Step❻:戦略を具体化する(戦略)
〜むっちゃシンプルな戦略思考〜
Step❻ 戦略を具体化する(戦略)
“戦略を具体化する際のポイントは、目指すべき姿(KSF:Key Success Factor)を実現することができ、かつ戦略課題(KSI:Key Strategic Issue)を解決する戦略になっていること”
▶︎戦略思考の流れ(全体像)
まずは、戦略を考えるとき、どのように考えていけばいいのか、戦略思考の流れの全体像を整理させていただきます。
Step❶ 世の中の大きなトレンドを理解する(PEST分析)
ポイント:PESTのフレームワークを活用し、世の中の大きなトレンドを理解するとともに、そのことが自分たちの事業や仕事にどのような意味合いがあるかまで導き出す。
Step❷ 顧客を理解する(市場分析)
ポイント:顧客の真のニーズである顧客インサイトを明確にする。
Step❸ 敵と己を理解する(競合・自社分析)
ポイント:顧客インサイトを軸に、競合・自社の強み/弱みを相対的に理解するとともに、本質的な要因まで明確にする。
Step❹ 戦略課題を明確にする(SWOT分析→KSI)
ポイント:SWOTのフレームワークを活用し、戦略的に解決すべき重要な戦略課題(KSI:Key Strategic Issue)を明確にする。
Step❺ 目指すべき姿を明確にする(KSF)
ポイント:戦略課題を解決し、最終的にどのような状態を目指すのか、目指すべき姿(KSF:Key Success Factor)を明確にする。
Step❻ 戦略を具体化する(戦略)
ポイント:(後述)
目指すべき姿(KSF)を達成することができ、かつ戦略課題(KSI)を解決する戦略内容になっていること。
▶︎戦略策定のあるある
戦略思考プロセスの全体像は、上述の通りですが、最終的に戦略をつくっていく際に、陥りやすいケースをいくつか紹介させていただきます。
あるある事例⑴ やることありきで戦略を考えている
これまで一生懸命、さまざまな分析をしてきたのに、最終的に戦略を立てる段階で、自分のやりたいことや上司が気に入るような内容に寄せてしまうことがあります。
このようなアプローチでは、戦略が本来の目的を失い、効果的なものにはなりません。
重要なのは、対応策ありきではなく、ゼロベースで戦略を考えることです。
これまでの分析結果を踏まえ、本当に必要な対応策を一から考えることで、効果的な戦略をつくり上げることができます。
あるある事例⑵ 戦略に一貫性がない
戦略を考える際に、これまでの分析結果をもとに進めるものの、その分析結果と実際の戦略に一貫性が欠けることがあります。
この要因としては、これまでの分析結果を十分に理解せず、表面的にしか反映していないことや、戦略を考えていく思考プロセスが不明確であったり不十分なことが挙げられます。
なので、これまでの分析結果を深く理解し、しっかりとした戦略思考プロセスに沿って、戦略を考えていくことで、一貫性のある戦略をつくり上げることができます。
あるある事例⑶ 実現の可能性がない戦略
出来上がった戦略が、見た目は良くても実行性に欠ける内容になっていることがよくあります。
これは、自分たちのリソースや能力など、現実を考慮せずに、夢や理想だけを追い求めてつくってしまうことが要因と考えられます。
このような戦略は、結果として実行不可能となり、間違いなく絵に描いた餅に終わってしまいます。
戦略に落とし込む際に陥りやすいケースを紹介させていただきましたが、このようにならないためにも、次に紹介する「戦略策定のポイント」を意識して戦略を具体化していくことをお勧めします。
▶︎戦略策定のポイント:目指すべき姿(KSF)を実現できる戦略となっている
戦略を具体化する際のポイントは、目指すべき姿(KSF:Key Success Factor)を実現することができ、かつ戦略課題(KSI:Key Strategic Issue)を解決する戦略になっていること。
ポイント①:目指すべき姿(KSF:Key Success Factor)から考える
戦略を立てる際には、Step❺で明確にした目指すべき姿(KSF)から、具体的に考えていきます。
つまり、目指すべき姿(KSF)を実現するには、どうすべきかという感じで考えていきます。
ただ、Step❺で明確にした目指すべき姿(KSF)が具体的であれば、それを実現するための戦略を考えやすくなります。
ポイント②:戦略課題(KSI:Key Strategic Issue)を解決するための戦略を考える
同時に、Step❹で明確にした戦略課題(KSI)を解決するために、どうすべきかという視点でも戦略を考えていきます。
目指すべき姿を実現するためには、戦略課題(KSI)を解決することが重要となるので、この視点でも考える必要があります。
この際も、戦略課題(KSI)が明確であれば、それに対する解決策となる戦略を考えやすくなります。
ポイント③:つくった戦略を検証する
考えた戦略が、戦略課題(KSI)を解決し、目指すべき姿(KSF)を達成できるかどうかを逆方向からも検証します。
つまり、戦略が、本当に目指すべき姿を実現できるかどうかを確認します。
また、戦略が、本当に戦略課題を解決することができるのかも確認します。
このアプローチにより、戦略はより効果的で具体的なものとなります。
また、他にも、自社の状況も踏まえ実現性の高いものかという視点や、これまでの分析結果とも一貫性があるかという視点でも検証することで、より実行性が高く、納得感のある戦略となります。
これらのポイントを意識して戦略を具体化していくことで、前述のあるある事例に陥ることなく、戦略課題(KSI)を解決し、最終的に目指すべき姿(KSF)を実現する、実現性が高く一貫性のある戦略をつくり上げることが可能となります。
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