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ついなちゃんドゥルル祭参加報告

6/9 小江戸蔵里 川越市産業観光館で開催された即売会イベント「ついなちゃんドゥルル祭」のサークル参加報告です。


ついなちゃんドゥルル祭とは

漫画家・イラストレーターの大辺璃紗季氏が原作の、和要素満載のファンタジー作品「鬼っ子ハンターついなちゃん」を題材にした二次創作のオンリーイベントです。ついなちゃんの公式本・グッズや二次創作作品、妖怪や神社仏閣、ご当地や合成音声ソフトのキャラクターなどを使った作品が一堂に介す即売会となります。

「小江戸」とも呼ばれる埼玉県川越市で、定期的に開かれている「川越キャラクターベース」の一イベントです。

参加にあたり

新譜「初花」の頒布準備と告知

ついなちゃんオンリーということもあり、ついなちゃん関連の作品の頒布が必要です。ついなちゃんはSynthesizer Vのプラットフォームで合成音声製品が発売されており、澄んだ高音が特徴の歌声を聴かせてくれます。このイベント向けに、ついなちゃんが歌う作品の制作を昨年末から進めてきました。

元々僕は11年前にインターネットの人気合成音声キャラ「Megpoid(愛称GUMI)」が歌うポップス作品を作るボカロPとしてデビューし、以降6年間GUMIのポップス作品を作ってきました。その後しばらくGUMI歌唱作品もポップスも作ってはいなかったのですが、2023年春頃よりGUMIが登場するTwitter/Xの音声配信スペース「GUMIラジオ」についなちゃんの原作者である大辺璃紗季氏が何度も登場するなど、ついなちゃんとGUMIとの絡みの多い時期を迎えているのを目にしていました。

複数の知人からついなちゃん界隈へ誘われていたこともあり、そうした経緯も踏まえ、手元に残っているGUMI歌唱の未アルバム化作品と、ついなちゃん歌唱の書き下ろし作品で、新アルバムを構成することにしました。

制作は、2024年1月についなちゃんとGUMIのデュエットガールズロック「星空のモノローグ」のMVを投稿。ついで2024年2月についなちゃんのメインボーカルに鳴花ヒメ, 鳴花ミコトを絡ませた和風エモロックの「春ヲ告ゲル、花ノ記憶」のMVを投稿しました。

次いでGUMIの既存の未アルバム化作品を、今風の音作りで再録音するのと新しく発売されたSynthesizer V GUMIの歌唱で歌唱を再収録。また、ついなちゃん歌唱作品をさらに1作書き下ろし、合計7曲の新アルバムを完成させました。

新アルバム「初花」。ついなちゃん歌唱のガールズロック2曲、GUMI歌唱のポップス4曲、デュエット作品1曲の、計7曲を収録

Twitter/Xでの、新譜の見どころ紹介投稿

新アルバムのトレーラーに当たるアルバムXFD動画は、イベント直前となる6/2にニコニコ動画とYouTubeへ投稿。Twitter/Xで繰り返しの告知で認知を高めるようにしました。ついなちゃん、GUMIの公式アカウントでの紹介もあり、まずまずの認知となったようです。

またイベント前日の夜には、収録曲1曲ずつの紹介ショート動画をTwitter/Xに展開。動画サイトにアクセスせずとも、作品の魅力と触りを確認できるように配慮をしました。

展開したショート動画の多くはYouTube Shorts用に用意したものや、それをアルバム音源に差し替えたものです。普段から宣伝に使えるようなショート動画はコツコツと作り貯めしています。「成果に繋げられているか」という評価はともかくとして、こうした機会に迅速に動画展開できるのも僕の強みの1つであると思っています。

また、VOCALOID関連アルバムの情報等をアーカイブしている情報サイト向けに、アルバムジャケットや収録曲情報を得られる特設ページをnote上に用意して公開しました。

お品書き

今回はついなちゃんが主役。新譜を大々的に目立つように配置しました。それとともに僕にとってのついなちゃん界隈での初の即売会、今まであまり持ち出していなかった旧譜も併せて持っていくことにしました。

お品書き、今回は新譜を大々的に展開

前回同様A3サイズのお品書きとなるため、サイズ的な余裕があります。メインとなる2人のキャラクターを大々的に打ち出すことで華やかな印象のお品書きになったと思います。

成果・反省点

前日のステージと、「個人が展開する作品のキャラクターオンリー」から体感する一体感

小江戸蔵里 川越市産業観光館は、1800年代の酒造を改装した建物で国の文化財でもあります。会場となったイベントホールも、天井に梁が巡らされ土壁で囲まれた一室でした。空調も当然後から建物に傷をつけないよう配慮しながら取り付けたものでした。

土蔵が見えます
小江戸蔵里の案内図

前日に同じ市内のウニクス南古谷で行われた「川越キャラクターベース」本体イベントの熱気も冷めやらぬ中、同じスタッフとサークル/一般参加メンバーが会場に集まっています。大きなイベントととは異なり、個人が展開する作品のキャラクターオンリーということもあり、来場者はそこそこあるものの大変和やかな一体感を感じるイベントとなりました。

