3-2 製造工程、2つの重要ポイント
別記事(3-1 ビールの製造工程 全体的な流れ)に書いたように製造工程を勉強するには、公式テキストを丸暗記するのが基本ですが、その中でも特に重要と思われる2か所を説明します。この2か所は丸暗記を超えて工程内容をイメージできる状態になっておけば、びあけん本番も怖くはないですね。
重要ポイント1.仕込み工程
まずは仕込み工程ですが、公式テキストを読んだだけで仕込み工程のイメージができる方は凄いと思います。私は何が説明されているのか、公式テキストだけでは正直よく分かりませんでした。ビール作り体験教室に行っていたので、なんとかイメージや理解が追いついた感じです。
ですので 1-5 市販ビールより断然うまい! ビール作り体験記 を読んでいただき、こちらの項目2~5に当たるのが仕込み工程ですので、この部分を中心に確認をお願いします。
下記からは、1-5 のページの各項目を公式テキストに沿った形で説明します。
項目2.主な作業は攪拌と温度測定では、マイシェを混ぜながら煮て、糖化とタンパク質の分解を行っています。攪拌し続けることで温度を均等に上げたり、糖化やタンパク質分解の反応を全体的にまんべんなく行っていることになります。
項目3.糖化釜(B)にマイシェを分けると、項目4.糖化槽(A)のマイシェと合わせるは、デコクション法の2つの仕込釜に分けて、またブレンドするまでの部分です。マイシェを2つに分けて、片方は100℃で煮沸して酵素を失活させ、もう片方は元の温度を維持して糖化を進めておき、この2つをブレンドします。精密な温度計などが無かった時代から行われている製法ですが、現在でも美味しいビールを作るため理にかなった製法として行われています。
項目4の後半では、ホップ投入とろ過を行っています。このあたりでホップ投入が行われているようですが、ビアスタイルによって複数回に分けたり、まったく別のタイミングでホップ投入が行われるそうです(ドライホッピングは発酵以降でホップ投入)。
ここでのろ過は、主に粉砕麦芽とホップなど目で見える大きめな固形物を取り除きます。ろ過機を通しただけでは細かい粒が相当量、残っているので、ページ最後の【補足】追加写真の説明の2枚目を見てください。麦汁を高速で回転させた後に放置すると釜の中央に凝集物が堆積して、麦汁がやっとクリアで透明な状態になります。公式テキストでは、釜の側面に沿って麦汁を入れて旋回させる「凝集物除去」として説明されています。学術的に言うと遠心分離を行って、可能な限り細かい固形物まで取り除きます。
項目5.糖度測定後に麦汁を冷却するの糖度測定やお湯の投入ですが、実は公式テキストには記述がありません。そのため2級までの検定には出題されないと思われます。スルーしてもらってOKです。
ただし、美味しいビールを作るためには欠かせない工程ですので、その点で覚えておいてください。糖度測定により発酵工程でビール酵母が作り出すアルコール量が算出できます。酒税法的にもアルコール度数を基準内に収めるために重要な作業です。
最後は麦汁の急速冷却です。冷却方法としては、氷水に浸かった細いパイプ内に麦汁をポンプで循環させる方法が取られます。有名なビアバーにある旧式ビアサーバーで行われているビール冷却方法と同じと思っていいと思います。
重要ポイント2.発酵・貯蔵工程
発酵・貯蔵工程は、びあけんの中で安定的に出題数の多い部分なので、必ず押さえておきたいポイントです。基本的には公式テキストの丸暗記ですが(笑)、この工程は図を作ってみると理解しやすくなると思います。
前発酵タンクと後発酵タンクに分かれていて役割も異なっています。前発酵でビール酵母が働いてアルコールや炭酸ガスなどを作り出し、後発酵で若ビールを熟成させて美味しくなっていくわけです。また各期間は上面や下面発酵、ビアスタイルによって異なるので標準的な期間や目安として覚えましょう。
最後にしつこく、公式テキストのアフィリエイトリンクを貼っていますが、製造工程は公式テキストを覚えてないと得点が取れないと思います。びあけんを受検するなら、ぜひ購入してください。