スマホ選びは異次元の時代へ
最近、諸事情があって 10年以上契約していた SoftBank から、格安SIMを含めた2台持ち体制に切り替えることにしました。SoftBank には不満はなかったけど愛着も無かったので、気持ち的には案外とサッパリと前に進めました。
そして、すぐ直面したのは現状の選択肢の膨大さです。スマホの選択肢って、こんなにも存在する時代になっていたんですね! キャリアだけでも昔は3社だけだったのに、今は 20社以上あるし。プランや利用条件を細かく分ければ選択肢は数百はありそうです。マジですか~。
この選択肢が多過ぎる状況と自分の古い認識に大きな狭間があるのを感じ、青空を見つめながら半日ほどちょっと悩んで「はぁ仕方ないか…」と腹をくくって、スマホ選びに真摯に向き合ったところ、納得いくまで丸3日かかる事態となりました。
一応、WEB運用を長年やっていて、IT関連にはそれなりに詳しいつもりでいましたが、今のスマホ選びの選択肢の多さは一筋縄ではいきません。キャリア側もそれを理解してか、失敗しても再変更しやすそうなのは、せめてもの救いなんですけど。
ではでは、膨大な選択肢のあるスマホ選びの進め方から、その要点をまとめてご紹介します!
異次元なスマホ選び その14ステップ
MNPで別のキャリア&プランに乗り換えると同時に、現状の不満なところも解消していくというスタンスを基本として臨んでいきます。既存スマホを持ってなくて新規申込の場合は、項目4から進めてください。
MNPをするのか?しないのか?
乗り換え作業は自力で対応できそうか?
新規機種が必要か? 下取りするのか?
(新規機種が必要な場合)新規機種に求める機能やデザインの設定
必要なキャリア提供サービスの設定(ギガ量、かけ放題等)
SIMカードか? eSIMか?
自宅やオフィス等での電波状況の現状確認
【やっと】予算感(初期費用/月額費用)の設定
(できれば)項目1~7に合う候補になりそうなキャリアとプランをできるだけ多く表にまとめる
項目8(または9)を比較して良さそうなキャリアとプランを2~3件選択する
割引キャンペーンは受けられるか? それはいつまでなのか?
叶えられない希望条件は諦められるか? オプションを付けるか?
項目10~12をグルグルと検討する
【ようやく】乗り換え先のキャリアとプランの決定!
現状で満足のいく乗り換え先を見つけようと思ったら、この 14ステップは必要なのでは、と思っています。こんなに手間がかかるなんて、スマホ選びはすでに異次元の時代に突入しているのです!
これくらいのステップを踏まないと、後々、乗り換えたばかりで不満が出てくるとか起こることでしょう。ノリで決めてしまうと、見落としがいくつも見つかって後悔することになると思います。
途中で心折れてしまう気持ちはよく分かります。だけど、乗り越えられれば料金的にも機種的にも、ご自身のイメージや用途に合ったチョイスができて、かなりの満足感が得られますので、なんとか頑張ってください。14ステップで挙げた各項目の詳細について説明していきます。
異次元なスマホ選び 詳しい説明
項目1~7ですが、順序は特にないです。決めやすい順番で検討や確認をしてもらって大丈夫。項目1~3は既存スマホを持っている場合に必要になる項目です。
項目1. MNPをするのか?しないのか?
携帯電話番号ポータビリティ(MNP)によって、料金プランや適用キャンペーンが大きく変わるので、初めの方で決めておきます。この違いを下記にまとめます。
1A. MNPする場合
・今の電話番号がそのまま使える
・MNP適用キャンペーン(効果大)が受けられる
・予約番号の入手手続きが必要
・有効期限(15日間)内に乗り換え完了させなくてはならない
1B. MNPしない場合
・今の電話番号は使えなくなる(=人間関係の断捨離ができる)
・解約手続きが必要
・場合により、窓口に行く必要がある
項目2. 乗り換え作業は自力で対応できそうか?
