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読書『2040年の未来予測』

『2040年の未来予測』 成毛真著

元マイクロソフトの日本法人社長の成毛真さんの著書。

2,3年後の予測をするよりも、20年後の予測をした方がボラティリティが少なく予測できる、起こる確度の高い事項を並べていくだけでも価値があるのではないか、と書いた本とのことで購入。

大きく4つの章に分かれており、テクノロジー、経済、衣食住、天災とつながる。

テクノロジーでいえば、通信速度とAIについての考察がメインだ。通信速度については、約10年で世代がかわってきているので2040年には6Gが定着し、2時間の映画も2,3秒でダウンロードできるだろうと説く。これはおそらく間違いないだろう。また、AIの発達の速度もほぼ間違いなさそうに思える。ここから未来を考えるのは非常に重要だ。これまでの20年はテクノロジーによって多くを買えてしまったからだ。

2章は経済だ。まず人口動態の予想から始まる。これもほぼ間違いないだろう。団塊世代が90歳、団塊ジュニアが65歳を迎える。労働人口の1.5人に1人が高齢者を支える世界が来る。その他のトピックは1行でまとめる。
・年金:支給年齢が後ろ倒しになるが、国が破綻しない限り破綻しない
・老人ホーム:老老介護が現実的になる。
・地方:地方消滅が現実問題になる
・銀行:人口減少がある限り衰退はまぬがれない
・退職金:なくすべきだし、なくなると予測。すでにそういった動きが多い。(これにも同感)
・預貯金:預貯金は金利がゼロに等しく無意味になる。インデックスファンドなどに投資を。

3章は、衣食住だ。
・食に関して:肉は培養肉、昆虫食などが増える可能性を示唆。生産性と肉のイメージ(環境破壊を助長する存在というイメージがある)から
・住に関して:全国的に家が余る。売れない家であふれかえる。新築は減る。日本中で空き家が問題になる→全国住み放題のサブスクなどが出てくる可能性も
・教育:オンライン教育は当たり前になる。
・シェアリングは巨大産業になる。モノに限らず、スペース、スキル、移動手段なども

4章は天災だ。
これはなかなかリアルに想像しにくいかもしれないが、20年後までを考えると自分が天災を受ける可能性もそれなりに高いのではないかと感じてくる。
地震、水害などは、防ぎようがないように思うが、「ある一定程度の確率で起こる」「そのための予防策は?」と考えることで避ける事ができる確率が上がる天災だろう。

・温暖化がこのまま進むと、飢餓に満ちた世界になる
・2100年の予測はこのまま行くと東京は熱帯化する。インドや中東には人が住めなくなる。海水面が15cm上がる。東南アジアでは75cm上がると言われており、バンコクの2/3が水に沈む。
・台風などの水害については、自らハザードマップをみて判断するべし。
・南海トラフ地震の発生確率は30年以内に70〜80%、首都直下型は30年以内に70%の確率と言われている
・南海トラフ地震(M9クラス)の死者予測は23万人以上、首都直下型地震(M7クラス)は2万3千人
・水不足が必ず起こる。パキスタン・インド・中国が水不足になる。いずれも核保有国

実際に、様々な場所で語られている内容が一つの本としてまとめられていて、何か未来について考えるときに参考になる本だと思った。
実際にこれからの未来を考えるときに発生の確度を考慮しないで考えてしまうが、ほぼ確実に起こるであろうことから未来を考えていくことで、避けられるリスクや得られる果実が見えてくるのではないか、と感じた。

なんどか読み返しながら、リスクヘッジとポジショニングを見直していこうと思える本であった。

#浩哉読書


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