リノベによる賃料アップの費用対効果について解説します。
今週は夏休みの連休明けの週ということで、忙しい日々が続いております。(ブログ更新も遅れてしまいました…)不動産の市況としましては6月、7月にも増して物件が動いてるという状況です。当社でも独自ルートで仕入れた物件情報に問い合わせを多く頂いている状況です。
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さて、今回の本題です。賃貸物件の賃料アップは簡単では無いということは周知の事実だと思います。日本では借地借家法により賃借人の権利が手厚く保護されていますので、賃料増額の請求をする場合は相応の理由が必要となります。
よって、相場より安い賃料で入居させることは、賃料収入だけでなく、売却価格にも影響を与えてしまうため避けなければなりません。
ただ、退去後であれば賃料は自由に設定できるので、賃料を上げるのはこのタイミングしかありません。とは言え、今の時代、一般の方でも相場賃料は十分に理解しているので、営業力だけで相場賃料よりも高い賃料で入居してもらうことはほぼ無理です。
しかし、リノベーションで部屋の価値を上げることができれば話は別です。多少賃料が高くてもこの部屋であれば住みたい!と思ってもらえれば良いのです。当社でもそのような取り組みをしており、今回は実際の事例を踏まえて解説していきます。
では一体どのようなリノベーションをすれば良いのか?ここが悩みどころです。ポイントは自分の思い込みではなく、できるだけ客観的な分析&検証をして商品企画を行うことです。
そのための手法として3C分析を採用します。①競合(Competitor)、②顧客(Customer)、③自社(Company)ですね。
まずは①競合からです。物件近郊の同築年数、同規模の物件の駅距離、面積、仕様(内装、設備)を徹底的に調べます。私の場合は、実際に内覧し確認します。確認した内容を一覧にしてまとめます。イメージとしてはこんな感じです。
競合物件で足りないものや、不満と感じたことを解決できるように、リノベーションする物件に反映していきます。
続いて②顧客ですね。どれだけ良いリノベーションをしても顧客がそのような物件を欲していない場合は意味がありません。例えば地方の田舎でピカピカのリノベーションをした物件を作ったとしても、誰も興味を示さないでしょう。よって物件選びの基準が賃料に偏っている方が多いエリア=地方についてはリノベーションは向かないということですね。やるなら都心部です。
続いて③については自社の強みですね、これはデザイン力や工事費用をどれだけ抑えれるかという点がポイントです。リノベーションといっても単に仕上げを新しくするなど、原状回復に毛が生えた程度の内容では他との差別化できません。素材の選定や細かい収まり(ディテール)が重要です。特に当社の場合はここに着目しています。内覧時にこの物件は何か他と違うな、魅力的な空間だなと感じ取ってもらうことが重要です。
かなりざっくりと説明しましたが、このような流れで工事内容を仮に決めていきます。
続いて賃料設定です。当社の経験上、上記のような着目点を抑えたリノベーションをすると概ね相場賃料と比べて2〜3割アップで入居付け可能です。(築年数により上限はあります)
単なる原状回復では賃料アップはできません。また、仕上げや設備を最新にするだけのなんちゃってリノベは1割程度の賃料アップに留まってしまいます。これは言葉だけでは説明するのが難しいので実際に当社で購入した物件での事例で解説します。
場所は都内23区ではありますが少し外れた場所に位置します。20㎡弱のワンルームマンションで相場賃料は5万円弱となります。
こちらがビフォーの状態です。かなり汚れていますが普通のワンルームマンションです。
そしてこちらがリノベーション後の状態です。
こちらの物件はリノベーション後、賃料を6.3万で募集しました。そして1週間ほどで入居者が決まりました。相場の約1.3倍の賃料となります。
月間賃料は1.4万円プラスで年間で16.8万の賃料増となります。物件の収益還元利回りは、現在の相場ですと6.5%程度のため、売却金額が約260万円アップしたことになります。(15.6万÷6.5%)つまり、工事費を260万円以下に抑えればプラスになります。
もちろん、当社では自社施工なので実際の費用はかなり抑えています。工事費を下げる方法は別記事で解説していますのでそちらを参照下さい。
また、忘れてはいけないのは今回のような部屋の状況の場合、そのままの状態で貸し出すことはできないので、原状回復がどうしても必要となります。単純な原状回復の場合でも普通に業者に発注したら80万円程度かかってしまうでしょう。これは部屋の募集をかける上で最低限必要となる費用です。この場合は賃料は4.9万円/月です。
仮にリノベーション費用が200万だった場合、120万円余分に費用をかけることで年間賃料が16.8万円増えるということですね。利回りで14%、約7年で投資費用を回収でき、長期保有で考えればかなり良い数値です。短期の売却でも売却金額が260万円アップしますので原資を十分に回収できます。
ということでリノベによる賃料アップについてまとめると、
①エリアは都心部が基本(物件選びの基準が賃料に偏ってないエリア)
②3C分析で商品企画をしっかりと行う
③素材の選定や細かい収まり(ディテール)まで拘り2〜3割賃料アップを目指す
といったところです。もちろんもっとポイントはたくさんありますが今回はここまでとします。リノベによる賃料アップについて詳しく知りたいという方は個別に相談を受け付けていますのでこちらまでお問い合わせ下さい。
それではまた。