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PCのみで音楽を作るときに有機的なサウンドにする方法
はじめに
このnoteは主にエレクトロニックミュージック、ダンスミュージックを作っている人には役に立つと思います。
音楽制作している中で自分が気づいたことをシェアします。
ダンスミュージックの肝であるリズムトラック
テクノやハウスなどの同じドラムパターンで引っ張って踊らせ続けるトラックにおいては、ずっと聴けるループを作れるかが大切です。
同じドラムパターンでも微妙にタイミングに揺れがあったり、4つ打ちのバスドラムでも微妙に毎回音色が異なるなど有機的な変化をつけると良い効果が生まれる事が多いです。
下記の例は、バスドラムのトラックをイコライザーでブーストさせて、持ち上げた周波数をLFOでランダムに揺らして(1kから10kの間辺り)ハードウェアのドラムマシンっぽい有機的な音にしています。
キックにイコライザー掛けて、1kから10kの間辺りをブーストさせてLFOでランダムに揺らすとハードウェアのドラムマシンっぽい有機的な音になるよ。#ableton #daw #tips pic.twitter.com/eiJfoDr3Cc
— SUNNOVA(サンノバ) / Hiroya Tanaka (@sunnova_downy) September 6, 2022
LFOをランダムにして揺らすテクニックは、音色だけではなく発音のタイミングをズラすことにも応用できるので、ハードウェアならではのズレをDAWでも意図的に作ることができます。
これが面倒ならハードのシーケンサーやリズムマシン買ってください。
ハイファイすぎる音質を汚す
ソフト音源のシンセサイザーやリズムマシンの音色を使うと、波形が綺麗すぎるが故にハードで作ったトラックと比較すると音にまとまり感がない場合があります。
音を濁らせることでアナログらしさが出てまとまり感が出るのですが、やりすぎると音が埋もれた印象になるので、良い塩梅で処理する必要があります。
各トラックにアナログモデリングのEQやコンプ、サチュレーターを使ったりテープをシミュレートしたプラグインを使うの定番の方法です。
感覚値として、自分が気持ち良いと思うくらいエフェクトを掛けたら、そこから効き具合を70%くらいまで下げるとマスタリング時に良い塩梅になることが多いです。※あくまで僕の感覚値です。
プラグイン選定の参考用:下記のnoteが興味深い内容だったのでシェア。
オートメーションを描くときにマウスを使わずコントローラーを使う
これは音質に関してではなく、曲全体の抑揚の付け方についてです。
下の画像のように音量がゼロの状態から徐々にフェードインさせる時に、つい綺麗なオートメーションを描きたくなってしまいます。
まっすぐ直線を描いただけだと聴いた時に機械的な印象になるので、少し人間味を持たせたい場合は汚いカーブになっても良いのでコントローラーでオートメーションを描くことがおすすめです。
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2mixにアナログ感を付与する
これは最近自分がよく使う手法です。Ozoneを使っている方ならすぐに試せますし、別のメーカーのものでもヴィンテージEQをモデリングしたプラグインであれば同じような事はできると思います。
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・100Hzを1dbアップ
・1kHzを1dbアップ
・10kHzを1dbアップ
こうすることでアナログテープの周波数特性に近づくので試してみて欲しいです。慣れている方は細かくQ幅を調整して自分の好きなカラーに近づけることができます。
サンプル
8月にリリースしたRitualというトラックでは、上記のテクニックを多用したので是非聴いてみて欲しいです。ほぼPCのみで完結させて、サウンドデザインとして過剰にアナログ感を付与しているので一聴するとカセットテープのMTRで制作したような音像になっています。
各々の楽曲制作の気づきやTipsをシェアするカルチャーが広がれば良いなと思ってnoteを書いてみました。