がんと『マスク緩和』
2023年3月13日(月)から、マスクの着用が「個人の判断」に委ねられるようになりました。
コロナ禍の前には、
「風邪ひいた時しかマスクしたことなかった」
とか、
「そもそも風邪もひかないからマスク着けたことなんかほとんどなかったよ!」という方も、
マスクを着用していないと周りの人から白い目で見られたり、そもそもお店に入る事もできなかったりしますので、渋々着用していた方も多かったかと思います。
これからは政府公認で、マスク着用していなくてもOKだし、白い目で見られることもなくなるはずですが、
「がん患者さん」にとってはどうしたものか?迷われている方も多いのではないかと思います。
今回はその辺りのお話しを考えていきたいと思います。
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▼2023年3月13日以前以後
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そもそも2023年3月13日以前と以後では何がどのように変わったのでしょうか?
3月13日以前は、屋内では原則マスク着用でしたが、屋外では原則不要でした。
これまでも屋外ではマスクは着用しなくてもOKだったわけですが、おそらく多くの方が屋外でも着用されていたのではないかと思います(石巻だからか?)。
屋内は原則着用とされていましたが、距離が確保でき、会話をほとんど行わない場合には屋内でもマスク不要でしたので、そのような基準を満たせれば屋内でもマスクなしでOKだったわけです。
3月13日からはこのような規制・基準がなくなり、「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断が基本」となりました。
また、それに付随して「本人の意志に反してマスク着用を強いることがないように配慮しましょう」という文言も同時に発信されています。
今まで半分強制されてイヤイヤ行っていたことが、急に「もうしなくて良いですよ」と言われると、「私はどうしたらいいの?」「誰か教えて!」ってなっちゃいますよね。
特に「がん患者さん」においては、ある意味「死活問題」ですから、そのような考えはより強くなりそうです。
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▼マスク緩和で、どうなる???
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一番の心配事は、皆がマスクを着用しなくなったらまた新型コロナ感染が増えてしまうのではないか?
その結果、今まで何とか感染せずに過ごしてきたのに、感染してしまうのではないか?ということかと思います。
さてさてどうなってしまうのでしょうか?
マスクの着用緩和で、今後の感染者数がどうなるのかの試算(名古屋工業大学の平田晃正教授のグループ)によると、
今後さらに感染力の高い変異株が現れず、人出がコロナ禍の前の水準に緩やかに回復するという想定のもとでの東京都ではどうなるかの試算ですが、
「半数の人(50%)が日常的にマスクの着用を続けた場合」と「80%の人が着用をやめた場合」を比較してみると
ゴールデンウィークや夏休みなどの大型連休の後には、やはり増えるようです。
そしてさらに感染者数は、50%の人がマスクを着用した場合には1日5500人程度ですが、80%の人がマスクを外した場合は約8600人と、マスクを着用していた方が3割ほど少なくなるようです。
(NHK新型コロナウイルス特設サイト)
つまり、結局の所は「マスクを着用しない人が増えれば、コロナに感染する人も当然それなりに増えますよ。」ということだと思います。
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▼自分の身は自分で守る
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基本的に「がん患者さん」は、見ただけでは「がん患者」だとはわかりません。
つまり、これからは「がん患者」であるあなたに気を遣ってマスクをしてくれる人は、あなたががん患者だと知っている人に限るということになります。
ですので、あなたががん患者だと知らない人が、マスクをしていなくても仕方がないということです。
飲食店に入った際、周囲の人はノーマスクでワイワイガヤガヤ。それこそコロナ以前のようにはしゃいでいた。こんな状況で飲食をすれば、がん患者である私にコロナが移ってしまうかもしれないから、店員さんにお願いして、他のお客さんにマスクを着けてもらおう。
そういう道理を通すことは、今後は基本的には難しそうです。
なぜなら最初の方に記載しましたが、「本人の意志に反してマスク着用を強いることがないように配慮しましょう」とも同時に発信されていますので、お願いされた店員さんが困るだけになるでしょう。
結局の所、そのような場所には近づかないなど、「自分の身は自分で守る」しかなさそうです。
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▼余計に外出しにくくなっただけ???
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このように考えてくると、がん患者さんにとって、3月13日以降のマスク緩和は、余計に外出しにくくなってしまっただけ、リスクが増えてしまっただけの感じが否めません。
感染リスクという視点でみれば、これまではお互いにマスクをしていたが、これからは自分だけしかマスクをしていない状況ですので、自分がどれだけ注意をしても感染してしまう可能性は確かに上がるでしょう。不特定多数の人と接するようなショッピングモールなどにも行きにくくなってしまうかもしれません。例え勇気を出して行ったとしても、マスクをしていない人たちが気になり、ゆっくり商品を見ることができず、買いたいものだけを買って、そそくさと退出することになってしまうかもしれません。
「政府は何を考えているんだ!我々がん患者のことは知らんぷりか!」というお怒りの声が聞こえてきそうです。
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▼マスク緩和の世の中で
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これからは、マスクをしていない人達の中で、少数の人がマスクをしている状況になります。
マスクをしていない人は、マスクをしている人を見て、「何らかの基礎疾患を持っている人なのだな」というよりは、おそらく「コロナにかかりたくない人なんだな」という、もっと大きなくくりでマスクをしている人を見るのではないかと考えます。
今後も自己防衛のためにマスクを着用した方が良い人には、「高齢者」「がん」「慢性肝臓病」「心血管疾患」「妊婦さん」などが挙げられています。
そのような方に加えて、医療従事者などのエッセンシャルワーカーの方はマスク着用率がしばらくは高いと考えます。
つまり、「がん患者さん」だけがマスクをしているわけではなく、また「マスクをしている」からといって何らかの病気というわけでもないので、「マスクをしている」状態がそれほど大きな違和感にはならないんだろうなって考えています。
また、「マスクをしている」人は、理由はどうであれ、「コロナに感染したくない」という共通の目的がありますから、相手もそれなりに気を遣ってくれるのではないかと期待したいです。
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▼まとめ
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3月13日から「マスク緩和」となりましたが、特に抗がん剤治療中の方は、病院内に限らず、屋内で「マスクをしない」という選択肢は今のところなさそうです(着けていた方が良いと僕は考えます)。
そして、マスクをしなくても良い人、良い場面であっても、目の前にマスクを着けている人がいる場合には、その方への配慮はした方が良いとも考えます。
ですので、
「もうマスクしなくてもいい世の中になったんだ!」
「コロナは終わったんだ!」
というわけではなく、まだまだコロナにかかると困る人がたくさんいるという事実を受け止め、そのような方への配慮も含めて「個人の判断」なのだ
これからは我々の良心が試されるのだ
と思いましたというお話しでした。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もどうぞよろしくお願いいたします。