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【ファーストインプレッション】ポットリミットダブルボードボムポットオマハ【PL Db-Bp Omaha】

カタカナ長すぎでしょ。
こんにちは。朝でも夜でもヒルマです。

2020年から中野DDPTをshopmakerさんと共同再立ち上げして、PLOやドローゲームの普及をして、国内のポーカーシーンに影響を与えました。現在はPLO GeniusというPLO学習ツールのアンバサダーをしております。

2024年11月9日に、第6回JAPAN POKER FESTIVALさんにお邪魔させていただきました。旧知の房州くんポーカーリーグ五反田さんが#16 PL Double Board Bomb Pot Omahaを監修するとのことで応援にいきました。

存在は知っていたものの、完全にはじめてやるゲームだったので、色々と観察したり考えたりしたことを残そうと思います。座っていると声をかけてくださったり、横に座って会話して、私のことを応援してくれている方がいらっしゃることをあらためて感じたので、身体と精神が持つ範囲でコンテンツ発信もがんばっていこうと思います。

そもそも

職業病ですぐに前提認識を揃えたくなってしまいます。ポーカーはルールや進行を覚えるのは非常にカンタンです。このことがポーカーを世界規模のマインドゲームたらしめているのですが、皆さんご存知のようにそこには深いゲーム性が隠されています。

GTO Wizard Blogにも非常に良質な解説が提供されていますし、そちらを参照ください。一昔前は「ポーカー道」10回音読しろといったものですが今やむかしですね。

ノーリミットテキサスホールデム(以降NLH)をベースにEQやEV、BluffingやFrequency(頻度)に関する知識が広く知られることになりましたが、ルールが異なれば、そのゲーム性の味付けが変わってきます。

私はポーカーの各種目のことを陸上競技に例えますが、基礎的なフィジカル能力は高い前提で、スピードが求められる短距離走、ジャンプ力が求められる走高跳びなどの跳躍系種目、パワーが求められるハンマー投げなどの投擲系種目で、差が出てきます。

10gameをスタンダードフォーマットにしていくトレンドを作っている団体、それを各種大型大会もフォローしていっているので、NLH以外の種目のゲーム性の理解は非常に重要になってきます。

私はよく、スキルゲーム⇔パーティーゲームの軸で、種目を評したりしますが、せっかくポーカーという頭を使うおもしろいゲームを好きになったのだから、わちゃわちゃできるだけでなく、ゲームのことをもっと知って、解像度を上げていくともっと「ポーカー」のことが好きになると思います。

では、本題に入っていきましょう。

ファーストインプレッション(感想・示唆)

ポットリミットダブルボードボムポットオマハのプロフィール

プロフィールも何も種目名からすべて分かってしまうのですが、テーブルの全プレイヤーからBBを集め、プリフロップを省略します。2種類のボードを開き、フロップからアクションをはじめます。ファーストアクションはもちろんSBのプレイヤーです。

特徴的なことは、

  1. スプリットポットゲームであること

  2. デッドマネー(ボム)が大きいこと

  3. ノーアクション時にスタックが削られるのが早いこと

です。デッドマネーというのはポット獲得者が決まるまで所有権が決まっていないチップのことです。NLHのプリフロップでは(BB)Anteはデッドマネーですが、BBがポストしているBBはデッドマネーではありません。

SPR 4以上とSPR 4未満でゲーム性が大きく異なる

SPR 4というのは、ポットベットに対してポットレイズでちょうどオールインできるスタックサイズです。またポットベットに1コール入った次のストリートのポットベットでオールインできるスタックサイズです。これは通常のPLOでも使えるので覚えておきましょう。

今回のトーナメントは20000点スタートで、BBが600点、8maxの時、フロップのポットサイズ(デッドマネー)は4800点です。この時SPRは4.16です。

8maxのNLHでは1周で2.5bb(BB+SB+Ante)で失いますが、PL Db-Bp Omahaでは8bb失います。NLHの3周分よりも削られます。ゆえに、ポットにより多くアクセスしてポットを獲得していかないと自然とバストします。通常のPLOと異なり、スプリットポットゲームであり、SPRが1を切るとフォールドEQを取れなくなってくるので、高速道路の合流のように特定のその瞬間に勢いよくアクセルを踏むしかない場面が訪れます。

