貴様は、俺に近づくことはできても触れることすら叶わない
「FUCK YOU!!」(フレディ・マーキュリー似の大男)
「OK! Fuck me!!」(ズボンとパンツを、膝下まで0.8秒でズリ下げる俺)
どうも。
日常英会話なら任せて欲しい。
イテテ…。(行間を読むことも覚えた方が良いと思います)
「ナメた恰好しやがって!このお方を誰だと思ってやがる! 北校の龍二さんだぞ!」
ん~?(リスのように、小首を傾げる)
「サブッ! そいつはえぇんじゃあ!」
「え? でも…龍二さんそれじゃあ『しめし』ってもんが!」
龍ちゃん?(つぶらな瞳で)
「お…おう、ヒロユ。久しぶりじゃのう」
「り…龍ちゃん~?」
「サブ! お前は先に行っとけ!」
「はははい! 龍二さんスイマセンっス押忍!」
龍ちゃん、どうしたの?
「ヒロユ! お前は無防備過ぎじゃ! そんな恰好で歩き回るなんて!」
だってぇ。コレしか服、持ってないし…。(「しょぼ~ん」)
「この街は不良どもの巣窟なんじゃ! わしも、いつだって守れる訳じゃないんじゃ!」
だってぇ、この通りは近道だしぃ。
「ダメったらダメじゃ!」
龍ちゃん恐~い☆(両手を口許に当てて、うるうる瞳)
「はぅ! スマンかった大声を出したりして…。じゃが、わしはお前のことを心配してじゃな…」
うん、分かった☆龍ちゃん心配してくれてるんだもんね。言うこと聞くよ。
「おぉ! そうか!」
龍ちゃん。心配してくれて…ありがとね。
「あ…あぁ。と、ところでヒロユ」
ん?
「似合っとるぞ…。その、バニースーツ」(真っ赤)
ありがとっ! 龍ちゃん!(無垢な満面の笑み)
どうも。
中高一貫男子校で六年間、俺だけ制服はバニースーツだったキタナカです。
「耳をびょんびょん」、「尻尾をぴこぴこ」。
愛嬌タップリだったと、横浜(ハマ)で評判です。
閑話休題。
えと。
最近の興味は、自転車が中心です。
カタログを眺めてニヤニヤ笑ったり。
自転車の展示試乗会へ足を運んで、50万円オーバーの自転車に試乗したり。
いやはや。
中々にして楽しい。
身体を動かす趣味ってのは良いもんだね。
なんかこう、ね。
ヲタ中心で生きてきた今までの人生が阿呆らしk…。
「キタナカのバカ~ッッ!」
おふぅ! めくら滅法パンチが金的にクリティカルだぜ、セニョリータ…。
「うわぁぁん!」(俺の胸元を「ぽかすか」)
ちょちょ! 落ち着け! ってか、誰だおまいは?
「キタナカなんか、カーボンフレーム買った日に落車すればいいんだ~!」
さりげなく、凄っげぇショッキングなコト願うなっ!
「私とは遊びだったのね!?」
をい! 初対面なのに、誤解を招くような発言はやめいっ!
「誤解も六階もあるかぁぁ!」
使いかた間違えてるし…。とにかく落ち着けっての!(怪しげな注射器を懐から出す)
ぷすっ。
「きゅう…」
「…ん」
おう、目が覚めたか。
「こにょ馬鹿キタニャカ~。はれ? ろれるが回らにゃいろ?」
クスリが、まだ効いてるんだろ? もう少し横んなってろ。
「ん…」(「こくり」)
「キタニャカはさ。最近読んだ漫画はなんらの?」
唐突だな? う~ん、「僕の小規模な生活」かなぁ。
「最近観たアニメは?」
ウェブで「ウサビッチ」かな?
「最近やったゲームは?」
「バイオハザード4」を買ったけど、包装すら開けてない。
「うわぁん! やっぱりキタナカが、『普通の人』になってるよぅ!」
失礼な奴だな! 俺は元々、普通の人間だっつの!
「キタナカは『お姉さんメイド』とか、『幼馴染ちゃん』とか『病弱ちゃん』。覚えてる?」
あ…あぁ。
「彼女たちは最近、日記に出てこないよね?」
まぁ、な。
「私たちは、きっとキタナカの中で忘れ去られていくんだよね?」
そ…そんなことはないぞ!
「ん~ん、分かってるの…。それが私たちに与えられた役割なんだって」
え?
「キタナカが不安定になった時に、脳内で生成される人格、それが私たち。
それはストレス下におけるキタナカの望む形。
…そう、漫画やアニメのキャラクターを原形として、キタナカとコミュニケーションをとる。
そうやって、私たちは『生まれた』の。
だから。
キタナカが安定すれば『私たちは必要ないもの』になるのは、しようがないこと。
だって。私たちはその時、存在意義(レーゾンデートル)を失うんだもの。
分かってはいたんだけどね、はは。
みんなは『喜ばしいことだ』なんて言って、自分が消えることを受け入れようとしてる。
でも、私は許せなかった…。
あ、そうだ。
自己紹介してなかったね。
私は『ツッコミ君1号』の類型、『ツッコミちゃん』。
キタナカは、安定した日常生活を送っていても自分ツッコミはやめてなかったから…。
でも、ちょっと無理したから…。
そろそろ、この身体を留めてられるタイムリミット…みたい。
ねぇ、キタナカ…。
時々でいいから。
『私たち』のコト。
思い出してくれると嬉しいな。
『私たち』はいつだってキタナカと一緒にいたし、みんな…キタナカのこと大好きだったから。
ありがと、そしてさよな…」
イヤだ!
俺は、お前らを忘れたりしないし、これからだって一緒だ!
俺、エロゲもやるよ!
ヲタ漫画も読む!
アニメのチェックも欠かさない!
だから…。
だから、「さよなら」なんて言うなよ!
…。
……なんてさ。
こんな感じのことを、「良い話」チックに書いとけば。
俺がエロゲを買っても、世間に許されたりするんじゃないでしょうか?
ヲタ漫画を買っても許されるんじゃないでしょうか?
違いますか?
違いますかね!
――間違えていないところを探す方が難しい。