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Step❺:目指すべき姿を明確にする(KSF)
〜むっちゃシンプルな戦略思考〜
Step❺ 目指すべき姿を明確にする(KSF)
“戦略策定の核は、目指すべき姿(KSF:Key Success Factor)を明確にすること”
▶︎目指すべき姿を明確にする必要性
戦略を考える際には、目指すべき姿(最終的な状態)を明確にすることは、とても重要です。
何故ならば、目指すべき姿(最終的な状態)が明確になっていないと、本来目指すべき方向とは異なる方向に向かう戦略になってしまったり、ゴールに届かない中途半端な戦略をつくってしまう可能性があるからです。
また、目指すべき姿(最終的な状態)が不明確だと、次のような問題も発生します:
方向性がばらばらになる:人によって異なる解釈が生まれ、一貫性のない戦略が実行されてしまう。
中途半端な結果に終わる:最終的なゴールが不明確なため、途中で達成感を得てしまい、本来の目標に到達できない。
つまり、戦略を実行する段階においても、目指すべき姿を明確にしておくことで、皆の方向性を揃え、最終ゴールの共通認識を持つことが可能となります。
したがって、戦略を検討する際には、戦略課題を明確にするだけでなく、その課題を解決した結果、どのような状態を最終的に目指すのかを具体的に定めることが極めて重要となってきます。
目指すべき姿を明確にすることで、戦略方向性が明確になり、そこを目指すための戦略をつくることができるのです。
言い換えると、目指すべき姿(最終的な状態)が明確でないと、効果的な戦略を作ることはできないといっても過言ではないです。
▶︎目指すべき姿をKSF(Key Success Factor)と再定義
一般的に、KSF(Key Success Factor)は「成功するために重要な要素」として理解されています。
しかし、この定義だけでは、最終的にどのような状態になれば成功といえるのかが不明確です。
例えば、「高品質な製品を提供すること」がKSFだとすると、具体的にどの程度の品質を目指すのか、さらにその要素を活かしてどのような状態を目指すのかが曖昧なままです。
このような曖昧さは、具体的な戦略やアクションプランを立てる際に困難が生じます。
そこで、KSFを単なる成功の要素ではなく、目指すべき姿(最終的な状態)として再定義させていただきます。
目指すべき姿をKSF(Key Success Factor)として再定義し、それを具体的に表現することで、単なる「成功するための重要な要素」を超えて、その要素を含めて最終的にどのような状態になればよいのかを明確にすることができます。
これにより、ただ単に「成功するための要素」を満たすだけの戦略ではなく、ゴールに向かって一貫して進められる戦略をつくることが可能となるのです。
なので、戦略策定の核は「目指すべき姿(KSF)」です。
この目指すべき姿(KSF)を明確にするために、これまでいろいろと分析してきたと考えていただいて問題ないです。
▶︎目指すべき姿(KSF)のポイント:目指すべき最終的な状態を明確にする
ここでのポイントは、最終的にどのような状態を目指すべきなのか具体的に言葉にすることです。
では、どのように目指すべき姿を具体化するのかですが、その際、鍵になるのがStep❹で明確にした戦略課題(KSI)です。
目指すべき姿を明確にするためには、戦略課題(KSI)から考えていきます。
戦略課題が解決されたとき、どのような状態が理想的かを考えます。
この理想的な状態が目指すべき姿となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1718760075856-ApodhcIipS.jpg?width=1200)
あらためて、目指すべき姿(KSF)を明確にする流れを次に示します。
戦略課題(KSI*)を特定する:
“Step❹ 戦略課題を明確にする(SWOT分析)” 参照
KSI*:戦略的に解決すべき重要な課題(Key Strategic Issue)理想の状態を描写する:
戦略課題(KSI)が解決されたときの、理想の状態を具体的に考えます。
このとき、できる限り具体的に描写します。漠然とした状態では、目指すべき姿そのものがぼやけてしまい、戦略自体がボケてしまいます。目指すべき姿(KSF)を言語化する:
この理想的な状態を言葉で具体的に表現します。
そうすることで、目指すべき姿がイメージではなく、より具体的に明確にすることができます。
目指すべき姿(KSF)を明確にせずに、戦略課題(KSI)だけから考えていくと、課題を解決する戦略を立案できると思いますが、最終的に達成したいゴールを達成することができるか、進むべき方向は本当に間違いないのか、疑問が残ってしまいます。
しかし、戦略課題(KSI)だけではなく、目指すべき姿(KSF)を明確にした上で、その両方から戦略を立案していくことで、戦略課題を解決するとともに、確実にゴールに向かう一貫性のある戦略を考えることができるのです。
また、目指すべき姿(KSF)を明確にすることで、戦略実行段階においても、組織全体がブレることなく同じ目標に向かって進むことができ、戦略の効果を最大化することにも繋がっていきます。