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逃げた!〜Come back HAPPY①
2018年の夏も間近という日。
当時住んでいた住宅のベランダに、生後8か月程の野良猫が現れたのが人生の節目となりました。
それから家猫生活が始まったHAPPY。
(その詳細については後日ゆっくりと)
人が食べるものを欲しがったり、高いところに上って物を落とすなど、いわゆるいたずらをすることもなく、遊び好きでツンデレではあるけれど、いわゆるいい子でした。
この子は絶対大丈夫。
この子なら絶対安心。
そう、完全に慢心しきっていたんです。
ペットを飼っていて絶対など、あり得ないのに。
そんなHAPPYが、家から逃亡し、捕獲に成功するまでの1カ月を綴ることで、これが迷子猫捜索の際の参考となってくれたら幸いです。
2023 年6月10日(土)
いつもと同じように、私のベッド横の窓枠に上がって、網戸越しに外を眺めていたHAPPY。
午後2時半頃、たまたまその近くで刈り払い機で草刈りが始まったので、小石が飛んで来ないように、HAPPYが座るところの窓を一枚閉めようと手を伸ばそうとした時。
ガタン!
と、音をたてて網戸が外れ、地面に落下したのです。
「あれ?HAPPY?」
すぐにベッドの脇を見回しても、窓から外を見てもHAPPYの姿はありませんでした。
すぐに妻にも声をかけ、家の外を探し回ります。
「さっき向かい側の家の方に白い物が走っていったような気がした。」
これが、HAPPYが逃げた瞬間を知らずに外にいた妻からの、唯一の情報でした。
我が家は、とても小さな田舎町で、ここら辺は家よりも水田や畑、雑木林などの自然が目立つ所です。
家も、目の前の国道沿いにまばらですが数件建っています。
そして我が家の目の前には、国道を挟んで昨年の3月に閉校したばかりの小学校が、防災時の避難場所とするためでしょうか。緩い坂の上の高台になるように建っています。
小学校のグラウンドは、雑木林、というより森?が隣接し、HAPPYが向かった家の先には、その森に向かう獣道ができています。
一通り探し回っても姿は見えません。
「あの森に入られたらどうしようもないな」
自分たちだけで探すのには限界があると思い、その足でこの町の駐在所に駆け込み、理由を説明して捜査協力のお願いをしました。
保健所に連絡が行くとは、この町では考えられないのでここでは見送っています。
その代わり、この町の保護猫ボランティア団体である、「ソラネコせたな」さんの代表に、藁にもすがる思いで電話をしてみました。
ここの電話は、我が家の近くにある、自宅の牧場の牛が絞った生乳を使ってヨーグルトを作り販売している、「よーぐると工房Baw」さんのユカさんに教えていただきました。実は、ここの方も「ソラネコせたな」さんのボランティア仲間なのです。
電話をすると、すぐに普段持ち歩いている携帯番号を教えていただき、そちらから連絡を取り直していただきました。
代表のわーこさんは、副代表のご主人カズさんとともに団体を運営しており、事情を聞くと、驚くことにすぐに
「ちょっと後から見に行っていいですか?」
と、言ってくださったのです。
後から知ったのですが、迷子猫の場合、どれだけ早く動き出せるかが肝心なのだそうです。
今では、そんな当たり前のことも知らずに、
「急な話なのに、そんなすぐに来ていただくなんて申し訳ない」
と思う私はいかに甘い考えだったかと、恥ずかしい気持ちです。
だって、いくら田舎道とはいえ、途中に信号は二つしかないけれど、車で20分以上はかかる距離ですから。
それでも、2回目に
「後で見に行きます」
の言葉に素直にお願いすることにしたのでした。
続く