なぜ今改めて事業創出のノウハウを本にするのか 〜新著「グランドデザイン大全」Amazon予約開始
✔︎ 形式知化されたノウハウは、概念論や理想論になりがちで、実践に繋げるのが難しい
✔︎ 新規事業担当者には、実践的な「地図」を提供することが重要
✔︎ 「グランドデザイン思考」で、失敗確率を下げ、効率的に事業創出を進める方法を提供する
事業創出に関するノウハウ本は数多く存在しています。それらはそれぞれ、著者の経験に基づいて、それぞれの経験則が形式知化されていて、非常に有益な学びです。
一方で、形式知化の過程で概念論や理想論に終始してしまい、学びとしては有益であっても、実際の行動に繋げるのが難しいものも散見されます。
特に、まさにこれから新規事業に取り組もうとしている新任の新規事業担当者には、難易度が高くうつることでしょう。
実際に多くのメンタリングにおいて、その概念や理想としてのノウハウと、実践的アクションの行間を行うアドバイスを行うことが多くあります。
新規事業担当者にとっては地図がない中で冒険に出ることになってしまったがゆえに、今何をすれば良いのかがわからない、という状態にあるのではないかと考えました。
概念論や理想論ではなく、実際に事業経験をしたメンターが「地図」を示し、具体的なステップや手法を伝えることが、無駄な仮説検証をすることなく、効率的・効果的に事業創出を進めるために必要なことです。
しかしここにも課題があります。実際に「メンター」という役割を担っている人の中にも、概念論や理想論は人よりも理解していても、経験値が少なく、経験に基づいた実践的なアドバイスができていない方がいます。つまり地図を持っていない人が、地図を持っていない人に進むべき道をアドバイスしてしまっている状況に陥っているのです。
デザイン思考の浸透により「N=1」にフォーカスして、徹底的にインタビューをすることがイノベーションへの一歩目であることは、ある程度「常識」的なアクションとして定着しつつあります。しかし、N=1にフォーカスするだけでは、インパクトのあるイノベーションに辿り着かないことは軽視されているようにも思います。
そこで、ボクは「グランドデザイン思考」というコンセプトを提唱します。これは、N=1にフォーカスするだけでなく、事業全体の戦略をしっかりと見据え、具体と抽象を行き来しながら行動を積み重ねるアプローチです。
スタートアップであれば、小さい一歩を積み重ねながら、そこでの試行錯誤を繰り返して、少しずつインパクトへと近づいていく、いわば「エフェクチュエーション」的なアプローチは有効です。
しかし、成熟事業をもつ大企業には、スタートアップにはない制約があります。それは「時間が有限」であること。そのため、無駄な試行錯誤は避けなければなりませんし、同時に、この種がインパクトがあるイノベーションとして花開くのかどうかを早期に説明できるようにならなければなりません。
「エフェクチュエーション」と「コーゼーション」を行き来しながら戦略を組み立てる。これが「グランドデザイン思考」です。
イノベーションにおいて成功確率をあげるノウハウは正直いってありません。しかし失敗確率を下げることは可能です。効率的に効果的に打席に立つ回数を増やすことが重要です。
「グランドデザイン大全」は、この「グランドデザイン思考」に基づいて、徹底的に「実践」のノウハウにこだわって執筆しました。概念論や理想論だけでなく、具体的にステップ・バイ・ステップのガイドを示すことで、新規事業担当者が実際に自分のプロジェクトに導入することができるように意識しています。
これから新規事業に挑む新任の担当者にとっては「地図」をお渡しできると信じています。また、ある程度経験をした方であっても、事業創出のプロセスを改めて見直す良いきっかけになるでしょう。
発売は10月18日とまだ先ですが、ぜひお手に取って頂けたら幸いです。よろしくお願いします。