情熱価格 ドンキのクラフトビールを味見して余計な考察を少し
2024年8月上旬から 驚安の殿堂 ドン・キホーテ から PB(プライベートブランド)商品(情熱価格)のクラフトビール4品が全国発売されました。事前告知などは特になく、いきなり店頭に登場したので SNS 等から情報を得て購入された方も多いと思われます。
私も早速、全4種類を購入したので、そのレビューやコスパなど検討してみました。結論から言うと「アリ」ですね! またドンキに行った際には仕入れたいと思います。2024年9月末までは「4本まとめ買いで 80円引」キャンペーンをやっているので、ぜひ早めにゲットしてください!
クラフトビール4品の味見
ドン・キホーテ 情熱価格 クラフトビールは4品あります。下記のテキストリンクをクリックすると、公式サイトの商品詳細ページが表示されます。
日本でビールと言えば下面発酵(ラガー)の「ピルスナー」ですが、これら4品はすべて上面発酵(エール)で、ヘーフェヴァイツェン以外は割とよく聞くビアスタイルではないでしょうか。上から順にご紹介していきます。
あまり耳にしない「HEFEWEIZEN(ヘーフェヴァイツェン)」ですが、小麦のビールです。単に「WEIZEN(ヴァイツェン)」だけの方との違いは「HEFE(ヘーフェ)」はドイツ語で「酵母」の意味なので、酵母が残っていて白濁した見た目のヴァイツェンというビアスタイルになります。
実際のお味は、オレンジピールが優しく効いててフルーティで美味い! です。見た目はキレイで明るい黄金色で、白濁してるかと言われると…? 酵母が残っているかはよく分からなかったのですが、クセは無くてスッキリ爽やかで飲みやすいです。これに合うお料理は、サラダや白身魚のソテーなどがいいでしょう。
お次の STOUT(スタウト)は、麦芽にしていない焙煎大麦を原料に使っているのが一般的です。このスタウトは、コーヒーのような香りがあってサッパリとした苦味でした。あの有名な GUINNESS(ギネス)の水のような感じよりかは飲みごたえを感じましたが、ゴクゴクいけちゃう感じです。
お料理は香りの強い洋食全般に合うと思いますが、コーヒー代わりにスイーツと合わせてもいいでしょう。
IPA(アイピーエー)は、ホップを大量に使ったグレープフルーツ等の柑橘系の強い香りとビリッとくるかなり苦めのビアスタイルですが、このIPAは一瞬ちょっとピリッと苦味を感じるくらいでサッと引いて、とても飲みやすいけど私には物足りないIPAでした。味は間違いなく美味いです。
料理的には、ステーキやハンバーグなどのお肉系の料理が合いそうです。コッテリした後味を、このIPAがサッと爽やかに流してくれるでしょう。
最後のトリの PALE ALE(ペールエール)は、イギリスの伝統的なエールです。強い苦みとドライな感じが特長ですが、このペールエールはホップの苦味が効いて、色が本当に美しかったです。苦みは強くなくて飲みやすさの方が勝ちますね。
料理は、洋食だけでなく和食や中華にもピッタリ。万能選手な一杯です。何を買うのかに迷った時は、このペールエールがおススメです!
全4種類を飲んで楽しみましたが、すべてに言えることは、各ビアスタイルの味わいを保ちつつ、優しいライトな風味でクラフトビールのクセの強さに慣れていない方にとって、とても美味しく飲めるビールでした。慣れてる方には、軽めに飲みたい時や普段使いの最適解になるでしょう。
驚きの情熱価格を分解してみる
写真にある値段を見て、私は驚きました。クラフトビールなのに国内ビールの350ml缶並みに安いじゃん…と。本当にこんなに安いのか?と疑ったので、前回の価格調査(【事件です!】缶ビールを安く買うならどこ?(近所の価格調査結果)2024年4月版)の時に調べておいた国内クラフトビール(350ml缶)と海外輸入ビール(330ml缶)と比べてみることにしました。
ちなみにドン・キホーテ情熱価格 クラフトビール4品は 330ml缶です。容量が少し少ない分、表示価格が下がっている面はあると思いますが、別にズルじゃないですよ! これは商売なのでアリのアリです。
まず、ドン・キホーテ情熱価格 クラフトビールは、2種類の価格帯(※1と※2)があります。それと他店舗の国内クラフトビールと海外輸入ビールですが、銘柄によって価格に相当なバラつきがありますのでご注意ください。
銘柄によって価格が全然違うので(350ml缶で179円~568円の範囲)、その店舗で最も取り扱いが多そうな価格を表に挙げました。そのため、価格と容量の2点に絞った単純比較はできないと思います。あくまで目安として見てください。
という状況とはいえ、ドン・キホーテ情熱価格 クラフトビールは最安と言ってよい価格帯を実現してますね。さすが驚安の殿堂。優秀です!
