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十六夜杯2022年 短歌『勝手にダルマ賞』

この度、十六夜杯 短歌部門に一首応募致しました、ダルマと申します。自分が個人的に好きな作品を勝手に表彰する「勝手に賞」を私もさせて頂きたいと思います(^O^)

私は今回、短歌部門のみの参加でしたので、短歌部門中における作品のみを対象といたします。(あくまで私設賞であり、公式賞ではありません。)

私は短歌に関して、技術的なことは一切分からないため(笑)、上記の通り、個人的にいいなと思った作品を選ばせて頂きました。


27.青空に紅葉を描く稜線に
   河せせらぎの音ぞ木魂し

紅葉の稜線という美しい視覚情報から、河のせせらぎの音という聴覚情報への転換が素敵です(^^)

151.夏痩せは都市伝説か幻想か
    馬より先に吾肥ゆる秋

「天高く馬肥ゆる秋」。馬も人も食欲の秋。馬よりも先に自分が肥えてしまった(笑)。思わず笑ってしまいました(^^)

160.湾岸線速度のリズム刻む右耳
    八月のらせんを少し秋に傾げて

短歌と超短編小説の出会いが、ゼロの紙さんの作品の中で実現されています。この世界観に引き込まれました(^^)

171.蜘蛛の巣の払い掃いてきりもなし
    積もる月日を払わぬように

積もったほこり(蜘蛛の巣)と思い出。ほこりや蜘蛛の巣は払っても、そこに積もる思い出は大切にしたい、懐かしい光景が浮かびます(^^)

282.我らには子孫を残す義務がある
    おんぶバッタのオスの叫びよ

バッタの目線になってからの心情描写が素敵です。このバッタ夫婦の意志は子バッタ達が受け継いでくれるでしょう(^^)

286.爆音と無言の森の秋桜
    己おのが誠にただ其処そこに咲く

強く生きる自信(自惚れや慢心とは異なる)の大切さを感じました。秋桜の切なさと力強さが素敵です(^^)

287.秋風に肩震わせて空仰ぐ
          夏の名残よセミの抜け跡

季節の移り変わりを感じさせるセミの抜け殻、羽化したセミはどんな一生を送ったのだろうと色々と考えたくなります(^^)

300.飯も茶も黙って待ってる祖父の剥く
    月の無い夜のりんごの兎

月の兎は見えなくても、りんごの兎がある。mayu.kさんと御祖父様の愛情に心温まりました(^^)

321.日が暮れて ほのかに寂し神無月
    虫の音りりり 胸にこぼるる

どこかさみしい神無月の日暮れの光景と、「りりり」という虫の鳴き声の組み合わせが素敵です(^^)

326.山辺に咲いたつゆ草夕に枯れ
    定めと知るも哀しきかな

生きとし生けるもの、その命にいずれ終わりが来る定めと頭で分かっていても哀しい。命の儚さ・美しさ・大切さを感じました(^^)

以上です。