頭では理解できているが、右にしっかり高頻度でベットしてくる上手なプレイヤーがいたので困っている様子がこちらです。

SPRが4以上の時は、いわゆる手なりにダブルメイドハンドや、シングルメイド・シングルコンボドローなど高いEQのハンドでマルチウェイを切り抜けるイメージでよいでしょう。

スプリットポットゲームはスクープや3/4(スリークォーター)を狙うことが利益を得る原則です。FLO8などハイロー系のスプリットポットゲームも、ロー成立の時はA2を使ったナッツローを固めてから戦いましょう、というのと同根のことです。

固いEQと脆弱なEQのことを知っていたら、まさにそれです。

ダブルボードPLOは、ハイローよりも固いEQを持ちづらいです。

ターンのナッツフラッシュもフルハウスドローに対して25%もEQを取られているので、比較的脆弱ですね。これでスプリットポットの片方ですから。KK側もin troubleではあり、もう片方のボードとの兼ね合い・戦略の構築量如何ではありますが、アクションを決めるのはカンタンではありません。

なお、トップフル以上は十分固いEQとみなしていいでしょう。

SPRが4未満の時は一言でいうなら、さながらAll-in or Fold(AoF)ですね。

ダブルバレルでスタックインしたほうがいいのか、チェックレイズでスタックインしたほうがいいのかは、そもそもどの程度を下限としてGoすべきか全然わかっていないですが、ともかくデッドマネーの半分を何回回収できるかが重要になりそうです。

90,000点(15bb)持っていて、BBが6000点、8maxの時、デッドマネーは48000点(8bb)あります。90,000点から6000点削られているので、84,000点。デッドマネーの半分を回収できるだけでもかなり大きいです。

OOPのリードベットとそのベットへのフラットコールをスクイーズするBTNレイズや、SBのチェックレイズは利益的でした。コールアクションを利益に繋げるのはかなり難しい印象で、両方のボードでパーフェクトなナッツドローだとか有効なバックドアが多く存在するだとか相当シビアにプレイしないと、スタックを減らす(デッドマネーを供給する側に回ってしまう)ことになりそうです。

本当に良いプレイか分かりませんが、先日の実例として、多くデッドマネーを作ったプレーとして

Q33
4s3s3h

フロップのオールチェック

Q33 / K
4s3s3h / 5h

で、BBが30,000点ベット、3人がコールして、
SBの私が9776(下段でストレート)で、11万点ほどのチェックレイズ。

オリジナルベッターと2人が降り、1人がコールしました。

Q33 / K / ?忘れた
4s3s3h / 5h / 7

コーラーはKJxx・下段フラドロなしでディフェンスしており、チョップとなりました。

下段のフラッシュドローは、53フルに対してEQがほぼないので、オリジナルベッターを越えればデッドマネーが大量に稼げます。ボムポットで全員参加なのでKKがいる頻度と55がいる頻度は同じで、53フルに突っ込む危険性もありますが、77が僅かに上フルリドローでもあるので決行しました。

コーラーにKKはいないので、KQにディフェンスされても、77にリドローがある形ですね。30,000点出した3人を降ろしたので、相当EVを稼ぎました。

あとは、これもファンシープレイかもしれませんが、

Txx / K / A(フラッシュなし)
8T8/ ? / T 

のボードでリバー3wayのところ、JJのナッツストレートブロッカーでリバードンクベットして、1人8トリップスがコールして、もう1人を降ろしました。

上段の2p~KペアにはJJが負けており、その方もしっかりハンドリーディングする方でもあったので、トライした結果うまく行きました。私のJJを見て怪訝な表情だったので2p~Kペアを降ろしていると思います。

ハンドとボードの絡み(運)に頼らず、ゲーム性をうまく乗りこなしていくことができ、1リエントリーしましたが12/118まで残ることができました。

ざざっと書いてきましたがいかがったでしょうか?

8maxでAA(特定のペアハンド)がいる確率とか、2つのボードの組み合わせ論とか色々考えられるネタはたくさんあるのですが、4,000字に近づいているので、筆を置きたいと思います。


PLOを強くなりたい、得意種目にしたい方はぜひPLO Geniusでいっしょに勉強しましょう。詳しくはこちらのnoteからどうぞ。


Enjoy Folding.

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ヒルマ

Pics from Unsplash,Jen Theodore

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