バンクロール管理とPLOの分散 私たちは何を予期すべきでどのように備えるべきか？【PLO Genius Blog】
本記事は許可を得て以下の記事を日本語訳したものです。
ポーカーのどのゲーム種類があなたの好みであっても、プレイヤーとして成長し、ポーカーキャリアを発展させたいのであれば、分散があなたの収益（勝ち分）に与える影響を理解し、それに基づいてバンクロール管理にどうアプローチすべきかを知ることが重要です。
分散という言葉は、多くのポーカープレイヤーにとって不安を感じさせるものです。悪い流れに巻き込まれると、自分ではどうしようもないと感じることが多いからです。しかし、本当にそんなに無力なのでしょうか？さあ、確かめてみましょう。
分散があなたの収益やメンタル状態に与える悪影響を最小限に抑えるための第一歩は、その仕組みを理解することです。この記事では、PLOをプレイする際にどれだけ運が左右されるか、何に備えるべきか、そしてあなたのポーカーバンクロールはどれくらい必要かについて詳しく見ていきます。
なぜ、そしていつポーカーで分散について語るのでしょうか？
分散という言葉は統計から派生したもので、一連の数値が平均からどれだけ散らばっているかを測定します。ポーカーにおいては、この用語は特定の状況下で運がどれだけ良かったり悪かったりするかを示します。
ポーカーにおける分散の一般的な使い方は、一定のハンドやトーナメントをプレイした際の可能な結果を推定することです。通常のゲームでどれだけお金を勝ち取ったり失ったりする可能性があるかを知ることで、自分のポーカーバンクロールがどれくらい必要かを決定でき、破産の恐怖を抱えることなく心おだやかにプレイできます。
人間の心は、確率に関連する問題を理解するのが難しいものです。私たちは自然な傾向として認知バイアスに陥りやすく、運が自分の行動結果に与える影響を過小評価したり過大評価したりすることがあります。これにより、私たちの分散に対する直感的な理解は欠陥があるのです。
これらの自然な逆境にどう立ち向かうのでしょうか？それには当然、ポーカーのツールが必要です。その一つが「primedope Poker Variance Calculator」です。このツールを使用すると、特定の状況下で自分のプレイから得られる可能性のある結果をシミュレーションできます。分散の計算機を使用することで、自分の勝率やプレイするハンド数、選ぶ形式が互いにどのように影響し合うかなど、さまざまなシナリオを研究することができます。
では、実際に考えられる結果の範囲を見てみましょう。
まず、結果を得るためにはいくつかの変数（パラメーター）を入力する必要があります：BB/100ハンドでの想定される勝率（もしあなたが通うポーカールームがハンドトラッキングを許可している場合やホールデムマネージャーやポーカートラッカーなどのトラッキングソフトウェア（HUD）内でBB/100ハンドの勝率を見つけられます）、観測された勝率（これは省略可能）、標準偏差（これも統計の用語ですが、選べる事前定義された値がいくつかあります）、そしてシミュレーションするハンド数です。
想定される勝率が5.0BB/100ハンドの場合、標準偏差140で10,000ハンド後の結果を見てみましょう。
このデータはどう学ぶのでしょうか？上記のグラフには、20回分の理論的なサンプルによる結果が示されており、異なる可能性のある結果をカバーしています。
薄青色の線は最良の結果を示し、約5,400ビッグブラインド（10,000ハンドでは54スタックという驚異的な結果になります）勝つことになります。茶色い線は最悪の結果で、マイナス4,100 BBsとなります。濃緑色の線は95%区間を示しており、この範囲に入る確率が95%という意味です。
私たちの場合、この範囲はプラス2,300 BBsからマイナス1,900 BBsまで広がっています。最後に薄緑色の線は70%区間を示し、70%の確率で自分の結果がこの領域（プラス1,900 BBsからマイナス900 BBs）になるという意味です。
これらすべて（追加情報付き）は以下のチャートにも示されています。
表内で最も重要な情報2点は、設定したハンド数後の負け越す確率と破産回避のために必要な最低限のバンクロールです。私たちの場合、それぞれ36%と5,872 BBsとなります。
