清水エスパルスvs横浜Fマリノス~清水エスパルスのよい攻撃のお話
今シーズン4節まで負けなしの我がエスパルス。絶好調!
...でしたが。
今回は負けてしまいました。横浜Fマリノスとても良いチームでしたね。
結果は残念でしたが、ヨンソン監督の試合後コメントにもあるようにエスパルスの方も良いプレーが沢山あったと思います。
この試合では、裏抜けからクロスという形で何か決定機を作り出していました。これは良いプレーの1つの形だったのではないかと思います。
縦に速い攻撃、そしてサイドからクロスというのは、この試合に限らず今シーズンのエスパルスの特徴です。その特徴は確かなのですが、裏に向かって単純にボンボン蹴り出すだけでは良い攻撃には繋がりません。
僕はもう少し他にも今シーズンのエスパルスの攻撃には何か特徴があるのでは?と思っています。今回はある場面を切り抜いてその特徴を探ってみたいと思います。
前半の37分辺りから。クリスラン選手が裏抜けしてクロスを上げる少し前からの場面を切り抜きます。
まず右サイドでボールを受けた立田選手が相手のプレスをかわすところからスタートします。Fマリノスは高い位置から連動したプレスをかけてきます。それでもしっかり繋いでいったプレーが、この後のチャンスの起点になりました。立田選手はこの他でも、しっかりビルドアップしようという狙いのあるプレーをしていました。立田選手、とても賢いし上手いです。
立田選手からソッコ選手にパスが出ます。河井選手が直前のプレーで前に出ていたので石毛選手が真ん中に絞ってカバー。このように中盤のセンターに常に2人の選手を配置して442の形が崩れないようにしておくというのは今シーズンのエスパルスの特徴です。この形で白いラインのように斜めのパスを繋いでいきます。
石毛選手はボールを受けた時、少し左にボールを運んでからフレイレ選手にパスしています。ブマル選手は松原選手を離して石毛選手に対応します。これで松原選手がフリー。ちょっとした動きですが石毛選手のナイスプレーです。
フレイレ選手にパスが出ても縦パスのコースを塞がなければならないのでブマル選手は中に絞ったままです。
フリーになっている松原后選手がすっとポジションを前に上げるとFマリノスの右サイドバック松原健選手(ややこしい)がマークのため前に出てきます。
これサイドバックの裏にスペースが出来ました。后君、とても良い戦術眼です。
フレイレ選手から前に引きずり出した松原健選手の裏にタイミング、場所ともに完ぺきなフィードが出されます。このフィードが出せるセンターバックがいるのは大きい。これで勝負あり。
出たー!伝家宝刀の”裏抜け”。
横浜Fマリノスの中盤から前の選手はエスパルス陣内に引きずり出されています。カバーの無い状態でクリスラン選手とよーいドンではさすがの中澤選手も対応が難しい。
クロスに対しての約束事はニアとファーに1人ずつ+逆サイドのサイドハーフが入ってきます。ここではデューク選手がニアに、金子選手が逆サイドから中に入ってきています。もし金子選手の前にクロスが入っていたら決定的でした。ニアに向かってデゲネク選手をひきつけたデューク選手、ちゃんとその裏に入ってくる金子選手、ナイスプレー。
速攻を仕掛けるときのもうひとつの約束事がボランチの選手が一人は前に出ていくことです。これによってセカンドボールの回収とミドルシュートを狙うことが可能になります。
ここでも河井選手がしっかり拾って再びクロスに持ち込んでいます。河井選手さすがです。
河井選手からのクロス。約束通り逆サイドの石毛選手が飛び込んできています。(接触により負傷してしまった松原健選手は心配でしたが)。
以上です。点は決まりませんでしたが、エスパルスの攻撃の特徴と思われるものが見られます。
・相手のセンターバックとサイドバックの間を狙う(まず裏狙い)。
・後ろで動かす時はセンターバックとサイドバックで組み立て(ボランチを後ろに下げない)。
・ボランチを後ろに下げないので常に全体の配置が崩れない。
・バランスよい配置、距離感で斜めのパスを多用する。
・ゴール前に人数をかける時の約束事がしっかりと出来ている。
バラバラと羅列しました。まだ他にも見えるものがあるかも知れませんし、もしかしたら違うのもあるかも知れません(もしこれぞというのがあったら教えてくださいね)。
実際にはシンプルな攻撃が多くて、これらが全部詰まった攻撃は少ないです。それでも攻撃はまだまだと言いながら基礎の部分のいくつかは作られているのではないでしょうか。
今は単調な攻撃のようでちゃんとヨンソンエスパルスの攻撃の形は仕込まれているよ。というのが今回言いたかった結論です。
最後に。この後ろで動かして守備を崩して一気にスピードアップという形、横浜Fマリノスの得点場面と似てるんですよね。同じ形でやり返せたら
「ちょー気持ちいいぃぃ。」
だったんですけどね。ここが完成度の違いなのかもしれません。エスパルスはまだまだ成長の余力があるので次回の対戦に期待しましょう。
次は絶対に勝つぞ!
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