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巨大ミミズを見た!

新北市の南樹林から北に登った大棟山をハイキングしていた時に、日本では見たことのない巨大なミミズを発見しました。初め見たときは紐かと思ったのですが、ゆるゆると体をくねらせながら動く様子に、これはミミズなのだと気が付きました。

日本で見るミミズは全長10cmくらいまでなので、この大きさは僕にとっては驚きでした。そして、この大きさだったために、これはまるで動物の腸の様だと感じたのです。そこからまた想像が拡がって、このミミズという動物は、動物のとても原初的なあり方を示しているのではないかと考え始めました。動物が様々に発展していく過程で、この腸だけのような存在があるならば、これは哺乳類よりも魚類よりもさらに古い、ルーツのような動物なのではないか。

大棟山で見た巨大ミミズ

ミミズの歴史

上記のような妄想を抱いたので、ネットでミミズに関する歴史を調べてみました。

しかし、ミミズの身体に対する効用とか、土壌を豊かにすることについての紹介ページは沢山あるのですが、ミミズそのものの歴史や生物学上の位置づけについてのページはほとんどありませんでした。
そんな中、下記のページは軽くミミズは原初的な生物で、4億年ほど前には存在していたと説明しています。僕の考えたことはあながち間違いではない様です。

医学的に注目されているミミズの効用

進化の過程におけるミミズの位置

ミミズは、環形動物の一種と位置付けられている様です。Wikipediaの説明によると、ミミズは当初からこの様な形であったわけではなく、元々は地上に生息している、ゴカイの様な環形動物から進化をして、後に土の中に潜ったとのこと。
ですので、ミミズが原初的な動物であったとしても、進化の結果としてこの形になっている。別に腸の様なものが、そのままな形で生まれ出たということではない様です。

下の図によると、右側は脊椎動物の、左側は無脊椎動物の進化の過程を表しています。
ミミズは腔腸動物から扁形動物に進化し、その後に現れる環形動物の一種とのこと。そうすると、動物の腸の原型というわけではないのですね。もっとルーツにある腔腸動物から枝分かれして、脊椎動物への進化の過程で発展してきたのが、我々の腸だということのようです。

ミミズの形態の動物の腸は、基本的には異なった進化の過程を辿っていると考えた方が良さそうです。僕の巨大ミミズを見ての思い込みは、残念ですが間違っていました。

動物の進化

エディアカラ生物群の生き残り

古生物の学問の中で、ミミズに関するものは余り人気はない様です。これは推測ですが、ミミズの様な生き物の化石がほとんど得られないことが理由なのでしょう。

古生物の中で人気のあるのは、恐竜三葉虫など、化石としてその形が得られやすいものなのだと思います。サンプルがたくさん手に入るので、比較研究や分類がしやすい。形もとても具体的に分かる。
それに比べて、ミミズの形や構造では、化石を得るのはほぼ不可能に近い。古生物の中で先カンブリア紀のエディアカラ生物群の様々な軟体動物は、その大きさで柔らかい砂の上にその形の痕跡を残しています。そこからかろうじて、その大きさや形状を推測しているわけです。
しかし、ミミズの様な大きさと形の動物では、その化石を発見するのはほとんど不可能なのでしょう。それが理由で、古生物における話題でミミズのことを聞くことがほとんどないのだと思われます。

カンブリア紀の動物群が比較的硬い殻を持って身を守ることできるのに対して、ミミズの様な柔らかい体の表面を持つ動物は、それより以前の動物の在り方を残していて、それが進化の過程で生き残ったものなのでしょう。


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