サブスク配信代行業者移行、その後
以前に配信代行業者の乗り換えを検討している記事を書きました。現在、2作品の移行が終わっており、記事掲載後の話をしたいと思います。
懸念点はどうなったのか?
今まで、既存10作品をTuneCore Japanに配信依頼をしていましたが、そのうち下記の2作品をクリプトン・フューチャー・メディアが運営するROUTER.FMへと移行しています。また今月29日にもさらに1作品がROUTER.FM経由での公開に変わります。
前回挙げていた移行後の懸念点は下記でした。
異なるアーティストまたはタイトルとして登録される可能性
その場合、元の配信代行業者からリリースされていた方のタイトルが消える。
消えた場合、リスナーがスマホの音楽アプリやプレイリストに登録していた楽曲が消える
リスナーは新しい配信代行業者の方のタイトルをスマホに再度登録する必要がある
異なるアーティストまたはタイトルとして登録される可能性
現時点では異なるアーティストとして登録されることは発生していません。その一方でタイトルは別物として扱われました。
念の為、旧代行業者からの配信停止前に新業者からの配信を始めるようにしてみましたが、配信サービス上では同じタイトルが2つ並んでいます。
このアルバムはISRC番号を持っているわけでもなかった点と、配信時期が被ったなどの理由でサービス側も別URLとして配信する判断をしたとのことなのでしょうか。配信が停止されて以降に新業者から配信した場合も気になりますが、実際のところはどうなるかわかりません。
元の配信代行業者からリリースされていた方のタイトルが消える / リスナーがスマホの音楽アプリやプレイリストに登録していた楽曲が消える
これは実験してみました。前もって旧代行業者の作品をApple Music及びAmazon Musicアプリに登録し、旧代行業者からの配信停止後の動作を見てみました。アプリから登録が消えるわけではないですが、再生ができなくなっています。
この状態ではアプリ側に登録が残ってしまうので、ライブラリから削除するしかありませんでした(ライブラリの削除時には当然ですが、プレイリストからも曲が削除されます)。
これは割とアーティスト側、リスナー側共に痛手な気がします。配信代行業者の乗り換えは例は多いものの、サービスの仕組み上考慮されているわけではないケースの可能性も高いので、仕方ありませんね。
リスナーは新しい配信代行業者の方のタイトルをスマホに再度登録する必要がある
登録済みの作品の再生ができなくなる件については仕方ないので、再告知をするようにしています。とはいえ、どの程度の人が僕のアカウントを常時見ているのかも分からないので、効果のほどは疑問だったりします。
また気休め程度ですが、Twitterのプロフィールからリンクを貼ってあるLitLinkを整理し、アルバムごとに配信先まとめページへのリンクをまとめるようにしました。これで配信代行業者の変更後に探しているアルバムを見つけやすくなるかもしれません。
[余談] 乗り換えで苦労した点
ここからは余談です。いくつか当初想定していなかった点にほんの少し振り回されました。
新業者の配信登録インターフェースについて
2つ気になる点がありました。1つ目は提携外ボーカロイドキャラクターをFeaturing Aritistとして扱えない点。
基本、合成音声キャラクターは提携先の権利会社にVOCALOIDライセンス使用料が配信代行業者から支払われるのが通例です。ROUTER.FMもそのようになっており、使用キャラクターを登録するようになっています。
ただし、この登録が配信先のFeaturing Aritistの登録欄も兼ねており、ROUTER.FMと提携が行われていないキャラクターについては登録ができません。また別途用意されているアーティスト名欄は、楽曲配信されるアーティスト名本人の名義を記載する(VOCALOIDキャラクター名を記載しない)ルールでした。僕の場合v_flowerが未提携のため、flowerの名前を表記する手段がありませんでした。
この件についてはROUTER.FMのサポートに問い合わせをしてみたのですが、取り合ってもらえませんでした。
v_flowerのライセンス料については僕個人で権利元に個別に支払っているので問題ありません。ですが他のキャラクターとのデュエットの場合にflowerのみ表記から外れる可能性があり、あまりいい気分はしていません。
幸い同じ声を用いられて作られたキャラクターであるCi flowerは今後提携先に加わる可能性がありそう(いくつかの配信代行業者とは提携済み)なので、提携済みキャラクターと未提携のv_flowerが混在する曲の配信の場合は、(リスナー側の混乱を避けるために)最悪その場合のみボーカルをCi flowerに差し替える検討も必要かもしれません。
もう1つは、リリース日の記載と配信開始日が区別されていない点です。
ROUTER.FMではリリース日と配信開始日を同じ物として扱うようです。そのため、過去にCD等で販売していた作品なども配信開始日のリリースとして扱われます。
気の利いた配信先であれば、Copyrightの年表記を確認して正しいリリース年度を設定してくれているみたいですが、この辺の気の利かせ方は担当者次第なので最初から諦めておいたほうが良さそうです。
旧業者の更新手数料の引き落としについて
TuneCore Japanとの契約では、契約期限の1ヶ月に更新意思の有無を確認してきます。基本、その際に更新せずに配信を終了する旨を伝えると、末日をもって配信が停止されます。
ですが、次年度更新料に関しては与信確認のために、契約期限の2ヶ月前にクレジットカード会社に更新費用の与信枠を確保するようにTuneCore Japanから要請が行きます。クレジットカードの場合は一旦与信枠が確保され、それを超えるカードの使用ができない措置が取られます。
これ自体は問題ないのですが、僕はTuneCore Japanへの支払いにデビットカードを使用しています。この場合、与信枠の確保の段階で銀行口座からの実際の引き落としが発生します(当たり前と言えば当たり前ですね)。そして契約期限1ヶ月前になり、契約を更新しない旨をTuneCore Japanに伝えると返金処理が行われます。与信枠の返金にかかる期間はカード会社によって異なると思います。僕は返金処理が行われた翌日に口座にお金が返金されました。
僕の場合、合計で10作品がTuneCore Japanに登録されているので、来年の年初くらいまでずっと、更新時期が近づくたびに更新しない契約の与信確認のためにお金が引き落とされる状況が続きます。
この辺は、仕組みを理解していないと驚くことになると思います。
以上のようなお話でした。何かの参考になれば。
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