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決戦!〜Come back HAPPY㉓

前日に扉を閉めたときには私も見ていたので、
確かに上下ともに扉の仕掛けはかかっていたと思うも、
100%そうかと思えば迷いもありました。
内側から強い力で押しても開かないという確信もありません。
むしろ、無理やり扉の下をくぐって出たような毛のつき方を思えば、
後者なのでしょうが、そこを詮索してみても今は仕方ありません。

内側からの強い力でこの下の仕掛けを外された?

「ぱっつんが逃げた」
ということは、ぱっつんが現れれば、
せっかくHAPPYの現れる時間が長くなってきたのに、
また引きこもる時間が長くなる可能性もあります。

そのため、もう一度、ぱっつん捕獲も視野に入れることとなりました。

カズさんの言葉で皆がまた同じ方向を目指します。
「マイナスを考えるとそれを引き寄せてしまうのでいつも通り頑張りましょ👍」

「どう頑張っても無理なこともありますが、
それでも出来ないと嘆くより少しでも可能性があるなら
頑張り続ける方が僕は好きなんです👍
信じること大事です👍」

そこに大林さんがさらにエールを送ってくださいます。
「やれる事を悔いのないようにです!
絶対報われます」

そしてカズさんがさらに皆を鼓舞します。
「失敗しても続けましょー!
今日はダメでも、また明日!
ハッピーは目の前で生きてるんだから👍」

そうです。私達は毎日HAPPYをこの目で見ているのです。
ここで頑張らなくては。

ただ、あとから「実はあの日」という話で知ったのですが、
この日はわーこさんは39度近くの熱を出しながら仕事をしていたのです。
そして、夜はHAPPYの捕獲作戦に参加。。。

この日は、車庫のシャッターの内側すぐのところに、
カズさんがダンボールに身を隠し、
HAPPYが奥のご飯を食べに入ったら内側からシャッターを閉める作戦です。

もちろん、本番は猫が通れるちょうどのすき間くらいまでシャッターを閉めます


わーこさんが、動物病院からまっすぐこちらに戻ってきて
20時16分、私が
「全員配置につきました」
と打ったのとほぼ同時。
学校坂の仕掛け横にいるわーこさんから
「いた!」
「車庫裏」

今夜は満月の力を借りてHAPPYは絶対捕まえる!

皆の気力がここらへん一体をオーラとなって包み込むようです。

この皆の期待に挑戦するかのように、
あちらへこちらへとHAPPYが出ずっぱりで歩き回ります。

「満月とHAPPY」絵的には最高なのですが。。。


シャッターの真下からカズさんのダンボールを覗いていたり、
坂の仕掛け横から、車や仕掛けを覗き込んだり、
玄関の置き餌に興味を示したり、
一つ一つのHAPPYの動きや、皆のやり取りを書き出したら、
この夜の分だけで4回くらいは続けられそうです。

それでは、それだけ姿を見せているのにどうして捕まえられないのか。

それは、「出て歩こう」というHAPPYの決心と同じくらい、
HAPPY自身もまた緊張感をみなぎらせていたからでしょう。

シャッターに入り込みそうになるたび
坂の仕掛けに入りそうになるたび
玄関に入りそうになるたび
どうしてこんなにも同じタイミングで
と思うほど国道を車が通ります。
そのたびに、また出直すHAPPY。

いつも以上に神経質になり、慎重になりながらも
きっとお腹を満たしたい思いで必死なのでしょう。
何度も何度もご飯の置き場所に戻ってくるHAPPY。

その姿にかわいそうになって、
「ここで捕まりさえしてくれたら」
という思いと同時に
「今日はもういいからゆっくり全部食べていいよ」
と言い出したい気持ちをぐっと飲み込みます。

ちょっと姿が見えなくなったすきに
「トイレに行きたい」
とLINEに文字が流れるとほとんど同時に
「きた」
「我慢しましょう」
というくらい連続して姿を現すHAPPY。

こんなやり取りが、4時間近く続きました。

2023年7月4日(火)

日付が変わる前、少しの間姿を消したHAPPY。

しかし、0時8分

「いた」

再び緊張感が戻ります。

「決戦!」

カズさんの宣戦布告で皆の集中力が作戦を始めた頃のように戻ります。

HAPPYは、今度は玄関から回って、
家の自分が出た窓(開けてない)、ベランダを念入りに見回ります。
ここは、中の置き餌しかないので、
HAPPYが自分から入ってもらうのを待つしかないところ。

しかし、わーこさんのバケたんが先程から赤く光り続け
家の中からは、誰もいないはずなのに音がする。
何かの嫌がらせ?
HAPPYを入らせないようにしている何かがいる?
(ここは後日談で重要なところになります)

とりあえず、家の音は、虫が窓に当たってる音だと思うことにして
HAPPYの動きに集中します。

1時ころ、姿が見えなくなって
「そろそろ」と言い出しかけたところに
「ベランダにきてる!」
「暗くて姿は見えない」

1時15分 「キツネだ」

キツネが現れたらしばらく望みはありません。
ここでおしまいにしようと思ったその時。

「日付けかわって今日ですが、僕仕事終わったら行けますよ」

なんと「元アニマルサーチ絆」大林さんが、
これだけHAPPYを目の前にしていて捕まらないことに我慢できなくなったようです。

車でおよそ4時間かかる距離を、
仕事が終わってから来てくださることになったのです。


続く





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