社会の窓はどこいった
「社会の窓開いてるよ」
これほど言われて恥ずかしいことはない。
あわてて相手に背中を向けて、
股間を抑えながらチャックを上げる。
ジーッという音、だまれ!
恥ずかしさに拍車がかかるじゃないか!
なんでそんな状況になったのか
分からないが、
確かに社会の窓は全開だった。
指摘されて社会の窓を閉じることが多いが、
今日はジブンで指摘される前に
閉じてやった。
ゴミを出しに行こうと玄関から外に出た。
朝のさわやかな空気を口から感じた時に、
下腹部もさわやか冷ややかな空気を感じた。
まさか!
近所の方に気づかれないよう、
素早くチャックを探ると。
ビンゴ!
チャックが重力に負けて下がっている。
すぐにチャックを上げて
社会の窓を閉じる。
なにごとも無かったかのように
ゴミ袋を持って街を闊歩する。
街はシャワーを浴びたように霜が降りてる。おかげですがすがしい朝を感じられた。
にしても、最近は「社会の窓」という言葉を
聞かなくなっている。
指摘されることがなくなっているのか、
それとも別の言葉になっているのだろうか。