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ボリューム検討を繰り返すことでわかったこと

前回のブログでもお伝えした通り、建設業許可を取得したこともあり、土地情報を積極的に集めています。当たり前ですが、条件の良い土地は一瞬で売れてしまいます。これだけ建築費が上がっている現状でも新築の需要は旺盛ということですね。

当社の場合、設計と工事の機能を備えているため、土地情報を取得して直ぐに簡易ボリューム検討ができます。他社よりも早く買取額を算出できますが、それでも他社の金額に及ばず仕入れができないということが多々あります。

そういった状況でも中には条件に合う物件も少なからずありますので、毎日3-4件のボリューム検討をしている日々です。

その中で最近気付いたことがあります。ボリュームの出し方によって土地の価値は大きく変わるということです。

基本的にはその土地の容積率を最大限に消化するという考えがありますが、それを何処まで突き詰めているのかがポイントです。

例えば前面道路が狭く高い建物を建てることができずに容積率を消化できない場合、天空率という手法を使います。(細かい説明は省きます)。この天空率を使って最適なボリュームを出すのはそれなりの手間がかかります。

また、居室には採光に有効な窓を面積に応じて設置する必要がありますが、採光が上手く取れ無いために容積を消化できないこともあります。しかし、手間暇かけて検証をすることで、上手く採光を取ることもできます。そうなれば、賃貸面積も増え、収益性も上げることができるのです。

では世の中に出回っている土地の全てが、手間暇かけてボリュームを出した結果が反映された値付けがされているかというと必ずしもそうではありません。中には天空率を検討せず、道路斜線のみで済ませているケースもありますし、採光の検証も突き詰めていないこともあります。

そのような土地を購入し、手間暇かけて検討した結果、賃貸面積が増えれば収益力がアップするので、相場価格で購入したとしても、相場よりも高い利回りに仕上げることができます。

このようなことが発生する原因の一つとして、ボリューム検討を外部に委託する際の費用の安さがあります。酷い場合1万、2万といった金額で依頼するケースもあります。

そのような金額では細かな検証ができるわけも無く、検討結果を受け取った不動産会社の担当者も、建築については素人であることが多いので、指摘もできず、受け取ったボリューム検討の面積から賃料を弾いて土地値を算出します。

レインズに掲載されているような物件でも数をあたれば、そのようなお宝物件にめぐり合うことができます。当社でも今購入を検討をしている物件はレインズ掲載物件です。

つまり値付けミスともいえる物件を見つけ出す能力が必要ということです。よくあるケースとして中古物件を利回りで購入して、立ち退きして開発素地として売却することで値が跳ね上がることがあります。立ち退き業者のビジネスモデルですね。しかしこれは誰にでもできることではありませんし、個人の方は尚更です。

しかし、ボリューム検討による賃貸可能面積の算出は、信頼できる建築士に適正な費用を出すことができれば誰にでもできます。ボリューム検討自体はそれなりの実務経験があれば、結果にそこまで大きな差はないです。

不動産を購入する際は、表面上の数値だけでなく、さらに突き詰めて検証した場合、どのように価値が変化するかを見極める能力が重要ですね。

ということで新築をされる方はご参考頂ければと思います。
本日は以上となります。

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