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1-5 市販ビールより断然うまい! ビール作り体験記 = デコクション法の詳細
友人たちとキリンビールのビールづくり体験教室(現在は終了)に参加した時(2019年3月)の写真を元に体験記をまとめました。これを見ればビール作りの流れがイメージしやすくなると思います。なお、初体験😍の撮影だったので画質等がイマイチなのはご容赦願います。
私たちは、ボックスタイルビールを作りました。ビールのスタイルによって材料や製造工程(レシピのようなもの)は異なります。また、用語は日本ビール検定の公式テキストに合わせていますので、ここでは糖化槽(A)=公式テキストでは仕込槽。糖化釜(B)=同様に仕込釜です。この点にご注意をお願いします。
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1.必要な機材や製造工程、粉砕麦芽とか
必要な機材や原料はすべて完璧な状態で準備されてました。原料は粉砕麦芽とホップ、糖化槽(A)に張られたお湯の3つだけ。まずは粉砕麦芽(ページ下追加1参照)を糖化槽(A)に入れるところからスタートです。製造工程は撮影禁止だったので手書きで申し訳ないですが、私が書いた図でイメージしてください。公式テキストにあるデコクション法の図とほぼ同じです。
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2.主な作業は攪拌と温度測定
ほとんどの作業は温度測定しながらの攪拌です。火にかけてお粥状になったマイシェをずーっとグルグルかき回します。それなりに暑くて、煮詰まってくると粘度が高くなるのか、攪拌棒が少しずつ重くなります。そのためグループの参加人数は多い方が楽です。攪拌が必要な工程は約3~4時間もあるので最低参加人数(2名とか)だと相当に大変だと思います。
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3.糖化釜(B)にマイシェを分ける
ボックスタイルはデコクション法で作られるので、1時間くらいしたらマイシェを糖化釜(B)に分けます。下の写真がその風景で、マイシェの高さを確認しながら決められた量を手前にある糖化釜(B)に分けます。糖化釜(B)は70℃くらいに温度を上げて一定時間置いて糖化させた後、一気に温度を100℃にして煮沸して酵素を失活させます。
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4.糖化槽(A)のマイシェと合わせる
糖化釜(B)のマイシェを糖化槽(A)に戻して温度を確認したら、1回目のホップ投入を行ってから、ろ過機を通して第一麦汁(一番搾り麦汁)が完成です! 第一麦汁はすぐに煮沸に向けて加熱しますが、その間にろ過機にお湯を入れて第二麦汁を取って第一麦汁に加えます。麦汁は煮沸して酵素を失活させます。約1時間の煮沸中にもホップ投入を行います。
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5.糖度測定後に麦汁を冷却する
煮沸を終えたら、麦汁に含まれる糖度を測定して発酵で作り出されるアルコール量を算出します(難しそうな計算式だったので指導員の方が算出してくれました)。ボックスタイルはアルコール分が6.0~6.5%ですし、酒税法で決められたアルコール分の上限(20%)なども超えないように、麦汁に湯を加えて糖度を調整します。
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この頃には、麦汁は水あめを思わせるような粘度と重たさを持っています。それをできるだけ高速でかき混ぜてから、しばらく置くと凝集物が糖化槽(A)の中央に集まって分離されます(ページ下追加2参照)。
次に凝集物を取り除いて澄んだ麦汁を冷却器で急速に冷やして10℃以下にします。冷却器は金属チューブを氷水の中に通したものです。急速冷却するため、氷水を一生懸命かき混ぜます。
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6.最後にビール酵母を添加
最後に指導員がビール酵母を麦汁に添加してくれます。ボックスタイルは下面発酵なので酵母が麦汁の中にドボドボと沈んでいくようでした。これでビール作り体験教室での作業はすべて終了です。お疲れさまでした〜
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7.ビール作り体験教室、その後は
後は指導員の方々の手にゆだねられ、発酵と貯蔵管理、パッケージング(瓶詰)をされてクール宅急便で約1か月後に自宅へ届きます。330ml瓶が合計30本なので約10Lが出来ました! ビール作り体験教室では約16Lの仕込みをしたのですが、差し引きで消えた6Lの使い道は…?
この消えた6Lは、1か月間の発酵と貯蔵管理の検査用、パッケージングの際の機械内の洗浄用、トラブルがあった時のために後検査用に保管される等に使われるとのことです。
手作りしたボックスタイルビールはホップの香りが強くてコクがあって、市販のビールとは比べ物にならない、とんでもない美味しさでした! できることなら、また参加したいですね。
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【補足】追加写真の説明
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追加1は原料の一つ、粉砕麦芽の写真です。4~5kg ほどありました。最初から粉砕されていたので詳細はわかりません。後ろにあるのが糖化槽(A)、公式テキストにある仕込槽です。
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追加2は、煮沸が終わる頃の麦汁をできるだけ高速でかき混ぜてしばらく置いた後です。麦汁の回転が停まるにつれて自然と糖化槽(A)の中央に山のように凝集物が堆積して、麦汁が澄んでクリアになっていきます。
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