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2022年2月の記事一覧
【大乗仏教】空の思想 阿弥陀如来の極楽浄土
「八千頌般若経」に登場した自身の善根(善行の功徳)を自身の完全な覚り(全知者性)の原因へと転換する廻向は、やがて自身の善根(善行の功徳)を他者の楽果(幸福)へと転換するといった意味をも担うようになります。これが「阿弥陀如来の極楽浄土」へと発展したものと思われます。今回は「浄土経典」の内容を見ていきたと思います。浄土経典は五濁悪世(末法の世)の衆生のために釈尊が阿弥陀如来による救いを説いた経典です。
もっとみる【大乗仏教】中期中観派
龍樹の論理が古代インドの論理学(ニヤーヤ学派やディグナーガの論理学)で表すことのできない異質的なものであったことは、五世紀以後の中期中観派にとってはかなり困ったことになっていました。この時代のインドは論理学と認識論が哲学の主流となってきた時代でもありましたので、中観派も自己の哲学思想を主張して他派と論争するためにも、その教義を論理的に発表しなくてはならなかったのです。
中期中観派の中では帰謬論証