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アートとリーパーと告知
月に数回「せんせい」をしている「こども図工教室」に、年が明けてはじめていってきました。金曜日のことです。
年末年始をはさんで、3週間ぶりの教室だった。久しぶりがうれしくて、誰もみんなにこにこしていました。
小学校2年生の女の子がやってきて、「あけましておめでとうございます!」と元気よくあいさつをすると、すぐに僕のところに駆け寄り、なにかを握りしめた手を突き出します。つっけんどんに「はい!」とだけ叫びます。思わず手を差し出すと、女の子は、握っていたものを渡してくれました。ほんのひとつまみ分の、ちいさな、手芸用の綿でした。
「どうしたのこれ、どこから持ってきたの?」
笑いながら尋ねると、女の子は元気よく「水曜日!」と答えたので、「時をかけてきたのかい?」と、こんどはまわりの大人たちが笑いました。
たぶん、水曜日に綿をつまんで、それをポケットにいれて、そのまま忘れてしまっていたのを、いまになって思い出したんでしょう。時間と空間をすっかり切り分けて疑わない大人たちにこそ、ごまかしがあるのではないか? 大人たちの言葉の、使い方は、ありえる可能性のなかの、たったひとつのあり方でしかない。
とはいえこのエピソードは、素朴に素直にみれば、まずはいかにも子供らしい笑い話に思える。その場合は、時間と空間を混同してしまっているという「正当でなさ」を笑っているんだろう。正当さにしばられる自分らを笑うのであれ、子供の用いた正当でない用語法のトンチンカンさを笑うのであれ、いわば見下している。
あるいは、正当さをゆるがすような発言を笑い飛ばすことによって、「われわれの正当な言葉遣い」という領域を守っている、ともとれる。なにかを見下すことで、なにかを見下せてしまうステージが担保される。
また、大人たちに笑われることで、おそらく子供は、「チューニングがはずれている言い方をしたんだろうな〜」言外にそんなふうに感じるのではないか。
・ふわふわなものを触って「ふわふわしてる」と言った。次にかたいものを触って「かたかたしてる」と言って笑われた…
・「こんど日曜日にシエンタでキャンプいくんだ!」と得意になって宣言したのに羨ましがられず「車種で呼ぶんだね」と突っ込まれた…
そんなふうに、なぜかスムーズな伝達が行われない経験を重ね、学習し、そのうちに、笑われてしまう言葉遣いを先回りして避けるようになるのかもしれない。まあそういう場合もあるだろう。
僕の場合、反対に、マカロニのことをどうしても「イカロス」と呼んでいたのを、家族の誰にも突っ込まれず、バカにされず、笑われず、指摘されなかったので、相当おおきくなるまでそのままの認識だった。イカロスのグラタンのことをマカロニグラタンって言うのって、二度手間だよなあ、って思っていた。
展覧会がふたつあります。ひとつは個展で、もうひとつはグループ展です。どちらも月末、1月28日からのスタートです。スタート日はそろっているが開催期間は違う。個展のほうが短い。個展は人形町、グループ展は六本木が開催地域です。
![](https://assets.st-note.com/img/1737088057-ZTsYXk3NAadlQ0yhruCURzFn.jpg?width=1200)
絵には「コンセプト」なんてなくてもいいとは思うけども、展覧会となると話は別で、展覧会にはコンセプトがあったほうがよい。コンセプトって言葉がよくないならテーマとかルールとか言い換えてもよい。それらが明確なほうが、見に来る人にとって親切だから、あったほうがよい。
まず親切なのはよいことだし、次に、親切さによってルールを一目で把握できるとスムーズにさらに一歩むこうへいける。かな?
前回の個展は1年前で、このときは「光っているもの」をモチーフにしていた。僕らはものを見ているのではなくて、ものの表面にぶちあたって跳ね返ってきた光を見ている。まぶしいものには目がいくが、まぶしいとよく見えない。
こんどの個展は、サイズの同じ、小さい絵をいくつも持っていく予定で、どの絵も直線的なものを描いていて、「パネルの表面に絵の具がついてる」っちゅう、物質/物体としてのプロフィールがなるべく露骨なものを集めようと思っている。
反対にグループ展では、「光ってるっぽいもの」をモチーフにした、曲線的で具体的な絵を持っていく予定で、大きさはどれも違うけれど、しかし縦と横の比率はそろっている。
人の展示にぜんぜん行ってない。ごめんなさい!行けていない、というのが、ほんとうにほんとうのところなんですよ?しかしね、けど、行ってないじゃないか!ダメじゃないか!とそしられてもまったく反論できないし、そのようにそしってくるやつが自分のなかにすでにいます。だからもう「きてください」って発信するのは非常に恥知らずな行いに思えてしまうのだけど、けど、アタシの展示にぜひきてください、ぜひ。自分の展示の会場で、きてくれた人の顔をみるのが好きなんですよね、生前葬って感じ。
〇 おしらせ 〇
ポートフォリオサイトを作り直しました。ホームページ作成サービス会社として、Wixを使っていたんですが、イスラエル側に資金を提供している企業ということでのボイコット活動で、Jimdoに鞍替えしました。つっても、Wix無課金ユーザーだったから、ポーズでしかないんだけど、表明が大切なので、ここにもこう書いておきました。
https://megata-hiruzen.jimdosite.com/
さて展示のお知らせです
1 【個展】 ノーライフスタンド
![](https://assets.st-note.com/img/1736992355-RWXTcwFxt1CYgI4k0G3UsjN2.png?width=1200)
とき:
1月28日(火)〜2月2日(日)
12:00~19:00
※金曜は20時、日曜は16時まで
ところ:
JINEN GALLERY
人形町駅A5出口からすぐ
2【グループ展】ArtSticker Showcase vol.1
※
会期中に展示作品の入れ替えがある(というか、気に入った絵があればその場で買って持って帰れるシステムの展覧会)だそうで、自分の絵をみてください!という宣伝をするのが難しい展示でした。
とき:
1月28日(火)〜2月15日(土)
ところ:
アートかビーフンか白厨
六本木のドン・キホーテ、道はさんで向かい側です。
会場自体は、飲食できるし絵もその場で買えるし、という場所。飲食店に併設されたギャラリー、といえばわかりよいか。飲食しなくても、絵を見るだけでも問題ないです。注意されません。逆に、飲み物片手にギャラリー絵を見ることも許されています。
どうぞよろしくお願いします!!!!全員きてください。