明治安田生命第7節 清水エスパルスvsV・ファーレン長崎~V・ファーレン長崎のエスパルス対策
V・ファーレン長崎の清水エスパルス対策について考えてみます(守備、守から攻への切り替え編)。ざっといくので選手の敬称は略させてもらいます。
スタメンの配置です。
澤田はトップ下じゃないかとか突っ込まれそうですが、おおよそのポジションという事で。
V・ファーレンはエスパルスの攻撃パターン
1. 後ろからの組み立て
2. ターゲットへのロングボール
この2つを見事に消してきました。
1.の後ろからの組み立てに対しては、エスパルスのボランチ、サイドバックに強くプレスをかけてきます。
V・ファーレンのプレスのかけ方は
こんな形です。前2人でセンターバックの前を塞ぎ、ウイングバックがサイドバックに、トップ下がボールサイドのボランチに寄せます。逃げ場所を消してサイドバックにボールが出たらそのままサイドに追いやるようにプレスをかけて奪いにいきます。
左に出た時。
右に出た時。
組み立ての中心になるボランチの河井、竹内。そしてボランチへボールを届ける中継地点、組み立ての補助、ボールの逃がしどころになるサイドバック。
繋ぎの経路を遮断されたエスパルスはビルドアップが機能不全になります。プレスがかかった状態での無理なパスを奪われてカウンターを何度か浴びることになります。
次に、2.ターゲットへのロングボール。
ターゲットにボールが入るとV・ファーレンはディフェンダーが後ろから、ボランチが前から必ず挟み込むように守っていました。
上で書いたようにV・ファーレンの前でのプレスはトップとシャドウ、ウィングバックで行っていました。そのためボランチはプレスバック要因としてブロックの中を固めることに集中できます。
エスパルスはターゲットに当てたボールを拾い繋いでいくため、攻撃にかかるとサイドハーフは内側に絞り、ボランチは前に上がってターゲットをフォローする位置を取ります。この位置取りをV・ファーレンは逆手に取ります。
空いたハーフスペースにシャドウをポジションさせてカウンター。
失点の場面もこれに近い構図になっています。
石毛を前後で挟み込むV・ファーレン守備陣。手前では河井が次の展開のため前に出ています。中央に竹内が残っている状態でその前に澤田。そして中村がハーフゾーンに位置しています。
石毛は松原へパスしますがプレスがきつくパスがずれます。
ボールはそのまま中村へ。中村は前方フリーでドリブル。フレイレがカバーのためスライド。中央が薄くなったところをクロスから鈴木にゴールを決められます。
このように主な攻め手を封じられたエスパルスは常にぎこちないプレーの続く前半でした。
後半になるとエスパルスはV・ファーレンの守備ブロック内にスペースがなくボールは繋げないということで、白崎に代えてクリスラン。ターゲーットを増やしつつ、中でなく前への推進力を増やします。
マークが分散したことで形を作る場面が出てきますが、先制してより固くなったV・ファーレンの守備を崩せないまま。さらに中が固いということで馬力を増やし、サイドを打開するためデューク、北川を投入します。
ある程度の効果は出て、ところどころではチャンスを生み出すものの全体的にはやや単調な攻撃に。結局、無得点のまま試合は終了してしまいました。
試合のプランとしてはエスパルスは白崎を使って攻撃の幅を出そうとしたのだと思いますが、ちょっと裏目に出てしまったのかもしれません。ただこれは相手との嚙み合わせの問題で彼個人の責任ではないと思います。
それほどにV・ファーレンの守備、そしてそこから転じる攻撃は素晴らしくここまで組織的に出来るチームはそう多くないと思います。
良い面に目を向ければ立田がプレスを外して逆サイドに展開しようとしたり、ゴールキーパーを使って相手のプレスをぼかしたりと試合中に対応しようとするプレーも見られました。選手は頭の中では、じゃあどうしようかというのはわかっていると思います。
そしてなにより組織ではめられたヨンソン監督は悔しい思いをしているはずで、何かしらの手は打ってくるでしょう。
今のエスパルスはこれで落ちていくほどまだ完成したチームではないので、よい勉強になったと思います。
ということで、この先も連戦続いていきますが期待して応援していきましょう。
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