見出し画像

小説の若者キャラが気付いたらおじさんになっていた件:談話室#4日目

こんにちは、冬原水稀です。

皆さんの中でそれなりに長く物書きをしてきた方、過去の自分の小説って読み返したりしますか?
一年前や数年前、なんてそんなレベルの「過去」ではありません。もう過去も過去。大過去!!(英語??)

すなわち小説を書き始めた当初くらいの文章です。
恥ずかしいからドブに捨てた? 黒歴史だから目も当てられない?
分かります……私は初小説が小学生の頃だったので、読み返せばまぁ…………カワイイ、デスネ!

今回はそんな初期小説を読んで感じたことの話題です。


昔の小説を読んでいて何が「可愛い」と感じるかって、めちゃくちゃなことなんですよね。
めちゃくちゃなことが可愛い。

常識を無視した超展開、今じゃ絶対思いつかない奇想天外なキャラ作り、「いやそうはならんやろ」というツッコミどころの数々、人物設定や展開の中で回収されない謎要素……。

こういうものを人は黒歴史と呼びますが、私は読んでいて割と楽しむ方です。

その中で今回気になったのが、あるキャラクターの設定や振る舞いなんですね。キャラの概要を述べるとこんな感じ。

・人間のことが好きな神様
・相当生きているが、姿は若い。神様なので。
・時代を経ていくごとに人からは信仰心が失われ、存在自体も忘れられていっている。
・しかし人のことが好きなので、親しみを持ってもらいたいという思いで故意に「若者言葉」を用いて喋る

当時の私はTHE 若者!!な感じでこの神様くんを書いていました。性格は明るくて心優しい。
長く生きているけれど若くエネルギッシュなキャラクター…………

……ん?

…………いや待て。

おじさんになっちゃってる!!!!


……どうしてこう感じたか。それは考えてみれば当たり前のことなのですが。

言葉ってすぐ変遷するんですよ。「若者言葉」なんて流動的なもの、残そうと思えば半永久的に残る小説と相性が悪すぎる(笑)

読んでて面白かったです。若者言葉と言いつつ、使うセリフが一昔前。その時流行ってたなこの言葉……と逆に懐かしくなっちゃった。
懐かしくなっちゃったよ(二回目)

若かったはずなのに年を取っている……小説の中の人物って当然年を取らないのに、この時ばかりは年齢を感じて笑っちゃいました。

あぁ私の頭を過っていく学生時代の国語の先生……。
「昔は『チョベリグ』『チョベリバ』なんて言っていたけど、今はもう古(笑)ってなるでしょ? 言葉とはすぐ変化するものなんです」
こんな所で実感することになろうとは……。

書いていた頃の私は、そんなこと考えもしなかったんでしょうね。
どこかキラキラァッと輝いていた言葉たちを羅列していくのが楽しかったのでしょう。
昔の私よ、立派に褪せているぞ。綺麗なセピア色に染まってるよ。


こんな気付きや出会いもありながら。

しかし先述の通り、昔の小説を読むのって楽しいんですよね。

なぜなら「物語を書くの楽しい!!!!」という気持ちがたっくさんに伝わってくるから。
なぜなら常識に囚われない発想力があったから。
なぜなら書きたいものをただ書くという真っ直ぐさがあったから。

初心を思い出させてくれる存在。

ちょっと恥ずかしくても、読めばやっぱり「書いてきて良かったな」って思えます。

今現在も自分の文章に自信があるわけではありませんが、今日この文章も未来の私は「カワイイ」とか「書いてきて良かった」って思ってくれるのかなぁ~……なんて。

そう考えたこの頃でした。


ではまた明日📚


冬原水稀(💬Twitter

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?