僕のトロント生活 「仕事のあれこれ」
トロントに引っ越してから早いもので3週間が経つ。
現在はダウンタウンにある小売店で販売の仕事をしている。このお店は僕がトロントに来てから初めてレジメを渡したお店でもある。
仕事が見つからないこの時期に雇ってくれたことには感謝をしてもしきれない。
今回はそんな僕の仕事についてあれこれと書いていきたい。
3日間のトレーニングを終え、今は店舗の一員として働いている。こっちのやり方なのだろうか、現場投入されるのが早い。業務内容を全て学び終える前に前線に飛ばされ、やりながら覚えるように仕向けれる。
しかし、誰かが付きっきりで教えてくれるわけではないため、自分で学べことを見つけて聞いている。
トロントに来る以前に働いていたバンフでのツアーガイドの仕事では、ゲスト日本人のお客様だった。覚えることが多かったり、慣れないガイドには苦戦したが、言葉の壁はなかった。
一方、ここ当然ながらトロントでは四方八方が英語尽くしの環境に身を置いている。毎日日本語を聞くのはSpotifyの中だけだ。
従業員の仲間はみんなとても親切な人が多い。質問をしたら答えてくれるし、親切に教えてくれる。
しかし、ほとんどが現地に住んでいる英語ネイティブの人たちだ。優しく教えてくれる一方で、話すのがめっちゃくちゃ早い。気を利かせてわざとゆっくり話されるよりもリスニングの練習にはなる気がするが、容赦ないので時より身構える。
仕事はレジ打ちや、店内や商品の案内などの仕事をしているが、お客様ももちろんネイティブ。
これはどこ?あの商品は?この色似合うのはどれだと思う? など色々と声をかけて聞いてくれるのは大変嬉しいが、たまに何を言っているのか分からない時がある。そんな時は仲間にヘルプを求めるが、とても悔しい。
日々分かからない単語や表現に遭遇するため、自宅に帰ってからは自習をして補うようにしている。そうやって、仕事以外の時間でも学び続けないと言葉の壁は越えられないのだ。
言語の壁は確かに感じるが、それ以外はこちらの方が余裕がある気がする。言い換えると、仕事に向き合う姿勢がラフなのだ。もちろん与えられた仕事はちゃんとする。しかし、それ以上のことはしない。そしてそれを誰も咎めない。
例えば、商品のストックをしている時にレジに長い行列ができているとする。通常、日本では自分の作業を止めてヘルプに行くことを求められるが、こっちでは自分が与えられた"ストックする"という業務にのみ集中する。お客様が待ってようが何しようが構いはしないのだ。
おそらくこれはお客様を殿方のように扱う日本的な考え方と違い、こちらではかなりラフにお客様と向き合っているからだと思う。
根本的に仕事における良し悪しの基準が違うのだろう。これはお客様サイドが従業員に求めてる基準も異なることから成立している。
待たされても、挨拶されなくても構わないし、それはそういうものとして受け入れる。そんなお客様サイドのラフな土壌がそれを良しとさせるのだ。
この違いはとても面白いし、自分の肌に合っている気もする。
なぜなら、日本において、どんなに親切に接客したとしても、それを当たり前だと思ってしまう人が多いからだ。一方で、少し手を抜くとあれやこれやと文句が出る、態度が悪いと批判もされる。
要するに日本はめんどくさいのだ。
この違いを雑だと感じる人は多いと思う。
しかし、ラフな接客からこそ生まれる会話や雰囲気がある。お客様を敬う態度や日本語特有の敬語はお客様と従業員という立場に大きな隔たりを生むが、それが英語にはない。それもまた、ラフな雰囲気作りに影響してるのだと思う。
"おもてなし"という言葉があるように、日本が生み出す質の高い接客は世界に誇れるものがあるのは確かである。それを無にするのは日本の良さを捨てることになりかねない。
しかし、知らない人とスモールトークをしたり、接客の際のラフな雰囲気は緊張感がなく、楽しい。
どちらの方が"楽しい"かという基準で考えたら、圧倒的にこちらの方が従業員もお客様もどちらの視点でも楽しいだろう。
日本とカナダ、それぞれに良さがあるが、僕にはこちらの風土が合ってる気がする。
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