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今までパッとしなかったベテランボカロPは、今後も注目されない?
ボカロP活動を始めて11年を過ぎました。出だしからのんびりやっていたこともあり、大きく評価されたことはありません。もしかしたらこれから先もずっとこのままなのでしょうか。
今日は本当にどうでもいいエッセイを書いていきます。
今までパッとしなかったベテランが注目・評価されない理由
あくまで他人視点での話です。本人の努力とは一切関係がありません。
新鮮さに欠ける
長い間作っていると作風が確立されてしまうため、たとえチャレンジや大きく実力を伸ばしても、見ている側からするとインパクトに欠けるきらいがあります。
ルーキーに注目が集まるのは、未知の可能性や斬新味を感じるから。
そのため、ちょっとした斬新なアイデアや行動が評価に直結するルーキーに比べ、ベテランは注目や評価までの敷居の高さの点で不利といえます。
世界は世代交代を望んでいる
これはもっともな話です。リスナーも世代交代が進んでいます。トレンドはどんどん移り変わり、見たいものもどんどん変わっていきます。ロートルが目立ちにくくなるのはそういった事情があります。
確立したイメージがインパクトの足を引っ張る
「その人らしさ」というのは作り手だけでなく、リスナー側も感じています。斬新なアイデアも「その人らしい」と受け取られれれば、あまり大きなインパクトになりません。
期待値の高さの違い
言い過ぎかもしれませんが、ベテランには当たり前のように高い期待値が設定されるもの。ルーキーの10倍の出来を果たしたとしても「出来て当然」と見做される可能性があるかもしれません。
ブレイクスルーのきっかけは?
こうした評価の困難を抱えるベテランが考えられるブレイクスルーのきっかけには、次のようなものがあると思います。これらはただ漫然と過ごしていたら難しい部分はありますが、何かを見据えてコツコツやっている人にはあり得そうな可能性です。
独自性のある新しい価値の確立
中長期的に取り組んでいる探究が、新しい価値を提供した場合です。あくまでも過去から継続的に何かを目指して取り組んできた場合に限ります。
これが同時代を生きるリスナーが求めるものに寄り添い、新しい視点を与えるものだった場合は、注目される可能性がありそうです。
みるくかふぇがコツコツ取り組んでいるのは、人間の内面にある美しさや強さの表現や、メタルやロック、ポップといった複数の音楽の融合でしょうか。そういった表現したいものが求めている人に届く作風を絶えず模索しています。
タイミング・運
周りをよく見ている人にだけ掴めるものだと思います。「今が手持ちのカードを使うタイミングだ」と分かれば、すでに準備が出来上がっているのですからタイミングよく成果を投入できます。
これは僕がかなり苦手な分野ですね。「すぐ取り掛かる」や「周りを見ている」ができていないため、目の前のチャンスを見過ごしガチだったり、チャンスに見合う実力が足りていなかったりします。
シンデレラは突然チャンスがやってきた舞踏会で、礼儀作法も踊りも完璧にこなしました。こういった変化は、魔法でもない限りは難しいかもしれません。備えがなければ成し得ないこともたくさんあると思います。
遠回りした地点からの評価の逆輸入
たとえば評価されなかった間に、国外での活動やニッチな分野での活動に取り組みで評価を得た場合、それを元に本来の主戦場で逆輸入で評価され始めることがあります。
ボカロPも今や動画サイトだけではなく、ゲーム音楽の世界やvTuberとのコラボレーションや、昔からあるマルチメディア展開など、多方面に活動の場所を求めて挑戦をしています。また活動者達のハブとなって活躍の場を見出し、注目を集める人もいたりします。
僕の場合は(道半ばですが)海外に対する何年もの継続的な取り組みでしょうか。もちろん、国内のボカロP達が当たり前のように海外進出を果たすようになった場合は、そこでの成功も難しくなります。レッドオーシャンを嫌う場合は、活動の舞台に複数心当たりを持っておく必要があるかもしれません。
周囲からの後押し
時間をかけてコツコツ積み上げた実績や人間関係に押されて、表舞台に引っ張り出されるようなきっかけがあるかもしれません。
