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№5_学生時代 追試に挑む

こんにちは!小野博也です。
前回、宣告を受けた「美学講読演習」の追試。果敢に挑んだ時の記憶をたどりながら書き綴っていきます。

ショックだった追試宣告

この後期の試験では、自分としては結構に回答して書けたと思っていました。その上、東京のファッション・アパレルの会社の就職も決まっており、後は、目出度く卒業式を待つばかりで、期待と夢とそして希望に溢れていたのが、一辺にガラガラと崩れさってしまったのでありました。なんと、あの一年生の時の第二外国語のドイツ語が、ここまで尾を引くなんて、あの時の陰険な教授の品格が無く、痩せこけて、骸骨みたいな顔が、私の周りで喜んで踊っているかの様な錯覚さえ覚えました。それほど僕にとっては、大きなショックな現象なのでありました。

諦めきれずにとった行動は

諦めきれずにいた時、同じ美学科のO君も同じく追試と知り、二人とも納得がいかない為、一緒に「美学購読演習」担当教授の京都伏見の家を訪問して、なんとか追試を避けて卒業をさせて貰おうと真剣に考え、手ぶらでは失礼と思い、教授の好きなウイスキーを持参して訪問。玄関先で(この時教授の応対は、上がりなさいとも言っては呉れませんでした)、ウイスキーの入った箱は後ろで抱えて教授には見えない様にしていました。続いて教授に対して、何故この度の試験が不合格であったのかと、理由を正すと、「君達は、得点は60点以上取っていたが、出席点が不足している為である、と聞き、またしてもダブルショックを受けてしまいました。

すぐさま返しとして、僕は就職も決まっており、O君も家業の漬物屋の跡取りとして期待されている旨などを伝えましたが、玄関先でけんもほろろに断られました。二人とも腹の底から煮えたぎる思いでしたが、二人で目配せをしながらぐっとよく我慢をして、丁重に挨拶をし引き上げました。持ってきたウイスキーは渡さなかったので、後ろ向いて玄関先を出る時には、丸見えだったと思いますが、渡さなかって良かったと二人でうなずいたものでした。

万全の体制で猛勉強

結局、二月末の追試を受ける羽目に陥りましたが、もうそれまでは猛勉強の毎日で、「美学購読演習」のドイツ語の教科書を、参考書ともども丸暗記してしまい、どの範囲から出題されても万全と云う体制でした。この時には、初めて本気の大恋愛をしていて、卒業後には結婚の約束をしていた素晴らしい彼女である、現在の四十四年間、苦労を掛けながらも無茶苦茶に我侭な僕に着いて来て呉れた、最愛なるワイフが一緒に寄り添い、寒い冬の中、激励しながら、手伝いながら応援をしてくれました。

そして、覚悟した最終の追試に潔く臨みました。今では暖房の効いた教室ですが、当時は寒くてストーブさえ無い、本当に寒い二月末の午前9時からの追試でした。教室には、なんと美学科だけの学生だけではなく、他学科や他学部の学生も、選択科目として受講しており、こんなにも落とされて追試に臨んでることに驚きを感じたのでありました。約15名くらい居たと記憶しています。

今回はこのあたりで。
次回は、いよいよ挑んだ追試、試験会場での出来事などを書き綴ります。ご期待ください。

大学の4年間下宿先として世話になったアメリカ人の先生宅のソファでくつろいでいる時の一枚。大学2年の時。

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