これらの数字はどう解釈すればいいのでしょうか？これらの結果も多くの場合同様ですが、とても文脈に依存します。分散についてより良く理解するためには、異なるデータセットで同じシミュレーションを実行することが最善策です。つまり、自分自身でその値を書き換えたりして、勝率が上昇した場合や下降した場合にどう変わるか確認してみてください。5, 10または25倍多くハンド数をシミュレーションしてみてもいいでしょう。
いくつかの異なるシミュレーションを実行すると、自分が経験できる大きな変動幅や、特定の量をプレイした際に何を期待できるかを把握しやすくなるでしょう。
シミュレートすべきハンド数はいったいどれほど重要なのでしょう？
これはプレイヤーごとに異なる複数の変数によって大きく左右されます。一日、一週間、一ヶ月あたりに何回ハンドをプレイしていますか？
勝ち続けているプレイヤーだからといって、小さなサンプルサイズではあまり意味がありません。我々としては、10万ハンド以上のハンドをシミュレーションすることを強く推奨します。この観点から見ると、1万ハンドから10万ハンドに変更すると、負け越す確率は36%から13%に下がり、さらに50万ハンド設定時にはわずか0.6%しか負け越さないでしょう。
PLOでは分散が結果にも大きく影響します。分散の計算機を使用することで、「運」がPLO内で自分にもたらす影響についてより良く理解できるようになるでしょう。
これらのデータからどのように利益を得ることができるでしょうか？
ポーカープレイヤーが考慮すべきポイントはいくつかあります。それぞれ自分の日常的なプレイ習慣について考えてみましょう。
週あたり何時間プレイしていますか？
質重視型なのか、それとも量重視型なのでしょうか？
一度に何テーブルプレイしていますか？
多くのプレイヤーはできるだけ多くのテーブルをこなそうとしますが、それが勝率にも影響を及ぼすことがあります。
例えば、Aさん（ダニエルと呼びましょう）が月に5万ハンド・ウィンレート（WR）10.0BB/100で4テーブルしかプレイしない場合、Bさん（フィル）と期待値は同じ5,000BBsになるでしょう。ただし、フィルは月に10万ハンド・8テーブル・WR 5.0BB/100という状況です。しかしながら、両者には体験の違いがあります。フィルの場合、「オートパイロット」モードになりやすく、一度に複数の決断を迫られる状況では思考時間が少なく、ストレスが増します。一方、ダニエルはストレスが少なく、より選択肢を熟考でき、新しい概念を試したり、相手の傾向を考慮しながら行動することができます。
意外かもしれませんが、ダニエルの破産リスクは12%（5万ハンド・WR 10.0BB/100）に対し、フィルの破産リスクは5.5%（10万ハンド・WR 5.0BB/100）となり、同じ期待利益5,000BBsでもダニエルが圧倒的に有利です。同時期に高めの勝率を維持できるダニエルは、心の健康を保つことができ、一方でフィルは期待利益を追求するためギャンブル感覚が強くなるでしょう。
さて、PLOプレイ時に適切なバンクロールとはいったい何でしょうか？
ポーカーの魅力のひとつは、その複雑さや微妙なニュアンスにより、誰にでも当てはまる解決策がないことです。プレイスタイルによって、ダニエルに通用する戦略がフィルには効果がなく、その逆もまた同様です。このような背景を考慮に入れた上で、PLOをプレイする際のバンクロール管理について、どのように考えるべきでしょうか？
私たちの意見では、最も賢明で保守的なスタート地点は「リミットごとに100バイイン」ルールです。これは100バイイン（例えばPLO10の場合は1,000ドル）から始め、高いリミットに進む際には、そのリミットで100バイインを達成することを前提としています（例えばPLO25の場合は2,500ドル）。時間が経つにつれて、自分にとって何が最適か、さらに厳しいバンクロール管理を続ける必要があるのか、それとも50バイインで最高のゲームをプレイできるのかが見えてくるでしょう。
このトピックに関するあなたの意見はどうであれ、他のポーカープレイヤーの視点を知ることは常に有益です。そのための素晴らしい場所がPLO Geniusディスコードサーバーです。ここでは、向上を目指す他のPLOコミュニティメンバーと出会うことができます！
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