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抗がん剤の副作用はどうしてでるの?  その3

「抗がん剤の副作用はどうしてでるの?」という題名をつけておきながら、それに関する内容を記載していないことに今更ながら気がつきましたので、今回はまずはその点からお話ししていきたいと思います。
なお、抗がん剤と一口にいっても、分子標的治療薬だったり、オプジーボのような免疫に作用する薬剤なども増えてきましたので、ここでは昔ながらの抗がん剤、殺細胞性抗がん剤についてお話ししていると思ってください。
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▼抗がん剤の副作用はどうしてでるの?
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昔ながらの抗がん剤は、がん細胞が細胞分裂をメチャクチャ繰り返すという性質に対して作用することで効果を発揮します。
細胞分裂の話しは、理科や生物の教科書を見てもらえればと思いますが、
①DNAがほどける
②DNAがコピーされ、2倍になる
③微小管に引っ張られて、それぞれ両端に寄る
④真ん中でぎゅっと絞られて、2つにわかれる

これらの各段階のどこかが起こらないように、もしくは次のステップに進めないようにすることで、細胞分裂ができなくさせるのが「抗がん剤」です(④を阻害する抗がん剤はなかったと思いますが・・)。
ですので、特にがん細胞だけをターゲットに効果を発揮しているわけではなく、身体中の細胞分裂をしている細胞が影響を受けてしまうわけです。
普段から細胞分裂をたくさんしている場所は影響を受けやすく、あまりしていない場所は影響を受けにくいということになります。
普段から細胞分裂をたくさんしている場所の代表が、腸の粘膜の細胞です。おおよそ1-2日サイクルで入れ替わっているとされています。
口も腸の一部ですから、口内炎という形で副作用が現れます。
胃粘膜が障害されると、吐き気や食欲不振、消化不良などを起こします。
小腸や大腸の粘膜が荒れると、下痢を引き起こします。
白血球も1-2週間サイクルで入れ替わるので、白血球そのものが抗がん剤でやられてしまうというわけではなく、それぞれ役割を終えてなくなっていく中、新しい白血球が作られるのが一時ストップしてしまったため、うまく交代が行われず、人手不足の時期というか、白血球が少なくなってしまう時期ができてしまうわけです。
身体は、自身を保つために必要な場所の細胞を分裂させているわけであり、抗がん剤ががん細胞だけを認識して攻撃することができれば良いのですが、そういうわけにもいかず、がん細胞以外の普通の細胞も、抗がん剤投与時に細胞分裂をしていると影響を受けてしまわざるを得ず、その結果が副作用として現れていますので、副作用そのものを出ないようにすることが難しいといわざるを得ません。
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▼副作用が出やすい人の特徴
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副作用には個人差が大きく、同じ抗がん剤治療を受けても、ほとんど副作用が出ずケロッとしている人がいる一方、あわや命に関わるかというくらいのひどい副作用に見舞われてしまう方もいます。
我々の予想を超えて副作用が出てしまう人もおりますが、ある程度副作用が出やすい人というのがわかってきています。
①年齢(70歳以下に比べて、70歳以上)
②全身状態(パフォーマンスステータス:PS)がよくない人
③栄養状態がよくない人

これら3つは、抗がん剤の副作用がどうのこうのという前に、そもそも抗がん剤治療ができるのか?やらない方が良いのではないか?にも関わってくる項目です。
やらない方が良い=副作用がひどく出る可能性が高い
ということですので、副作用が出やすい人の特徴にもつながるわけです。
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▼年齢(70歳以下に比べて、70歳以上)
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年齢が上がるとどうして副作用が出やすいのか?
内臓も歳をとるからだと考えられています。
肝臓や腎臓などの機能が、歳とともに低下する。
普段生活しているぶんには特に支障はないけれど、抗がん剤が身体に入ってくると、それを分解したり、排泄したりで肝臓や腎臓がフル回転して対応するわけですが、フルに頑張っても若い頃に比べると機能が低下してしまっていて、十分に役目を果たしきれないわけです。
また、人間歳をとると、高血圧や糖尿病、心臓病など、がん以外にも様々な病気になります。これらの合併症が多ければ多いほど副作用も多めといわれています。
年齢を戻す、つまり若返ることは難しいけれど、若々しさを保つことはできます。
病院ではカルテに生年月日が書いてありますので、年齢をごまかすことはできませんが、実年齢には全く見えず、10歳くらい若く見える方が時々おられます(逆に10歳くらい老けて見える方もいます)。
そして若く見える方は、えてして副作用も軽い方が多い印象です。
逆に老けて見える方は、副作用も強く出てしまう印象です。
こう書いてしまうと、がんになってからでは何もできないと思われてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
アルコールで肝臓を痛めている方は、アルコールを控えることで抗がん剤に対応する肝機能が回復する可能性は十分にありますし、高血圧や糖尿病の治療をしっかり受けていなかった方(食事療法がおろそかだったり、クスリを飲み忘れたりでしょうか)は、それらの治療をしっかり行っていくことで、腎臓を含めた内臓機能の低下を食い止めることができます。
運動も若さを保つためにはとても重要だと思っていますので、運動する習慣がない方は、今からでも運動するように心がけてみてはいかがでしょうか?

まだ途中ですが、長くなってしまいましたので、残りは次回とさせてください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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