誰もが社会を生きている
会社帰りの日課は、
近所のねこちゃんずを愛でること。
走り寄るねこちゃん達をひとしきり撫で、
話し掛け、飽きられたと感じたら
また明日とご挨拶。
離れると追いかけてくる日もあり、
飽きたのはふりだったのかと思うと
また愛おしい。
そんな中、新入りの黒猫が古株のトラ猫と、
鼻を擦り合わせようと試みていたが、
華麗な猫パンチと「ニャ!!」という罵声を浴びていた。
この光景に出くわすのは2度目だ。
その後も黒猫はめげずに、トラ猫に近づこうとしたり、
ゴロゴロ転がって興味を引こうとしていたが
失敗に終わっていた。
仲良くしたい黒猫の気持ちも、
自分のエリアを守りたいトラ猫の気持ちも
どちらもわかるので、
簡単に「仲良くしなよ」とは言えなかった。
まあ、言ったところで言うことを聞くわけじゃないけれど。
そして、気ままに見えるねこにも社会があって、
傷ついたり、傷つけたりしているんだなと思うと
なんだかうるっとした。
そんな梅雨の晴れ間。