前日にウニクス南古谷で行われた川越キャラクターベースのステージ①。イベント主催でもある歌手「夜弓神楽狐之灯矢」の歌唱ステージ
前日にウニクス南古谷で行われた川越キャラクターベースのステージ②。東日本大震災後の東北の復興支援活動グループで組んでいる音楽チーム「山とケ」の歌唱ステージ
前日にウニクス南古谷で行われた川越キャラクターベースのステージ③。ついなちゃんのボイスドラマに参加している3人組「スノーフレーク」CV担当3人と原作者「大辺璃紗季」のトークステージ。これとは別にスノーフレークおよび各キャラクターのイメージソングの歌唱が行われた
前日にウニクス南古谷で行われた川越キャラクターベースのステージ④。ついなちゃんのボイスドラマに参加している3人組の敵団体「狐面党」CV担当2人による朗読劇。観客をステージに上げるなどの客席と一体化したオリジナル脚本での舞台となった。先のスノーフレーク同様、大辺璃紗季氏とのトークイベントも行われた

割と多かった音楽サークル

サークル参加は20サークルほど。割合は物販が7で、音楽が3くらいです。思ったよりも音楽サークルの割合が多かったのですが、そこはキャラオンリー。大変に(ある意味変態的に)キャラクター愛を感じさせる音楽作品が揃っている状態でした。「普通の音楽作品で太刀打ちできるんでしょうかね、これ?」と感じたのも確かです。

とはいえ、ついなちゃんというキャラクターの声や世界観を考慮の上で作った新譜でもあります。会場で何度か新譜を流していただいたこともあり、持っていった分はほぼなくなりました(普段の倍、持っていったんだぞ💧)。隣のついなちゃん&夏色花梨作品を持ってきていた音楽サークルも完売していたので、前述の不安は杞憂だったようです。

会場に来たついなちゃんファンの方で少なくない割合の方が、以前から僕の作品に触れており、ついなちゃん作品を出したことを歓迎していてくれていることも知ることができたのは良かったなと感じています。

新キャラクター「蓮鬼ねむ」の足音

ついなちゃん関連では、昨年末についなちゃんプロジェクトに移籍してきたキャラクター「蓮鬼ねむ」のCV担当の佐伯伊織さん直筆の色紙が展示されていました。

ウマ娘の「キングヘイロー」のCVとして、またゲーム音楽歌手「NU-KO」として知られるその声が、7月には「A.I.VOICE2 蓮鬼ねむ」として合成音声製品として発売されることもあり、その前夜としての盛り上がりを見せていました。

蓮鬼ねむが以前に所属していたプロジェクト「CoeAvatar」の最初で最後の合同紙の頒布をしていたベルガモットさんのブース。ついなちゃんプロジェクトに移籍してきた蓮鬼ねむ、夢酔じょうこ両名のグッズも頒布されていました。


「2次創作」を改めて考える

ついなちゃんの登場キャラクターで歌唱ライブラリ化しているのはついなちゃんだけですが、トークライブラリに関しては公式がボイスドラマを展開している影響か非常にたくさん存在します。作品に参加している声優さんも会場で自サークルを構えていたり、スタッフとして参加していたりします。そういった方達と前日のウニクス南古谷でのステージの感想なども含め、ついなちゃんの作品や声優活動などに関する色々なお話を聴かせていただいたりしたのは、非常に貴重な機会でした。

ボカロPというのは非常に微妙な存在で、歌唱ソフトのキャラクターの歌声を借りて作品を作りますが、それがキャラクターの世界観に依存する2次創作なのかというと微妙なところです。

ついなちゃんのキャラクターオンリーでは公式のコンテンツに参加している参加者も多く、こうした作品世界で活動する上では、公式が展開するオリジナルの世界に対するリスペクトを蔑ろにするわけにはいかない気もします。別の界隈では、キャラクター展開が行き過ぎたこともあり、作品やキャラクター達がいいように世間のおもちゃにされて焼畑農業のような状態になってしまっている事例も見られます。

1次とも2次とも定義しにくいボカロPの、さらにキャラクターソングとかそういう作品を作っていない立場だとしても、こうしたキャラオンリーに参加する創作者としては、原作の世界観や設定にどこかで繋がりを感じさせることを頭に入れることも必要だし、原作に敬意を持って作品を作っていく必要があると感じています。

この先の即売会予定(申込中含む)

  • 7/21 「THE VOC@LOID M@STER 56」(通称ボーマス)大田区産業プラザPiO(東京都) ⭐︎ブースC50

  • 8/4 「ガタケット178」 新潟市産業振興センター(新潟市)

  • 8/24〜8/25 「VOCASTAR」 ソウルSETEC(韓国・ソウル市) ⭐︎新譜リリース検討中

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