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僕のトロント生活 「ナイアガラの滝」

今日、10月14日はthanksgiving。
北米を中心に有名な感謝祭であり、家族で食卓を囲ん七面鳥を食べたりしてお祝いをする日らしい。 

日本生まれ日本育ちの僕には関係のない文化なので、thanksgivingっぽいことをする予定は全くない。
祝日で近所のローカルのカフェなどは閉まっているため、今日は1人で電車に乗って遠出をしようと思う。

昨日僕は家から1時間ほど歩いてオンタリオレイクの沿岸まで散歩をした。そこからアメリカとナイアガラフォールズがある対岸の方を望んだわけだが、今日はそっち側に行ってみようと思う。

金欠で節約中なので、外食はできない。
そのためシコシコと卵とベーコンを炒めて、焼いたベーグルに挟んで簡単なサンドイッチを作った。
愛用のリュックに水筒と一緒にランチを入れて準備完了。

最寄駅からナイアガラフォールズまでは電車で3時間ほどかかる。なんといってもオンタリオレイクを半周するのだから相当遠い。
飛行機ならモントリオールまで行けちゃうような移動時間だが、カナダにいたら一度は行ってみたいと思っていた場所なので、めんどくさがらずに行くことにした。

ダウンタウンにあるユニオン駅で乗り換える。
駅に着くと、手に花束を持っている人を何人も見た。Thanksgivingなのできっと家族や恋人に渡すためのものだろう。

電車に乗り込むと席はガラガラだった。
眺めのいい窓際の席に座って、家で作ったベーグルを1つ頬張った。塩胡椒というシンプルな味付けだが、とても美味しい。
長旅になるので、音楽を聴きながら窓の外を眺めていた。

ナイアガラフォールズ駅に到着。駅と言っても、無人駅で、お目当てのナイアガラの滝までは歩いて40分ほどの場所にある。
バスを使うことも考えたが、紅葉が綺麗なので滝まで続く川沿いを歩くことにした。バンフに住んでいた時には、街に生えている木々のほとんどが針葉樹であったため、紅葉はあまり見られなかった。
トロントに来てからは黄色く鮮やかに変化した木々の色を楽しむことができた。

しばらく歩くと、アメリカもカナダの国境にかかる橋が見えた。視界に見える対岸にはアメリカの街が広がっている。

橋を過ぎるとすぐに遠くに轟音を轟かせながら流れる滝が見えた。
この滝は五大湖からの水が流れ込んでいるらしい。そして流れ落ちた水は、ナイアガラ川を下ってオンタリオレイクに注いだ後にセントローレンス川を経由して大西洋に流れ込む。
当然のことだが、ここまで大量の水が流れでも枯れないというのには驚く。

水飛沫だろうか、空高く煙のようなものが上がっている。
ナイアガラの滝は51mあり、ビル20階分にも相当する高さがあるらしい。
遠くから見ると人間は小粒程度のサイズにしか見えない。

10月のトロントは肌寒く、今日も3枚ほどジャケットの下に着込んできた。ビューポイントからフェンス越しに滝を眺めていると少し寒くなってきた。

25歳になって思うが、有名な観光地を見てもどこかでみた写真や映像を実物で”確認”する作業のように感じることがある。
たしかに目の前に広がる光景はすごいと思うが、想像を超えてくることが少なくなった気がする。
手軽に世界の様々な情報にアクセスできる時代に生きているが、その弊害を受けているのだろうか。
一度アナログに戻り、本を片手に旅するようにしたい。

滝の背にして進んで行くと心躍るアミューズメントパークのような街が広がっていた。し僕が子供の頃に来ていたら、きっとナイアガラの滝よりもはしゃいでいただろうなと思いながら歩いた。

スタバに行ってホットコーヒーを買って飲んだ。
帰りも3時間の移動があるため、早々に駅に向かうことにした。
日も暮れ始め、サンセットの光が照らす葉っぱが綺麗に揺れている。

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