コンビニの店員に社畜かどうか聞かれた件

「温めますか？」
「あ、おねがいします」
「サラリーマンさんですか？」
「え？」
「サラリーマン、ですよね？」
「ああ、まあ・・・なにか？」
「いえ、やっぱり・・・」
「やっぱり？・・・どういう意味？」
「背広きっちり着てるんで、つい」
「・・・・・」
「どうなんですか？ぶっちゃけ社畜なんですか？」
「は？」
「社畜、ですよね？」
「なんでそんなこと言われなきゃなんないんだよ」
「ほら、怒ってるってことは社畜なんだ？」
「なんなんださっきからアンタ」
「でも、飲み会とかでは『社畜でーす』とかふざけて自虐的に言ったりしてるわけでしょ？」
「・・・・言わないね」
「あ、その間は言ってる間ですね、ぜったい」
「いーや、言いません。誇りを持ってやりがいのある仕事をしています。こんなコンビニで単純作業だろ？ほら、弁当温まってんだろ？はやくしろよ！」
「あ、差別ですよね。コンビニの店員を下にみてるんだ？バイトっていう立場も自分より下に見てるんですよね？」
「キミみたいな社会で真面目に働いている人間を下に見ている人間は、自分が社会から下に見られているっていう自虐に囚われてるんだよ。それって自分の現状に飽き足りない気持ちが少なからずあるからだろ？コンビニの店員だってやりがいもって楽しく働いている人なんているんだから。どこでどんな仕事してても、どんな労働条件だろうと自分の納得の上にその仕事の価値は成り立つんじゃないかな。それでいうとキミは不幸かもしれないね」
「・・・・・」
「僕はこのコンビニのバイトでもやりがいを見出す自信がある、キミより」
「ありがとうございました」
「どういたしまして、また来ます」