コロナウイルスとEBA
コロナウイルス感染者が1人しか出ていないと報道されているカンボジア。
それでもかなり大きい影響が出てきている。
2月11日にアテンドで行ったアンコールワットには、中国人観光客は全くいなかった。ガイドによるとレストラン・ホテル・お土産屋・バス会社などの観光産業が悲鳴を上げているそうだ。「観光しやすいけどこの状況が数ヶ月続くと相当の会社が倒産して失業する」とも。カンボジアを訪れる観光客で国別No.1は中国。相当の打撃があると見込まれる。
製造業も悲鳴を上げている。カンボジアの製造業の中心は縫製だが、その材料の多くを中国から仕入れているそうだ。コロナウイルスの影響で原材料の調達がままならず、一時的に製造を停止せざるを得ない工場も出てきているという話を、関係者から聞いた。不可抗力と認められなければ、工員の給料を支払い続けなければならないはずで、製造業にとって大きな打撃になることが必至だ。
コロナウイルス騒ぎのさなか、EUのEBA(特恵関税制度)が部分的に撤廃されることがEUで可決された。
https://www.phnompenhpost.com/national-politics/eu-partially-withdraws-eba
カンボジアの政治に対するEUの制裁とされている。撤廃される特恵関税の対象となる製品は、金額ベースで1/5に当たる約10億ユーロ、40品目に税金が課されるそうだ。靴、衣類、旅行商材、砂糖などと報道されている。
ポストチャイナの生産拠点として名乗りを上げていたカンボジアにとって、痛手であることは間違いない。
新型肺炎ウイルスとEBA。全く異なる要因を端に発する外部リスクが、カンボジアを襲っている。発展途上の小国カンボジアにとって、外部リスクと隣合わせなのは避けられない。この2つの動きがどうカンボジアに影響を及ぼすのか、注視していきたい。
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