一寸先はカーネーション
歩くことが好きだ。
都会も住宅地も自然の中も。
時間に余裕がある時には、なるべくいつもとは違う道を選ぶ。
住宅地を歩く時には、
お家や、歩いている地元の人と思われる人を
こっそり観察する。
この街は、上品なご年配やご家族と、
夢がありそうに見える若者が多い。
ぼーっとそんなことを考えながら歩いていると、
視界に何かのかたまりが。
突然の落下。
驚き過ぎて声も出ない私。
振り返る通行人。
恐る恐るその塊を見ると、
鉢植えのカーネーションが。
民家の2階の窓に吊るされていたものの様だ。
ほんのわずか、タイミングがずれていて良かった。
危うく私はカーネーションを加害者にしてしまうところだった。
そして、万が一な事態となっていたら、
母の日の定番プレゼントとしての役目を
終えさせることになったかもしれない。
そうなると、紫陽花が繰り上げ一位か。
このカーネーションもまた、上品なご家族の、
お子さまからお母様への、感謝のプレゼントだったのかもね。
時期的に。
本当に良かった。
ところで一寸は何センチだったけ?
と、調べてみたら、約3cm。
少し盛っていたことが発覚した。
7寸先はカーネーション。