「ボカロP活動はコミュニケーションが大半である」というのは、ある意味真実な気がしています。お互いの作品を評価し合ったり、意見交換をしたり、他者の良いと思った作品をフォロワーに紹介したりといった活動をしているうちに、思わぬつながりから自分1人で行けなかった場所へ連れて行かれることもあります。
僕の場合はまだ後押しをされるといった経験はありませんが、繋がった人からまた別の人を紹介してもらえることは多々あります。そうした人の活動や考え方を知る機会も、また今後の活動幅につながるきっかけになると考えています。
必要なマインドセット
心がけの話です。実際の行動に置き換えた場合、何が正解かは人によって異なります。
長期視点
短期の成功・不成功で自身を評価するのではなく、自分の種蒔きの時期をきちんと認識することが大事だと思います。これは何年かかるかわかりません。
あまり作品を観てもらえない時期はあると思います。今の僕がそうです。ですが、それは長い間活動する中でのほんの1年や2年の間の出来事です(プロであると1〜2年の不調は命取りになるところですが)。
継続性
「最後に残っていたものが勝者だ」という考え方があります。あと1回挑戦すれば叶ったかもしれない可能性もあると思います。
習慣的にトレーニングや学び・アウトプットを続けるだけの忍耐力が、最後まで生き残る可能性を高めます。
自己成長へのこだわり
他人を評価軸にすると、どんどん遠ざかっていく背中と自分を比べてしまい、自分の成長を実感できません。
定期的に自分の取り組みと成果を棚卸しし、以前の自分をどれだけ越えたかを基準に、自分の取り組みが足りているか足りてないかを評価する方がはるかに有益です。
柔軟性と適応
戦術はいつでも変えられるようにしておいた方がいいです。
環境や時代が変わったらよく研究をする、やり方が通用しないと思ったらやり方を変える、といった視点はいつも持っていた方がいいです。「あえてやり方を変えない」というのは、その先にあるアクションです。
まずは研究と対応策の検討はしてみる価値があります。
転んでもタダでは起きない
失敗や批判の分析は必要です。その結果、とるに足らないものは捨て置きます。
ただ克服すれば有用な失敗や批判はあると思います。そこを重点的に対策する必要はあります。研究不足なのか、ターゲットにアプローチできていないのか、表現が今の時代には受け入れがたいものなのか。
3割の改善で7割の成果が上がるポイントを見つける機会が、失敗や批判だと思います。
自分のペースや価値を信じる
他者のペースや価値観に振り回されると「自分は何をしたかったのだろう」となることが多いです。自分の価値を作れるのは自分だけなので、そこがぶれてしまうと何もできなくなります。
周りに焦らされて今日明日の成功にこだわってしまうと、積み上げるはずの力を得る機会を逃すことになります。
日々の取り組みを続けつつ、「ここだ!」というカードを切る機会を待つようにしておいた方が良いと思います。
信頼関係の構築
ボカロPは1人で作品を作ることは多いですが、信頼関係なしには新しいチャレンジや袋小路の先には進めません。
他者の視点に聞く耳を持つ姿勢や、協力をしたり機会を提供するといった取り組みを通して、新しい可能性を得ることもできるはずです。
成功を分かち合う
数字ばかり見ていると気がつきませんが、道半ばの時には必ず支持してくれている人や協力者がいます。
折々でそして成功の時には必ず感謝を伝える、また境遇が厳しい時にも「誰も認めてくれない」と勘違いしないように取り組んでいく必要があります。
独りよがりな人間を応援しようとする人間はいませんので。
まとめ
取り留めのないことをつらつら書きました。具体的にどういうことなのかは一人一人の状況や立場によって違うと思います。
ただ、「結果が出るまでの間に自己を磨き続けること」と「周囲や環境を柔軟に受け入れる姿勢」なしには、成果を出す最低条件さえ揃いません。それだけベテランって厳しい条件下に居るんだ……、なんてことを考えながら日々を過ごしています。
それでは。
執筆者プロフィール
メタル&ロック系ボカロ曲制作者。人の内なる成長や希望を、メタルやロックをベースとした音楽で表現することを目指しています。
2013年活動開始、みるくかふぇ名義で約80曲を発表している。