見つけた!〜Come back HAPPY③
5年も猫を飼っていても、外猫の知識など皆無の自分。猫は一日中うろつき回っていると思ったら、主に夕方から深夜にかけてと、明け方近辺によく現れるらしいとお聞きしました。
でも、うちの周りによく来る野良猫(通称ぱっつん)は日中でも関係なく来てたような。。。
かなりあとになってからわかるのですが、うちの子HAPPYは、見事にこれにあてはまっていました。
前回のお話と重なりますが、
「少し薄暗くなってからの方が探しやすいから」
ということで陽が落ちかけた頃、ボランティアさん数人とともに駆けつけてくれた「ソラネコせたな」さん。
見回る範囲が重ならないように、それぞれ別ルートで歩き回りますが、それでも地形的に見る範囲は限られています。
それぞれに家庭の事情もあるボランティアさんは先に帰られましたが(それでもかなり遅い時間まで探してくださいました)、わーこさんとカズさんは、23時過ぎまで家から半径150から200メートルくらいの範囲を何度も何度も探し回ってくださいました。
「夜だと目に懐中電灯の光が反射してわかりやすいんですよ」
と念入りに猫が入り込みやすそうなところを探しましたが、姿どころか懐中電灯に反射する目の光も見当たらずにこの日の捜索は諦めることとしました。
キツネが近くで鳴き出したので、これなら出て来れないだろうと。
2023年6月11日(日)
明け方近辺に歩くらしいので、空が明るくなり始めた頃からまた歩いてみますが、いくら歩いても小動物の姿は見当たりません
とりあえず「迷い猫捜索のお願い」のチラシを作って、地元の新聞販売店に持参してみました。
「翌日の月曜日が休刊日なので、火曜日の朝刊に入れてあげるよ。」
とすぐに快諾していただくことができました。
しかし、このときには、
「火曜日ならもう帰ってきてるかも」
なんて、まだのんきに考える余裕もあったのです。
その日の夕方、あてもなく歩き回っていると妻から携帯が。
日中に連絡がつきやすいようにチラシには妻の携帯番号を載せていたため、駐在さんから妻に電話があったのです。
我が家の迎え側にある学校の、玄関に上る階段を囲む壁と校舎の隙間に大きな葉に隠れた猫の姿が見えると。
急いで駆けつけると、駐在さんと妻がその隙間の前に立っています。
その隙間は、人が横を向いて通ることができるほどの幅。
そこに大きなイタドリの葉の下に、胸から足元にかけてしか見えないけれども、その白い毛並みはHAPPYによく似ています。
ちゃんと顔を確かめようと壁の内側から、隠れた後ろ側を見ようと近づいて、上から見下ろそうとした瞬間。
隙間の入口にいた二人の隙間を縫うようにジャンプし、逃げるハHAPPY。
必死に逃げる猫が生い茂った雑草の中に入り込んでしまったらもう探しようがありません。
前日にもわーこさんやカズさんに言われていたことです。
逃げた猫を見つけた時、上から覗くというのは絶対にしてはいけない。
猫の視線かそれよりも低い位置に身を構えて近づくのが鉄則。
声も出さずに、上から急に覗かれたら、逃げる気がなくとも驚くのは当たり前です。
このあと、その日の報告も兼ねて、わーこさんと打ち合わせ、明日からは今日ハッピーがいたところを含めて、捕獲器を2台設置してみることにしました。
その夜も、近所を歩いていると学校への坂を上がる車が一台。
昨夜のボランティアさんが一人、HAPPYがもう一度学校に姿を現さないかと探しに来てくださったのです。
車のエンジンを止め、真っ暗な校舎の方をじっと眺めています。
わが子のために来てくださっているのにご挨拶にいかないわけにはいきません
そしたらなんと、ここに来る途中で、妊娠している捨て猫を拾って来たと。
何とも愛らしい顔をした猫。
国道の真ん中を歩いていたので、車をとめて声をかけると自分から乗ってきたのだと。なんとも人馴れした猫です。
おそらく妊娠したために捨てられたのでしょう。後にわかったのですが、この猫は何度も出産経験があり、現在お腹に8匹の胎児を抱えているため、両方に命の危険があると。。。。
この子は、「ソラネコせたな」でコハクと名付けられて保護され、しばらくして無事に優しい家族のもとで飼われることとなりました。
ただし、この日はそんな後日談になるとは夢にも思わず、この子の幸せを願って、「探すのは自分たちでするから」と、お礼を述べて猫を早く休ませてあげられるよう、ボランティアの方にはお引取り願ったのでした。
続く
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