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IT業界と新卒でのキャリアについて、日本一わかりやすく書きたい<その①>


ITに関わる仕事について、「本当に何も知らない未経験の人」にもわかり易く伝えることを目指した記事です。詳しい方にとっては「もっといろいろあるでしょ!」となること必至なのですが、極力シンプル化して説明することを優先したのでご了承ください。

ちなみに僕自身はエンジニアではないのですが、IT業界で人事・採用をやっていて、起業してからもIT業界のクライアントが多かったのと、僕自身今回MiRAVELの企画を行ったため、深くはないですが比較的幅広くIT業界のことを知っていると思っています。

なんせいろんなIT企業の方を面接したり、大学生にIT業界の全体像をプレゼンして回るみたいな日々でしたから。

さて。前置きはここら辺にして。


ここにあるIT企業があったとします。この企業のことを理解し、自分がキャリアとして選択すべきかどうかを見極めるためには、次の2つのステップを頭の中に思い描いて理解することをおススメします。

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今日はまずはSTEP①企業理解の方について書いていきます。


【A】に入るのは「何を取り扱っているのか?」


まず【A】には、その企業が何を取り扱っているか?ということが入りますが、大きく分けると、【自社の】ITシステム(サービス)か、【他社から依頼された】ITシステム(サービス)か、で分かれることになります。

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例えばLINEとかslackとか、ここに書いている「note」 とかも、
【自社の】ITシステム(サービス)ですね。

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一方で、例えばNTTデータとか、よくSIer(システムインテグレーター)と呼ばれる企業は、
【他社から依頼された】ITシステム(サービス)
を扱っているということになります。

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【B】に入るのは、「そのシステムをどうしているのか?」


続いてBの部分には、「そのシステムをどうしているのか?」が入ります。一般的にシステムづくりというのは次の図のように、
【構想する⇒作る⇒動かす(使う)】といった順序で進んでいきます。


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ただしシステムは作って終わりではなく、使っているうちに、もう一度「作る」に戻ってアップデートをしたり、「構想する」に戻って大きなレベルアップを行ったりします(図の赤い矢印)。

ちょっと例えるなら、ディズニーランドのようなテーマパークを作るところを考えてみてください。

最初、「どんなテーマパークがいいか?」をみんなでアイデアを出して考える。もちろんマーケットの調査やユーザーのリサーチなんかも行うでしょう。そしていよいよ案を固めて、デザインして、、、あたりが、【構想する】

次に実際にアトラクションを設計して建設をする。出来上がったものがちゃんと安全に動くかなどのテストももちろん行いますよね。これが【作る】

で、いよいよオープン!(ITの世界では、「システムリリース」と言います)毎日開園から閉園まで、止まらないように動かし続けなければいけません。【動かす(使う)】

動かしながら利用者の状況を観察していると、いろんな改善点に気づくかもしれません。
もしくはちょっと色が剥げてきたとか道路が汚れてきたとか、補修しないといけない箇所が出てくるかもしれません。道路の舗装みたいに「すぐに直しましょう」みたいなものもあれば、「新しいアトラクションを作ろう!」みたいに、構想からしっかり企画するものもあるでしょう。
これが先ほどの図の赤い矢印です。

こんな感じで、
自社の【ITシステム(サービス)】を作っている会社は基本的には全部自社でやることが多いです。自社開発をしている企業がエンジニアにとって人気がある理由の一つは、この「自分のやりたいことを企画して開発運用まで一気通貫でできる」ということが一つの大きな要因です。

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さて、ややこしいのは「他社に依頼されたシステム」に関わっている会社の方です。実は日本では自社開発をしている企業よりも「他社に依頼されたシステム」を作っている(受託開発と言います)ボリュームの方が圧倒的に大きく、文系の人も多く採用されている領域なので、ここについてはよく押さえておく必要があります。

そしてこれも日本に特有なのですが、先ほどの「構想する→作る→動かす(使う)」の一連のプロセスがかなり細かい分業体制になっていて、それぞれ対応する会社や人が違う、という特徴があります。

これは非常に大事なことですね。なぜなら自分が「どのプロセスに関わるか」によって、身につくITスキルがガラッと変わってしまうからです。
みなさんのアンケート結果にあるように、「ITやっとけば将来性がある/専門性が身につく」と思ってIT業界に飛び込むわけですが、将来に渡って使える専門性が得られるかどうかは「入社後何をやる会社に入るか?」によって全く変わってきます。

ここからは少し細かくなりますが、先ほど
「構想する」→「作る」→「動かす(使う)」と分けた図を、もう少しITの用語で表すと以下のようになります。

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それぞれの用語についての説明は、、、
う~んと、、、
ネットで調べてください!
有名な用語なので沢山説明が出てきます。

この図を見て分かる通り、「プログラミング」っていうのは開発工程の一部分でしかないんですよね。「ITの仕事ってずっとPCに向かってプログラミングしてるんでしょ」って思っている方には少し意外だったかもしれません。

さて、下の図を見るとわかるように、日本では多くの場合、このような感じで分業体制が敷かれています。

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以下、大事なポイントを箇条書きで。

① 構想の部分を担当するのが、「ITコンサル」
有名な企業で言うと、「アクセンチュア」や「IBM」など
(両社とも職種によっては他のフェーズもやってますが…)

② 要件定義以降をまるっとうけおうのが、聞いたこともある人も多い
「SIer(システムインテグレーター)」です。
有名企業だと、「NTTデータ」「SCSK」「日本ユニシス」など

③ ただし、多くの場合、開発・テスト・運用・保守などは下請け企業が行っています。「NTTデータ〇〇〇」みたいな名前の関連会社や規模の小さい下請け企業など。

この③の部分が、日本特有の「多重下請け構造」などと呼ばれ、問題が指摘されることも多い業界構造です(何が問題なの?そもそもなんでこうなっちゃったの?みたいな話はまたおいおい)。


これらのことを踏まえて考えるとすると、今日のゴール、
「STEP①企業の理解」
については、次のような感じで理解するのがいいでしょう。

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IT業界は、企業の数もとても多いです。どんなに詳しい人でも全ての企業について説明することは不可能なので、興味のある企業、説明会に行った企業など、上のような図(フレーム)を作って、1社ずつ「何を、どうする企業なのか」を自分で整理しておくといいでしょう。


複雑怪奇なIT業界について、少しは理解が進みましたでしょうか?
次回<その②>では、その企業の中でどんな仕事をするのか?どんなことを考えてキャリアを選べばいいのか?
という点について、お伝えします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
IT企業についてわかりやすい!と思ったら、「スキ」くださるとうれしいです~!

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