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言語化の「正体」
初めまして。コントレア株式会社でMediOSの開発責任者をしている@hirykawa_です。
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よく聞く「言語化が大事」というワードですが、結局のところ言語化とは何なのか。インターネットで調べると色々な解釈があるため、一旦自分の考えとしてまとめてみようと思い記事にしました。
言語化とは何か
一般的に「言語化力が高いね」と言われることは「感覚で理解していること、思っていることを文章にしてロジカルに伝えることができる」といった能力を指しているのかなと思います。
聞き手が「そうそう!それが言いたかったんだよ〜」と思うこと。相手の考えを整理してあげることなのかなと思っております。
ビジネスにおける「言語化」も同様で、「結局なんなん?」と言われた時に、「ゴールや課題について、構成や道筋を整理して伝えることができる」ことだと思います。
どちらにしても大事なのは「様々な粒度の情報を抽象化・具体化することで、情報量を増やしたり減らしたりし、分類・削ぎ落としをしていくことで、全体像を綺麗なツリーにしていくこと」であると思います。
その結果、「聞き手がシンプルで分かりやすいと感じる」= 「言語化力が高い」となっていると思います。
そもそも何のために言語化するのか
それは「自分のためにやるもの」だと思っています。
上手く相手が理解してくれない、このままだと障壁が大きくなる。
プロジェクトや問題がいつまで経っても進まない解決されない、何をすればいいか明確にしたい。
自分自身が動きやすくなるために、重要なスキルが「言語化」なのです。
言語化のステップ
大きく以下3つのステップがあると思っております。
この3つを行ったり来たりすることで伝えたいことを構成していきます。
情報を収集すること
整理してストックすること
伝える時に引っ張り出すこと
情報を収集すること
日々色々な出来事が起こります。自分自身の身の回りに起きること、感情の変化に示唆を向け続けることが重要です。
意外なことが意外なことにつながって、情報が生きたりするものだと思います。
無駄なことに意味がある。と言ったことも言語化の文脈で同感です。
整理してストックすること
集めた情報を「抽象化」「具体化」のテクニックを使って増幅して整理していきます。
「いつもより挨拶の声が大きい」「口笛を吹いている」の抽象化は「機嫌がよさそう」
「中期的な継続」の具体化は「ダイエット」「英語学習」
と、当たり前にやっていることだと思いますが、改めて意識してみます。
伝えるときに引っ張り出すこと
高度に抽象化された部分をフックとして自分のデータベースに登録しておきます。
困った時、何か伝えたい時に、自分の中で検索して参照します。
「賑わっているカフェ」の例
あなたの住んでいる家の前に小さなカフェがあります。
どうやら最近そのカフェが賑わっているらしい。とします。
よく観察してみると、以下の情報が見えてきました。
同じ人が何度も来ている
お客さんがお店を出る時に店員さんに手を振っている
ネットで調べてみると、1杯あたりの値段も高い
近くの友人の話だとあんまり味は美味しくなかったらしい
この情報を整理してみます。
抽象化すると、「店員さんとの会話が楽しいのかな?」と考えられます。
ネットの情報を見てみると、店員が元芸人であると知りました。
話上手な人なのかもしれません。
また残りの情報を抽象化してみると「味が上手くて安いのは重要じゃないのか?」と考えられます。
確かに周辺を見てみると、少し歩けば安くて美味い店もあります。
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さらに抽象化の抽象化をしてみます。
「コーヒーを飲みたいより、誰かと話すことを求めている人が多いのかな?」と考えてみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727427126-vmyhSq8oHwKUQl4N3C1pWFOn.png?width=1200)
そしてこの抽象化からさらなる情報を得るために増幅してみます。
「話すことを求めている人ってどういう人だろう?」
具体化してみると、「家にいる時間が長くあまり人と話さない」「仕事をやめた後で新しいコミュニティを求めている」などが推測できます。
さらに具体化してみると、リモートワークをしている人や専業主婦、定年退職した後などの人がこの付近には多いのではないかと考えてみます。
確かに周辺を見てみると、コワーキングルームやゴルフショップも多いようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1727427936-A8aU13LVCJmDnZjrWOFeMuHk.png?width=1200)
ここまで考えると最初の「カフェが賑わっている」事実から、「この辺にはリモートワークや年齢層が落ち着いた人が多く、話す場を求めている人が多い可能性がある」と汎用的な情報をストックすることができます。
もちろん間違っている可能性も十二分にありますが、仮説として情報を持っておくことができます。
そんなある日、筋トレが好きなあなたは一心発起してフィットネスジムを開業することになりました。
その時に、さっきの情報を引っ張り出してきます。
「近所の人が求めることは何か?」をフックに施策を具体化して考えることができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727429681-oA1pRkqBtHKjQ3xmvrfDJzVL.png?width=1200)
「何で、リモートワークの訴求を打って会話を楽しめるコンセプトでジムを開くの?」
と聞かれた際に、
「近所の人が求めていることって、会話を楽しめることだと思うんですよ。というのもあのカフェあるじゃないですか、あそこ値段も高くて味もそこそこなんですけど店員さんと楽しく話せることがウケているみたいなんですよね。言われてみれば近所には最近コワーキングスペースとかゴルフショップとかもできていて、会話を求めているリモートワーカーや高齢の方が多いのかなと思っていて、腰痛対策などのジムって相性いいと思うんですよね。」
などと話せると、何となく良さそうだと思っていることが「言語化」されて伝えることができると思います。
おそらく皆が自然と考えていることだと思いますが、意識して図にして組み立てることで、スッキリと物事を考えられる様になるはずです。
抽象化のストックは色々な場面で役に立つはずです。
「視座が高い」と言われることも、この抽象度をどれだけ高められるか、想像しやすい具体化を持ち続けているかだと思っています。
言語化の伸ばし方
一番は言語化が必要な状況に身を置くことだと思います。
「言語化」ってしんどいので「複雑な問題を解き続ける、向き合わないといけない」状況にどれだけ自分をおくことができるか。
今自分がぶつかっている事象に近しい抽象化事例をどれだけストックできるか。
対人であれば新しいコミュニティに飛び込んで貢献できるようにしないといけないとか、ビジネスであれば自分が新しい問題に取り組まないといけないとか。そういった環境に自分自身をおく必要を持たせれるかだと思っております。
「言語化」の危うさ
最後に触れておきたいのは「言語化」された内容は正解ではないということです。
人はシンプルなものを好むらしいので、あたかも理解しやすいことを聞くとそれが正解かのように感じてしまうのですが、現実の問題や人間は常に変化しており、複雑に構成されているということです。
全ての情報を収集できていることなく、そもそも分類が間違っていることも多いにあるでしょう。
また最初に伝えましたが言語化は「自分のために行う」ということです。
相手から聞く「言語化」は常に、自分のためのことなのかどうかを精査するべきだと思います。
そのためにも、言語化する癖をつけ、自分自身で問題を解消できるようになっていくことが重要なのではないでしょうか。
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