子育ては夫婦だけの仕事ではない
私は今34歳で夫婦で5歳の息子と2歳の娘を育てている(ちなみに第三子も近々出産予定)。
仕事はエンジニアで割りとホワイトな仕事で残業はあまりないのだが、正直仕事と子育てで自由な時間はほぼない。
自己投資や副業のための時間を確保するためにも妻と何度も話し合いをしたのだが、価値観の違いで平行線になってしまう。
私は「子育ては夫婦だけでするのはそもそも無理があるから、親や周囲のサポートを積極的に受けるべき」と考えている。
一方、妻は「まずは夫婦で子育てに向き合うべき」という考えで周囲のサポートを受けるのに消極的である。
子育てを夫婦だけですべきではない3つの理由
①共働きでないと子供を養うことができない(お金)
日本は少子高齢化が進んでおり、高齢者の医療費や年金を支給するために現役世代の税負担は増える一方である。人口ピラミッド的にも現役世代よりも高齢者の数が多く、投票率も高い高齢者の声が政治に強く反映されるシルバー民主主義と言われる状況は当分続きそうである。
そんな状況では一部のエリートサラリーマンを除き、子育てをするのに十分な収入を一人で得ることは難しいだろう。日本のサラリーマンの平均年収は461万円であり、夫のみの収入で子育てをするのは非常に厳しい。私の年収は700万円で手取りは550万円ほど、妻は個人事業を行っているが初年度ということもあり50万円ほどの赤字になる見通しだ。
まだ子供は小学校に入っておらず、お金はそれほどかからないが、今の収入で大学まで3人通わせることは非常に苦しい家計になりそうだ。
②仕事と育児に長期間忙殺されると親が倒れる(体力)
フルタイムで働きながら、小さい子供たちの面倒をみるのは体力的に至難のわざだ。よほど要領のよい一部の人間はこなすことができるかもしれないが、一人では到底できない。夫婦のどちらかが残業ともなれば、ワンオペとなり育児は修羅場と化す。そうなれば、結局身体的にも精神的にも限界を迎え、仕事をやめざるをえない環境に追い込まれる。
そうならないためにも早い段階で育児を夫婦だけの仕事という先入観を捨て去り、積極的に両親などの周囲のサポートが得られるように協力を仰ぐ必要がある。
我が家も長男を保育園に通わせたときに自分が朝保育園に送っていき、妻が保育園の迎えをするという形で分担してやったが、それでも1年ともたなかった。当時は自分たちでなんとかしないといけないと考えて、妻が仕事をやめる選択をしたが、そうなる前に親のサポートを真剣に要請するべきだったと思っている。
③親と子供の距離を適切に保つことができる(子供を守る)
核家族で子供を育てるデメリットとしては、親と子供の距離が近くなりすぎることだと思う。どうしても物理的に長時間親と子供だけで生活をしていると、親は子供を自分の所有物だと勘違いし、子供は親の顔色を伺うようになる。そういう環境で親の問題行動に日常的にさらされていると、比較対象がないために子供は親の行動を間違っていると認識できない恐れがある。
毒親から子供を守るという意味でも、核家族ではなく、3世代家族のほうがよい。
また、ホモ・サピエンスは自分の子供の育児を他人に委ねられるという特徴が備わっている。高齢になった祖父母は働くことは難しくても育児経験が豊富のため、孫の面倒を積極的に見てもらうことはできる。そして、孫の面倒をみることは祖父母にとっても喜びとなる場合も多く、受け入れやすいのではないだろうか。
私の親世代はまだまだ専業主婦だった人も多く、子供は親だけが面倒をみるものと考える人も多い。必然的にそういう親から教育を受けた我々30代も同じように仕事や育児にフルコミットした結果、体を壊したり、壊さなくても余裕のない時間を送っている人が多いのではないだろうか。私もその一人であるが、少しでも子育ては親だけがするものではなく、祖父母や社会全体で行うという認識が広まってくれることを願う。
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