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国破山河在
城春草木深
感時花濺涙
恨別鳥驚心
烽火連三月
家書抵萬金
白頭掻更短
渾欲不勝簪
書き下し文
国破れて山河在り
城春にして草木深し
時に感じては花にも涙を濺ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火三月に連なり
家書萬金に抵る
白頭掻かけば更に短く
渾べて簪に勝えざらんと欲す
現代語訳
都は破壊されたが、山と川は残っている
城は春の中にあり、草と木が茂っている
時代をしみじみ思い、花を見て涙が出てくる
別れを悲しみ、鳥の声に心が痛む
戦争は三月になっても続き
家族の便りはめったにない
白髪頭をかくと髪が短くなっており
冠をとめておく髪留めもつけられない
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この詩から学ぶことは次の通りです
#希望を保つ重要性
作者は、国が破壊された状況でも山や川が残っていることに注目し、希望を見出します。
時代の変化や困難に直面しても、希望を失わずに前進することの重要性が示唆されます。
#感情の抑制と共感
詩の中で作者は、別れや戦争による苦難に直面しても、感情を抑えつつも、自然や動物に対する共感を示します。
このような共感の姿勢は、他者とのつながりや共感を大切にすることを示唆しています。
#人生の変化と受容
詩の最後では、白髪や髪の短さといった老いの描写があります。
このような人生の変化や老いを受け入れつつも、前向きに進むことの重要性が示唆されます。
これらの学びから、明日への希望を持ちつつ、他者への共感を示し、人生の変化を受け入れつつも前進することが重要であることがわかります。
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#春望
『春望』は唐代の詩人、杜甫によって詠まれた五言律詩です。
この詩は757年(至徳二戴)春に長安で詠まれました。杜甫は当時46歳でした。
詩の背景は、安史の乱と呼ばれる戦乱の真っ最中で、唐の都、長安は破壊され、賊軍に占領されていました。
この詩はそのような厳しい状況の中で詠まれたものであり、国家の衰退、家族との別れ、自身の心情などが詠われています。
冒頭の有名な句「国破れて山河在り」は、国家が破滅しても山や川は変わらず存在していることを表しています。
詩の中で、杜甫は戦禍に翻弄される祖国や家族、そして自分自身の行く末に対する心情を歌っています。
この詩は、日本でも最もよく知られた漢詩の一つであり、その美しさと深い感情が多くの人々に愛されています。