、自主性を育んでいたこと、両親と過度に親密ではなかった、両親との間で強烈なネガティブ体験をしていないこと。

・クリエイティブな人には2/3の割合で内向的な傾向があった。また、結論を急がずにオープンな態度で関わろうとしている。そして、強い直観の傾向が見られた。

・クリエイティブな人は他者との関わりにおいて、落ち着き、自発性、自信がみられる。ただし、人の集まりに積極的に参加するタイプでもない。知的なスタイルでは、頭の回転が速く、要求が厳しい、攻撃的で自己中心的、説得力がある。さらに、他人に好印象を与えようと思っていない。

・クリエイティブな人は一般人なら無視したり気づかなかったりするような感覚やイメージ、思考に対してオープンで敏感だが、そのために苦しみを味わったり、人間関係に摩擦が生じたりすることもある。

第8章:住んでいる場所が「生活の質」を決める~SNSで回復する人、疲れる人~
〇環境パーソナリティ(ERIで測定):環境に対する8つのスタンス
①自然志向:手つかずの自然に対する感受性が強い。
②都会志向:人口密度の高い地域での生活を受け入れ、都市がもたらす様々な刺激を好む。
③環境への適応:自然を、人間の欲求を満たすための快適さやレジャーを提供するものとみなす。
④刺激の探究:旅行や変わった場所の探索に大きな興味を示す。
⑤環境への信頼:環境への信頼が高く、独りでいるときや保護されていない状態でも快適でいられる。
⑥歴史思考:歴史的な場所を楽しみ、デザインも伝統的なものを好む。
⑦プライバシー優先:刺激や気晴らしを遮断することへの強い欲求をもっている。
⑧仕組みへの志向:ものごとの仕組みや様々な形の力学に興味がある。
・環境と幸福度の関係には、個人のパーソナリティが大きく影響している。

第9章:「パーソナル・プロジェクト」を追求する~人生をかけて達成したいことを見直す~
・プロジェクトを可視化することで男女に差が見られる。女性はストレスの多いプロジェクトを可視化することでメリットを得るのに対し、男性はそれを周りに口外しないことでメリットを得る。よって、女性は幸福度を高めるためにもっとも重要な要因は、自分のプロジェクトをサポートしてくれるような企業文化。男性は自分のプロジェクトの追求を邪魔しないような企業文化。

・有意義でコントロールしやすく、有効で周りからの理解や支援があり、ポジティブな感情を強く感じるパーソナル・プロジェクトを追求している場合、幸福度が増し、人生がよりよいものになる。

第10章:自分を変える挑戦~幸福な人生を自分でつくる~
・「人は変わることができる」という視点を得る。「何をやってもダメ」ではなく、「誰でも、ある分野では技能があり、別の分野では技能がない」「技能は努力によって身に付けられるもの」と捉える。

・パーソナリティ特性の変えることができる「自由特性」を理解することが大事。自分のキャラクターの外に出ることで可能性を広げ、成長することができる。最新の研究では、内向型の人間が、外向型を装うことで、ポジティブな気分や幸福感が増すことを示唆している。

・個人的な評価規準は私たちが物事を見るための枠組みにもなれば、閉じ込める檻にもなる。

・これからは自分は複数の自分で構成されていることを知り、そうしている自分を許すことが必要。そして、自分の要望に応え、挑戦をサポートし、献身的に愛してくれた自分がいることを認める。自分のパーソナリティをつくり、幸福になるよう導き、ときには下手な冗談に笑ってくれ、必要なときに抱きしめてくれたのは、人生を共に歩んできた自分自身。どんな自分も受け入れることが大事。


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