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大人になるということは「可能性の選択と集中」をすること
✔︎ 大人になるということは、自分の限界を受け入れ、可能性を削る勇気を持つことだ
✔︎ 限りある時間や体力を効率的に使うためには、「選択」と「集中」が鍵になる
✔︎ 成長と幸せの両立を目指すために、ゴールを明確にし、優先順位をつけて行動しよう
限りあるリソースで生きることの難しさ
ボクらは若い頃は「自分の可能性は無限大だ」と信じて疑わなかった。何にでも挑戦できるし、どこまでも成長できる。そんな自由な気持ちが、夢や希望を膨らませ、行動力を高めてくれた。
しかし、歳を重ねるとその「無限大の成長」が幻想だったことに気づく。時間、体力、集中力──それらは有限であり、使い方を間違えれば失った分を取り戻すことは難しい。
大人になるということは、自らの限界を受け入れ、可能性を絞る勇気を持つことだ。成長を追い求めるだけでなく、限りあるリソースをどのように配分するかを真剣に考えなければならない。
無限の成長に夢を見るのをやめる
「何にでも挑戦できる」という考えは確かに魅力的だが、すべてに挑戦することは不可能だ。イノベーションの現場でも同じことが言える。「すべてをやりたい」と考えた組織ほど中途半端な成果しか残せないのは、リソースが分散してしまうからだ。
たとえば大企業が新規事業を創出する際に、複数のプロジェクトを一度に立ち上げることがよくある。しかし、どれも成功しないことが多い。それは、「選択と集中」が不足しているからだ。成功する事業は、リソースを一点に集中させることで生まれる。人間の人生も同じだ。どこかのタイミングで、「何に集中するのか」を決めなければならない。
リソースを効率的に使うための方法
限りあるリソースを効率的に活用するためには、以下のポイントが重要だ。
①ゴールを明確にする
まず、自分が何を目指しているのかを言語化することだ。ゴールが曖昧なままでは、どこにリソースを配分すべきかも見えてこない。たとえば、「キャリアアップしたい」という漠然とした目標ではなく、「5年以内に経営層に入る」「専門分野でトップクラスのスキルを磨く」といった具体的な目標を設定する。
②優先順位をつける
やりたいことがたくさんある場合、それをすべて実行するのは不可能だ。優先順位をつけることで、どのタスクが自分にとって最も重要かを明確にする。優先順位をつける際には、「長期的な影響」と「現在のリソース」を基準に考えることが有効だ。
③やらないことを決める
何をやるか以上に、何をやらないかを決めることが重要だ。やらないことを明確にすることで、余計なエネルギーを浪費せず、重要なタスクに集中できる。スティーブ・ジョブズは「イノベーションは何をやるかではなく、何をやらないかを決めることだ」と語ったが、この考え方は個人の人生にも当てはまる。
幸せを感じるための「選択」と「集中」
最終的に、大人としての人生で問われるのは、「自分の限りあるリソースをどのように使うか」という問いだ。成長を追い求め続けるのではなく、どの選択が自分にとって最も幸せを感じられるのかを考えることが重要だ。
キャリアだけでなく家族や友人との時間も大切にしたいのであれば、そのバランスを取るための選択をする必要がある。仕事であっても、プライベートであっても、「本当にやりたいこと」を見つけ、それに集中することで、満足感を得られる人生を送ることができる。
「削る勇気」が未来を切り拓く
大人になるということは、可能性を無限に追い求めるのではなく、限りあるリソースをいかに効率的に使うかを学ぶことだ。何をやるか、何をやらないかを選び、限られた時間やエネルギーを最適に配分することで、成長と幸せの両方を手に入れることに繋がる。
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