いくつかのキャリア公式サイトで紹介されている、乗り換えや新規申込の手続き方法を確認して、自力でできそうかを確認してください。自力では無理そうなら、店頭に受付窓口があり販売員がサポートしてくれるキャリアやプランに限定して、プラン選びを進めていくことになります。
乗り換えマニュアルですが、格安キャリアだとかなり適当です。eSIMの設定マニュアルが iPhone版しか動画で紹介してくれなかったり、Android の設定画面のキャプチャがバージョン違いだったりする難関が待ち構えています。普段からスマホ設定をゴチョゴチョいじるのが苦でなければ問題ないでしょう。
項目3. 新規機種が必要か? 下取りするのか?
プラン申込みと同時に新規機種が必要なのか、または下取りサービスを使いたいのか、などの確認をします。これらの特長を下記にまとめます。
3A. プラン申込みと同時に新規機種が必要
・2台持ちにするなら、この方法がラク
・MNP特典で激安で買える場合もある
・既存スマホの乗り換えスケジュールを具体的に考える必要あり
3B. 下取りサービスを使う場合
・既存スマホの対象機種によるが、新規機種の購入時に大きく割引を受けられる
・故障や制限、古い機種などにより、下取りサービスが使えない場合がある
・場合により、窓口に行く必要がある
項目4. (新規機種が必要な場合)新規機種に求める機能やデザインの設定
あらかじめ新規機種に求める機能や性能をある程度、決めておきます。先にスマホ製品一覧を見てしまうと、たくさんある魅力的な機種/機能/性能に惑わされた結果、「いっちゃんええ高いスマホ」になりかねません。
こんなブレ方をしないために、カメラ品質や画像サイズ/解像度、SSD容量など自分に必要な機能や性能は何かを早めの段階で決めて、大体の基準を作っておくのが良いと思います。
項目5. 必要なキャリア提供サービスの設定(ギガ数、かけ放題等)
これも項目4と同じ理由です。どれくらいの通信データ量が必要なのか。月間で通話はどれくらいしたいのか等、これまでの利用状況をベースに決めるのがよいでしょう。
項目6. SIMカードか? eSIMか?
SIMカードの形式についてですが、今後は eSIM が主流になっていくそうです。参考サイトへのリンクを貼っておきます。この違いを下記にまとめます。
6A. SIMカードの場合
・これまで通りでわかりやすい
・費用と開通までに時間がかかる
・SIMカードが破損すると使えなくなる/再発行手数料も高め(数千円)
6B. eSIMカードの場合
・eSIMが使える機種が限られる(現状、多くの機種で使える)
・SIMカードと比較して費用が安く、短期間で早く開通できる
・eSIM では破損リスクがほぼない
・開通時にインターネット接続可能な Wi-Fiスポットが必要
項目7. 自宅やオフィス等での電波状況の現状確認
項目5と通じるところはあるのですが、あえて項目7に分けました。電話のつながりやすさや電波品質をどれほど求めるのか?によってキャリアが決まってきます。これらの違いを下記にまとめます。
7A. 電話がどこでもつながる/データ通信 超高速 or 高速が必要
これらを求めるなら、docomo/au/SoftBank の主要3キャリアの提供プランにほぼ限定されます。RakutenMobile は事業規模的にはこの3キャリアに準じますが、電波周波数がプラチナバンド(700~800MHz)帯ではないため、どうしても屋内でつながりにくい点が要注意です。
7B. 電話は大体つながればOK/データ通信 中速でも大丈夫
この条件でよければ、格安スマホの幅広い選択肢から選ぶことができます。ご自身の希望にピッタリと合って、費用もかなり安く抑えられるでしょう。選択肢が多くて選ぶのが大変ではありますが。
7C. 格安スマホキャリアの親電波について
格安スマホキャリアは、RakutenMobileを入れた主要4キャリアの電波を使用しています。電波の特長は 7A の通りなので、RakutenMobile以外は屋内でもつながりやすいです。通信速度は 7B と同じくですが制限されているので中速が多いです。
ちなみにデータ通信の超高速は 100Mbps以上(現在、ahamo だけが該当)、高速は 50~100Mbps(主要3キャリアや楽天等)、中速は 10~50Mbps(大半の格安スマホ)を指しています。中速でも Youtube視聴などは十分可能です。格安プランですが「格安スマホ+ランキング」などでネット検索すると、わかりやすいリストが見つかると思います。