価格表を元に100ml当たりの比較をしたのが、こちらの表です。※1のヘーフェヴァイツェンとスタウトがかなり安いです! この 66.1円というのは、前回価格調査の主要国内ビールの 350ml缶が 48.3~58.3円ですから、これに近い金額になりますね。
国内ビール並みに安心して手軽に楽しめるクラフトビールと言えそうです。
最初に書いた通り、2024年9月末まで「4本まとめ買いで 80円引」キャンペーンをやっているので、これを適用した場合は
※1 1本198円(税別、100ml当たり 60.0円)
※2 1本218円(税別、100ml当たり 66.1円)
とさらにお得になるので、迷わずカゴに入れていいと思いますよ!
ベトナムのビール工場の設備規模を考えてみた
私はこの文言の通り「ド肝を抜かれた」わけですが、それはどれほどの大きさの醸造設備で行われたのか? をビールを楽しみながら試算してみました。まったく根拠の無い試算なので、信用しないでくださいね。
試算する元データはこんな感じ。
店舗数:国内 632店舗(同社 IR情報から2024年6月度の国内店舗数)
1品当たりの入荷箱数:10箱
1箱当たりの本数:24缶
1缶当たりの容量:0.33L(330ml)
廃棄ロス割合:2%
これらを全部乗算などして計算すると、1品当たり 51KL(510,000リットル)という数字が出てきます。ビール醸造には約1か月かかり、原産国ベトナムからの輸送に2週間かかるとすると販売開始が8月上旬なので…
2024年6月からベトナムの最新ブルワリーにて、51KL規模のビール醸造設備(貯蔵タンクは4品なのでタンク4本分)で醸造開始された、という感じになりました! タンクを2本使うなら、醸造期間は倍の2か月だから5月醸造開始となります。
そしてこの「51KL規模の貯蔵タンク」がデカいのか、そうでもないのかを考えてみるために、キリンビール横浜工場(生麦)の貯蔵タンクと比べてみます。写真左に4本写っていますが、この貯蔵タンクは1本当たり 148KLということなので、私の試算の約3倍の大きさになります(こちらの貯蔵タンクの中には「一番搾り」や「キリンラガー」が眠っているはず)。
このタンクの 1/3 の大きさのもので情熱価格 クラフトビール1品を1か月で醸造して国内 632店舗に配れそうなので、ベトナムの最新ブルワリーは、そんなに大規模でもないのかな?…などと予想してみました。
情熱価格 クラフトビール さいごに
ドン・キホーテの情熱価格 クラフトビール4品(ヘーフェヴァイツェン・スタウト・IPA・ペールエール)ですが、「クラフトビールや輸入ビールって高いわりにクセがあって美味しくない」って言う方も安心して買って、楽しんでもらえるビールだと思います。
たぶん、そういうコンセプトもあって作られているんだろうな、と思いました。どれも味わいが軽めでスイスイ飲みやすい感じだったので。
ビール好きのすそ野を拡げる役割を、この4品が果たしてくれると期待します。ビアスタイルは150種類以上と言われているのに、日本ではピルスナー一辺倒っていうのも、とてももったいないですし。
まずは、この4品から。
他のメーカーさんにも期待しちゃいますね。彼らもきっと、この4品には驚いたり刺激を与えられたりしてるはず。
今後も期待してビール市場を楽しみたいと思います。