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小さくて大きい恋の話

好きなカフェが閉店になるので、
四連休、通った。

毎日雨が降っていた。
思い返してみれば、このカフェで過ごす時間に
雨の記憶は無い。

家から少し歩くそのカフェに行くのは
お天気が良くて元気な日ばかりだったから。

そんなわけで、この4日間は私にとって非日常だった。

終わることが分かっているから、
非日常が日常になった。

終わることがいつか分からない人生だから、
毎日を非日常のような気持ちで過ごすことも
必要なのかもしれない。
疲れちゃうけれどね。


もう何年前になるだろうか。
鉄板焼きのお店のカウンターで、
たまたま隣になった彼。
彼が家で淹れてくれたのは、そのカフェの珈琲だった。
始まりそうで始まらなかった恋の話。

その次の年、
そのカフェで出会った人をとても好きになった。
さらにその次の年、
その人と、別のカフェでお茶をしている時に、
鉄板焼きの彼とその彼女が、隣の席へ。

気付かれないように、気付かないふりをした。
きっとお互いに。

これを運命と呼ぶのかは分からないけれど、
小さな縁や偶然や奇跡を積み重ねて生きている。


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