項目8. 【やっと】予算感(初期費用/月額費用)の設定
項目1~7が大体決まったら、ようやく現実的な予算感を出すことができます。いくつかのキャリア公式サイトの料金プランを見て、初期と月額でそれぞれ、大体の金額感を決めましょう。これもブレないために必要な作業です。
項目9. (できれば)項目1~7に合う候補になりそうなキャリアとプランをできるだけ多く表にまとめる
雑すぎて恥ずかしいのですが変に気取っても意味が無いので、私が今回の乗り換え時に本当に作ったプラン比較表をそのまま公開します。キャプチャとサンプルファイルを公開するので参考としてご確認ください。
この比較表の左側は、各キャリアを左軸に置いて、ギガ数の変化で月額いくらになるのかをまとめています。濃い黄色にしているのは、各ギガ数における最安値や最も良さそうな月額費用で、薄い黄色はそれらに準ずるプランとして色分けしました。ネガティブ要素は薄い青色などを使って塗分けてもよいでしょう。
このキャプチャの右側には、注意点や特記事項を書いてあります。詳しくは上記のダウンロードボタンを押して確認してみてください。
この表があると落ち着いて分かりやすく、どのプランが良いのか比較検討できるのでオススメですが、作成するのがかなり大変でした。私の場合は、主要な格安スマホをすべて検討できる希望条件だったので 18キャリアと多めに調べました。これだけで丸2日がかかるし。…もう疲れた。
項目10. 項目8(または9)を比較して良さそうなキャリアとプランを2~3件選択する
ピックアップしたキャリアとプランから、希望に合うものを2~3選びます。私は、先のキャプチャ上の濃い黄色に塗ったプランから選び出しました。
項目11. 割引キャンペーンは受けられるか? それはいつまでなのか?
良さそうなキャリアとプランの目途が付いたら、キャリアの公式サイトに行って、各種キャンペーンの実施状況を確認します。お得なキャンペーンと組み合わせて、申込み可能なのかや割引効果を確認します。
キャンペーンの種類によって期間限定のものがあるので、それも確認しておきます。キャンペーン期間が過ぎたら月額料金が定価に戻ったりするので、そのタイミングや割引率も事前に理解しておきます。
項目12. 叶えられない希望条件を諦めるか? オプションを付けるか?
多くの選択肢があるとはいえ、希望条件の中で、どうしても満たされない機種/機能/性能が出てしまうのも仕方がないところです。無理にでも満たそうとすれば月額料金が跳ね上がったりします。これらはオプションを付けることで対応できるかもしれません。オプション利用料と相談しつつ、決めていきましょう。
項目13. 項目10~12をグルグルと検討する
新しいスマホやプランを、どう使っていくのかを想像しながら、項目10~12をグルグルグルグルと検討していきます。ここが一番悩ましい作業なのですが、自分の好みは自分にしか分かりません。グルグルグルグルと諦めずに納得いくまで根気強く想像して、検討と確認を繰り返してください。
提携カードでポイントがマシマシになるとか、キャンペーンを上手く取り込んでお得に申し込めるのかとかが、一番難しいポイントだと思います。
項目14. 【ようやく】乗り換え先のキャリアとプランの決定!
項目13 で検討を重ねて1つに絞れたら、やっと申込手続きに進めます。ここまで本当にお疲れさまでしたー!
結論! スマホ選びは自分自身との対話
本当は「こうやって選べばサクッと決められて間違いなく正解だよ」という記事を書きたかったのですが、こんなにも膨大な選択肢があると、それは無理なんだと私は諦めましたので、みなさんも諦めてください(笑)。
スマホ選びで正解を決められるとしたら、それはあなた自身だけです。
どういうスマホが欲しくて、どれくらいの金額で、どうやって入手するのか。これを自分自身と対話を進めつつ、徐々に明確化していって、最も理想に近いものを選び取る。これが異次元のスマホ選びの正体なんだろうなと思いました。
家電量販店の販売員と数十分話した程度では決められないでしょう。だって彼らはみなさんの希望の細かいところまで、わずかな時間では到底、理解できないでしょうし。
この記事で紹介した 14ステップを使い、自分との対話をしっかり行って、あなたも最適なスマホプランをゲットしてくださいね!